Saya Akasegawa

絵と文章を横断する。ZINE制作や自治寮の空間・生活文化リサーチをほそぼそ継続しています💭

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マガジン

  • No腕時計土曜日 過去log

    編集者名義で勝手に投稿している週一手書き日記。このnoteでは少し整えたテキストバージョンにて。

  • 批評〜研究ノート

    展覧会レビューから、研究ノートまで。

  • エッセイ

    エッセイに分類されると思われるもの。どうでもよさそうに目を向けるのが好きで、書いています。

最近の記事

【エッセイ】ミスプリ

*本エッセイは、ZINE「みつめるノイズ」に収録しているうちの一本です。 ミスプリ  日本は、めちゃくちゃ印刷の正確さに厳しい国だ。入稿作業の中の過程をひとつすっ飛ばすだけでも「きちんとガイドラインを読んで再入稿しなさ〜い!」と印刷所からデータを突っ返される。トンボ※の四隅に塗り足し3mmずつ付け忘れただけでもエートですね……とオペレーターから電話が来る。このやりとりを教訓に、デザイナーは成長する…… 。そして苦労した分、大抵はきれいに裁断され、だいたいは落丁なく製本され、

    • 【論考】山内文貴展『フルホログラム・サイコシティー』から考える「検索できない絵」

      アニメから引用するキャラクター図像の限界を見つめ直し、今後の可能性を手繰る何か画像を探したいと思った時、グーグル検索は便利だ。「ツンデレ 女の子」と検索すれば眉をつり上げたツインテールの女の子がたくさん出てくるし、「火の魔法 女の子」なら赤髪でローブか魔法学校の制服的衣装を着た女の子の背景で炎がカッと燃えているイメージがいくつも出てくる。 村上隆によるスーパーフラット宣言(2000年頃)以降、美術にオタクカルチャー(萌え、アニメ、ゲーム等)のイメージ、つまりキャラクター図像

      • 【キャラクター絵画】「耳」へのアプローチを考える研究ノート①

        今回は、キャラクター表現をする上で「耳」へ焦点を当てることについて考える。 自分が今表現したいのはcharacterという言葉が本来もつ被写体の「人となり」や、特定の場所の輪郭を浮かび上がらせること(サイトスペシフィック)。この研究ノートでは、主に表現手法そのものを軸の中心に置くが、キャラクター絵画のこれからについて、もしくはどのように分岐して生き残るか?という論点も忘れずに進めていく。 キャラクター絵画のこれから キャラクター絵画を取り巻く潮流は徐々にエンディングの

        • 【都市論】仙台駅前エリアにおける「路上観察学」の重要性-2020年代の動向から-(240110更新) 

           仙台市中心部は、生まれ変わろうとしている。兼ねてより建物の老朽化が著しく、期限付きで運営していた商業施設のクローズ、商業的・ランドマーク的賑わい……全てが交差してハード/ソフトともに生まれなおす兆し・予感のにおいが立ち込める。  その生まれ変わるプロセスで、何が消滅し、生まれ、変化していくのか。過去の上塗り的な再開発(ゼロ開発ともいう)を踏まえ、今こそ「路上観察学」的に記録・採集をしていく意義を感じている。 「上塗り」的な都市造成への期待感「ちゃんとしている」のが良いス

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        記事

          【論考】キャラクターをつくる責任 つかう責任

          日本人はキャラクターが大好きだ。 主語がデカすぎたかもしれない。たぶん、結構好き。 地域の特産物から、刀や戦艦さえもキャラクターにする。キャラクターアイコンやアバターを掲げて自身を表現するのも、日本人特有の文化らしい。それゆえに、海外のひとびとは「Japanese Hentai!」と叫ぶのかもしれない。 キャラクターの定義 キャラクターとは人柄や性格を指す場合もあるが、本記事では主にアニメや漫画の登場人物を指す。 80年~90年代初頭は「おたくもなかなか、やりますな」

          【論考】キャラクターをつくる責任 つかう責任

          【論考】漫画でなぜ悪い~漫画っぽいイラストレーションのこれから~

          「漫画っぽいイラストレーション」が流行している。 企業のコラボ企画で使われていれば「ああ、この作家のファンにもこのコンテンツを広げたいんだろうな」とか、数学や英語のドリルの表紙に使われていれば「勉強が苦手な子らがこの挿絵ならやる気を出してくれるかも」とか、透けて見える狙いのバリエーションは色々だ。企業、メディアからすれば特にファッション性が感じられる作風だと起用しやすいんだろうな……とか。地方で細々と編集者やディレクターをやってる身からすると、そんな空気を感じる。 一方、

          【論考】漫画でなぜ悪い~漫画っぽいイラストレーションのこれから~

          【感想】『自治とバケツと、さいかちの実』─エピソードでたぐる追廻住宅─

          展覧会『自治とバケツと、さいかちの実』─エピソードでたぐる追廻住宅─では、まちづくり、コミュニティ形成の価値が見直されつつある「現在」、追廻地区にあった暮らしをエピソードで辿っていく展覧会(展覧会ステートメント参考)。これは行政やメディアではなく、現代美術でこそ成せる・示せる特有のテーマだと考える。 追廻が持っていた顔の輪郭 今回は、追廻という場所がかつて持っていた顔の輪郭をなぞるような感触があった。 佐々瞬氏の言葉を借りるとするならば行政と住民との間で起こった「ボタン

          【感想】『自治とバケツと、さいかちの実』─エピソードでたぐる追廻住宅─