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トレーナーを脅かす!大腰筋トレーニングを妨げる骨盤と腰椎の関係性


はじめに

元パッケージデザイナーの姿勢トレーナー

#ディアファミリー「私がなおしたい病気」・・・で、自己紹介させていただきましたが、私の姿勢トレーナーとしての経歴の基本になったのが、元の職業のパッケージデザイナー経験でした。

娘が7カ月の頃から、リハビリに連れて行って、母親の立場で質問したりはしていましたが、専門的な言葉は一切分かりませんでした。

人の骨格や筋肉のことを勉強し始めたのは、娘の側弯症を自分でなおしたいと考え始めてからでした。本を購入して、真剣に形や大きさや位置、そしてそれぞれの関係性を確かめるのに眺めていました。

2019年に実施した「足腰安定プロジェクト」が、私の姿勢トレーナーデビューです。
娘のために開発したトレーニング器具”あるくんボード” ”かなめボード”の効果検証のために、高齢者デイサービスで13名のサポートさせていただきました。
娘以外のサポートをするのは初めてのことでしたが、私の中では、ある程度のイメージが出来上がっていました。


姿勢分析を始めるきっかけ

個別の姿勢分析を始めたのは、デイサービスのスタッフさんに分かりやすくお伝えするために、姿勢の特徴分けをして、注意する問題点やサポート方法などをお伝えするためでした。

姿勢分析を始めると、これが私の研究意欲に火をつけました。
13名をグループ分けすると、似ている姿勢(カタチ)で、体型や筋肉の質感や歩行の特徴も似ていました。

似ていることで共通する特徴が生まれるのなら、異なることで出現している相違点は何だろう?
似ているお二人の同じところと、完全に同じでない理由は何だろう?

姿勢分析で分かることの多さを知って、今では、教室で行う姿勢矯正と歩き方矯正のための運動計画に、欠かせないものになっています。

実践から知識へ

理学療法などの専門用語を一切知らないパッケージデザイナーが、言葉は知らないのに、姿勢の特徴や違いによっておこる現象を、実践で知りました。この姿勢は何?この特徴は何?

「反り腰(骨盤前傾)」「骨盤後傾」という言葉も、実践から調べていってこんな言葉で表現するのかと、人に伝えるために姿勢の特徴を表す言葉や歩行スタイルを表す言葉を覚えていきました。


背骨と骨盤の正しい関係

骨盤と背骨の理想の状態

正しい骨盤と背骨の状態と棘突起

骨盤と背骨の理想的な状態では、骨盤が起きていて背骨が生理的弯曲と言われる形をしています。
腰椎の前弯、胸椎の後弯が緩やかにあって、頭の重さや衝撃を吸収しやすい形になっています。

この正しい状態では、背骨の後ろにある棘突起は、背中を触ってもボコボコ手に触ることはありません。

棘突起で分かる「反り腰」と「骨盤後傾」

反り腰と骨盤後傾のイメージ

骨盤後傾の状態では、普通にしていても背中に棘突起のボコボコが浮かび上がっていて、触れるとつながってボコボコしています。

反り腰の(骨盤前傾)の状態は、骨盤と背骨の関係性が、前傾して固まっているので、意図的に背骨を丸めても骨盤上の棘突起を後ろに出すことができなくなっています。

つまり、正しい骨盤と背骨の関係性は、骨盤のすぐ上の棘突起を出すことも隠すことも、両方ができる状態です。

姿勢に大きく影響する腰

姿勢分析を進めると、客観的に腰の重要性を感じて「反り腰(骨盤前傾)」「骨盤後傾」という言葉に、すごく思い入れを持ちました。
自分にもこんな問題が起こるかもしれないし、今既に問題を持っているかもしれないとも思いました。

骨盤の傾き方は、姿勢の特徴に大きく影響を与えていました。
姿勢分析をする時は、まずこの2つでどちらのタイプかを考えてから、他の特徴も観ることにしていました。

新しい骨盤の状態に悩む

「反り腰(骨盤前傾)」「骨盤後傾」の2つで考えていた私でしたが、教室をオープンして個別に姿勢と向き合ってレッスンをしていくと、2つに当てはまらない骨盤の状態に戸惑いました。

「反り腰だと思って、起こしていくと後傾になった?」
「大腰筋を鍛えたいのに、骨盤が起きない。骨盤を起こすと膝が前に逃げる」

「この骨盤の状態は、どうなっているの⁉」サポートしながら、自問自答する日々でした。

パッと見て判断できない「反り腰もどき」

反り腰の特徴も持っているのに、骨盤後傾の状態で、腰から太ももの短い範囲に、幾つもの凸凹に癖を持っています。いくつもの癖がしがらみになって、ご本人の意志では伸ばして動かしにくくしていました。

(こんな方に〉
・坐骨神経痛のある方に?
・代謝の低下のある方に?
・骨盤後傾から改善していく途中で?
・反り腰を改善していく途中で?
・腰の感覚が鈍くなっている方に?

〈こんな注意が必要〉
・坐骨神経痛があると、姿勢の変化で骨盤と腰椎の関係性が変わって痛みの有無にも変化があること。
・代謝アップが進まないなぁと、思っていた方の原因はこのせいだったと思ったこと。
・骨盤を順調に起こしていく途中に、落とし穴のように立ちはだかること。
・骨盤や腰椎の意識を促しにくい人は、このせいだったのかと思ったこと。
・ぎっくり腰を予防するために、センチ単位でタオルを押し当てる位置を気にしないといけないと反省したこと。

いっぱい悩む経験をしてきて、またこいつじゃないか?そうだ「反り腰もどきだ!」と、姿勢の変化の過程で、現象が起きやすい時期を把握しようとするまでになってきました。


恐れるべし「反り腰もどき」

「反り腰もどき」とは

反り腰もどきのイメージ

「反り腰もどき」は、通常の骨盤後傾の全体的に丸い背中になる円背の特徴がなくて、棘突起が背中で確認できません。でも、骨盤のすぐ上に触ると、1つまたは2つの棘突起が、後ろに残っていて触れることができます。

腰椎から胸椎下部の範囲で、大きく前弯していて、パッと見て姿勢が悪いことに気付きづらいタイプです。腰椎にかかる負荷も2分されているので、腰痛が発生しにくいと考えます。

言い換えれば、腰痛を感じてから痛みを避けるために、「反り腰もどき」の形に落ち着いていくとも考えられます。

「反り腰もどき」の形は様々

骨盤と背骨の関係性のイメージ

「反り腰もどき」は、骨盤と腰椎立ち上がりの関係性を除けば、
より前傾なタイプA
骨盤が立っていて問題ないと誤解しやすいタイプB
後傾よりのタイプC

〈経験してきたそれぞれの印象〉
タイプA:代謝が悪い、変形性膝関節症や変形性股関節症につながりやすい
タイプB:坐骨神経痛につながりやすい
タイプC:ぎっくり腰につながりやすい

いずれのタイプも、骨盤と腰椎を起こすための準備運動が複雑で、大腰筋トレーニングが効果的に行えるまでに期間がかかります。

「反り腰もどき」はすぐそばにいる

姿勢トレーナーとして、常に注意を払う必要を痛感しながら、トレーナー自身の力では防ぎきれないことも感じました。
最近では、「反り腰もどき」という自分なりの呼び方は伏せている物の、こんな形になる恐れが日常でいくらでもあるので、注意をしてくださいと、生徒さんに詳しくお話しするようになりました。

「反り腰もどき」が表れやすい時

大腰筋が十分育ってなくて、不安定な時は感覚では今ある筋肉の感覚が全てなので、暴走する傾向があります。
腰椎の一部を置いてきぼりにして、間違ったトレーニングをしやすいです。

日常には、常に潜んでいます。ソファーでくつろいで座っていたあと、椅子に座って長時間作業したあとなど、頸椎、胸椎と腰椎と骨盤では、微妙にバランスが変わって弯曲して使います。
姿勢を起こして伸ばした時に、骨盤から綺麗に腰椎が伸ばしきれないことがあります。

トレーニング中にも考えられます。骨盤と腰椎の関係性を改善したい時、つまり姿勢矯正をしたい人こそ、骨盤と腰椎の関係を確認しながらトレーニングをすすめないといけません。
自分では動かしているつもりでも、腰椎の立ち上がりが後ろに残ることは少なくありません。

最後に

ここまで、姿勢トレーナーになって知った「反り腰もどき」の存在と、その恐れるべき理由を、お話させていただきました。

100歳まで元気に歩きたい!と健康長寿を考える時、
美しい歩行姿勢を保ちたい時にも

「反り腰もどき」は、しっかり恐れて欲しいし、しっかり理解して対処しましょう!

対処する方法

自分の感覚を過信してはいけません。
生活のあらゆるシーンで、トレーニングをしている時に、手を、後ろから腰に当てて、骨盤から腰椎の立ち上がりに問題がなく滑らかか、常にチェックしましょう。

大腰筋トレーニングが上手くいかないや、姿勢改善が進みにくい時は、この問題は確認すべきです。完全に、大腰筋を物にできるまで、何回でも陥る可能性を考えましょう。

トレーニングについては、胸椎や脚の状態など関係性が様々で、これだけやればなおりますなどという方法はありません。
全身で、姿勢矯正トレーニングされることをおすすめいたします。


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