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なんで日記を毎日書かないといけないの?

 生徒にふと質問をされたことが数日前にありました。

「まじで真剣に思うんですけど、なんで日記って毎日書かないといけないのですか?真面目に書く内容がなくて困っています。」

 その子は学級委員や班長をやったり、また成績も学年トップクラスの生徒です。そんな生徒がまさかこんなふうに思っているなんて知りませんでしたし、言われてみれば、自分も中学の頃、同じこと考えていたなと思いました。

  たしかに毎日何行も書いてくるのは大変だな〜と思いながら、生徒の想いを聞いていました。

 初めのうちは書くことになんとも思わなかったそうです。しかし、1ヶ月を過ぎたあたりから、日記に書く内容をどうしたらいいか分からなくなり、書くことをやめてしまった日が何日か続きました。その日にあったことで、印象的だったことや思ったことがあったときは、日記を書くことができたそうです。ただ、書く内容は当たり障りのない文章で、「なんのために書いているのかよくわからなくなった」と困ってしまったそうです。その後日記を書くことをやめ、何日も続いたときに、日記に「まじで真剣に思うんですけど、なんで日記って毎日書かないといけないのですか?真面目に書く内容がなくて困っています。」という旨を書いたそうです。


 たしかに、日記などの書き物は学校現場では毎日強制させられている印象があります。なぜでしょうか?それぞれの視点に立ち、メリットとデメリットを考えてみました。


○ 生徒のメリット

・自分の生活を振り返ることができる。

・話すことができないような内容を書き溜め、先生に知ってもらうことができる。

・愚痴を書き、ストレス発散になる。

・過去の自分と現在の自分を比較し成長を感じることができる。

・文章を組み立て書くことで、伝え方や書き方などの練習になる。

△ 生徒のデメリット

・書くことが毎日同じで作業になっていくことがある。

・様々な教科の課題があって大変。


○ 教師のメリット

・日記は生徒の考えを聞く場になる。

・その生徒の本当の思いを知るツールになる。

・一人一人の思いを知るきっかけになる。

・生徒指導上の問題などを知るきっかけになったり、認知する場になる。

△ 教師のデメリット

・日記を見る時間で日々の隙間時間が追われる。

・書くようにと指導しているため、朱書きを加えないといけないのが手間。

・子どもと関わる時間を日記を見る時間に割くことになる。


 児童生徒からの視点で見ると、愚痴や不満などの吐口になる場合と、なかなか先生と直接話しにくい内容を言いたい時に使えるツールであることが多いのではないでしょうか。毎日のように学校での様子を書く子・先生の見ていないところでのクラスの様子を伝えようとしてくれる子・不安に思っていることを打ち明けてくれる子・頑張ったことを書いてくる子など多種多様にかける日記は、コミュニケーションのツールとしての役割は大きいのではないでしょうか。

 教師の視点から見ると、やはり、生徒指導上の問題に対して早期に発見できる可能性があるツールであることが大きいのではないでしょうか。実際に日記から被害にあっている生徒の思いを知り、問題が大きくなる前に解決することができたという事例は何件もあります。生徒のためと言うよりは、教師のための日記なのでしょうか。


 ネットで毎日日記を書く理由について調べると様々な記事が出てきますが、「人生を幸福にすることができる」「自分に自信が持てるようになる」「文章力が上がる」など参考になる文章がたくさんありました。

 それらを参考にしながら、どうして日記を書くのか、逆にどうして日記を書きたくないのかを児童生徒自身に聞き、児童生徒が自分なりの納得できる答えを出すことが必要なのではないかと思いました。

 日記を書けない理由がお互い納得できる理由であれば、書かなくてもいいようにすることも時には必要なのかと思います。やりたくない・めんどくさいでは絶対に納得できませんが。

 あくまで、日記はツールであり、ツールを使用することを強制すると、ツールを使ったように見せるためにどう使うかという本来のツールを使用する目的から外れてしまう可能性もあると思います。

 

 何でもかんでも「やってくるように!」という押し付ける指導はあまりしたくないなと思ってしまったので、記事を書きました。



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