担任第一声の考え方
1年間そのクラスの児童・生徒に願う姿を話す ”担任第一声” 。
1年間で生徒にどんな姿になってほしいか、どんなことに頑張ってほしいかなど伝えるので担任の先生は一番力が入るのではないでしょうか?自分もそうでした。しかし、その担任の願いがぼんやりしてしまっていると児童生徒に響かないということが起こってしまいます。具体的にどんな願いで、なんでその願いなのか、その理想の姿のためにはどんなことをしていくといいのかなどをシンプルに児童生徒に伝えないといけないですね。
そのためにも担任の願いを考えるときに注意したほうがいいことはたくさんあります。そんなことをまとめていきたいと思います。
1.担任の願いを構造的に表す
構造的に表すとこのようになると考えます。三角形にしたのは、上に行くほどレベルが高い様子を表現したかったからです。右斜め矢印で高めていく様子を表すのもいいかもしれません。
まずは、基本的な生活習慣の徹底を大切にしたい。あいさつや授業、掃除、時間行動など中学生として大切にしたいものが挙げられます。それぞれ、どんな姿が最高の姿なのかを伝えながら、これら大切にしたいことを基本にしていくことを伝えたいです。そして、その中で、個として取り組むことと集団として取り組むことの2つの側面があることを伝えたいです。
つぎに、中学校生活で個人だけで生活はすることはできないし、個人が頑張らなければならないこともあります。つまり、個と集団が相互に切磋琢磨する姿です。自分の頑張りを自分自身認めてあげることも大切だが、仲間から認められることで自己有用感を感じ、よりよい人間関係を築くことができるようになります。クラスの仲間1人1人の役割を1人1人がきちんと果たすことで学級が成り立ち、居心地の良い環境になること、個人の能力を伸ばしていくことにつながることを感じられるように個と集団それぞれが関係しあっていることを認知させたいです。
最後に、そういった過程の積み重ねによって最終的にどんな姿になれるのか、最大のゴールを伝えなければなりません。この姿になるとどんないいことがあるのか、何のために目指すのかが具体的に示されていないと生徒の心に響きません。一番力を入れたいところです。
2.担任の願いに対する裏付け
担任の願いを話す時には何か具体的なエピソードを用いながら話すことが多いのではないでしょうか。自分が経験したこと、自分が体験したことなどはその状況を伝えることや実際の話などができるので、説得力が増します。
よく偉人や有名な人の紹介をする人がいますが、今そこにその人がいなく、ただ、偉人の自慢話を聞いているだけでは「雲の上の人だな」「自分にはちょっと無理かも」と思ってしまう児童生徒もいるかもしれません。
だらかこそ、なるべく自分の経験などをもとに話しをするといいと思います。また、自己紹介を兼ねて自己開示もできます。人は自己開示をしてくれる人には自分のことも話そうと思えます。逆に人のことばかり話して「すごい人だね」と終ってしまえば、児童生徒は自分のことを担任に話そうなどとは思えません。自己開示し、児童生徒からいろいろ話を聞き、関係を作っていくためにも、自分の経験で話せるといいなと思います。
3.担任の願いが手段になっていないか
ここが一番大切なところです。たとえば、担任の願いが「切磋琢磨する学級」にしたいと願うとします。これでは、ゴールが見えませんよね?切磋琢磨した後にどんな姿になれるのか、児童生徒がイメージを持てなければ努力の方向性や意欲が出ません。
担任の願いの願う姿は、たとえば「1人1人が幸せと感じられる学級」というようなぼんやりしてもいいと思うのですが、目標でなければなりません。そのための手段として切磋琢磨する姿が必要なのですから。
手段と目的などの違いは別の記事にまとめましたので、もしよろしければご覧ください。
4.まとめ
あえて自分の学級開きの様子は紹介しません。自分はこう思うけれど、違う人であれば考えた方は違ってきます。自分の想いや経験を大切にしてほしいなと思います。これが少しでも参考になればと思います。
最後にポイントだけまとめます。
・1年間の成長していく様子を構造的に表す。
・担任の願いは自分の経験で話す。
・担任の願いを行動にしない。
・目標や目標にたどり着くための手段は何か明確に持つ。
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