Saya Akasegawa

表現と論考、たまに大嘘エッセイ

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最近の記事

【キャラクター絵画】「耳」へのアプローチを考える研究ノート①

今回は、キャラクター表現をする上で「耳」へ焦点を当てることについて考える。 自分が今表現したいのはcharacterという言葉が本来もつ被写体の「人となり」や、特定の場所の輪郭を浮かび上がらせること(サイトスペシフィック)。この研究ノートでは、主に表現手法そのものを軸の中心に置くが、キャラクター絵画のこれからについて、もしくはどのように分岐して生き残るか?という論点も忘れずに進めていく。 キャラクター絵画のこれから キャラクター絵画を取り巻く潮流は徐々にエンディングの

    • 日就寮「壁メディア」見聞録の制作を終えて

      私も出展している藝術舎/creek 5期生による成果展「つくるところ」も会期残り1日となった。 実は、制作後死んだように横たわっていた際に物書き仲間の佐々木氏がオンラインで制作に関するインタビューをしてくれた。 その記録を以て本作品の解説としたい。 以下、聞き手 佐々木かい・話し手 赤瀬川沙耶 ―今作で成し遂げたかったことは、100点満点中、何点くらい達成できたか? 手前味噌で恐縮だが、85点。 日頃、編集・ライティングを生業にしているが、それらの手法は日就寮の生

      • 自分史(興味関心の変遷)

        2024年2月3日、31歳になった。 思い返してみれば、10代後半から20代前半と比べてみると頑張りたいことや関心のあるものごとがガラリと変わった。誰もそんなこと気にしていないだろうな〜とは思いつつ、いちいち口頭で説明するのが面倒なのでブログとしてまとめておく。 これまでの興味関心 簡単に追うと、こんな感じ。 そんなこんなで31歳になりましたが 多分、残りの人生はローカルで何か起こしたり、文章を書くのを頑張りたいのだと思う。絵も描くし、お仕事もお待ちしております状態

        • 【都市論】仙台駅前エリアにおける「路上観察学」の重要性-2020年代の動向から-(240110更新) 

           仙台市中心部は、生まれ変わろうとしている。兼ねてより建物の老朽化が著しく、期限付きで運営していた商業施設のクローズ、商業的・ランドマーク的賑わい……全てが交差してハード/ソフトともに生まれなおす兆し・予感のにおいが立ち込める。  その生まれ変わるプロセスで、何が消滅し、生まれ、変化していくのか。過去の上塗り的な再開発(ゼロ開発ともいう)を踏まえ、今こそ「路上観察学」的に記録・採集をしていく意義を感じている。 「上塗り」的な都市造成への期待感「ちゃんとしている」のが良いス

        【キャラクター絵画】「耳」へのアプローチを考える研究ノート①

          【論考】キャラクターをつくる責任 つかう責任

          日本人はキャラクターが大好きだ。 主語がデカすぎたかもしれない。たぶん、結構好き。 地域の特産物から、刀や戦艦さえもキャラクターにする。キャラクターアイコンやアバターを掲げて自身を表現するのも、日本人特有の文化らしい。それゆえに、海外のひとびとは「Japanese Hentai!」と叫ぶのかもしれない。 キャラクターの定義 キャラクターとは人柄や性格を指す場合もあるが、本記事では主にアニメや漫画の登場人物を指す。 80年~90年代初頭は「おたくもなかなか、やりますな」

          【論考】キャラクターをつくる責任 つかう責任

          【論考】漫画でなぜ悪い~漫画っぽいイラストレーションのこれから~

          「漫画っぽいイラストレーション」が流行している。 企業のコラボ企画で使われていれば「ああ、この作家のファンにもこのコンテンツを広げたいんだろうな」とか、数学や英語のドリルの表紙に使われていれば「勉強が苦手な子らがこの挿絵ならやる気を出してくれるかも」とか、透けて見える狙いのバリエーションは色々だ。企業、メディアからすれば特にファッション性が感じられる作風だと起用しやすいんだろうな……とか。地方で細々と編集者やディレクターをやってる身からすると、そんな空気を感じる。 一方、

          【論考】漫画でなぜ悪い~漫画っぽいイラストレーションのこれから~

          【感想】『自治とバケツと、さいかちの実』─エピソードでたぐる追廻住宅─

          展覧会『自治とバケツと、さいかちの実』─エピソードでたぐる追廻住宅─では、まちづくり、コミュニティ形成の価値が見直されつつある「現在」、追廻地区にあった暮らしをエピソードで辿っていく展覧会(展覧会ステートメント参考)。これは行政やメディアではなく、現代美術でこそ成せる・示せる特有のテーマだと考える。 追廻が持っていた顔の輪郭 今回は、追廻という場所がかつて持っていた顔の輪郭をなぞるような感触があった。 佐々瞬氏の言葉を借りるとするならば行政と住民との間で起こった「ボタン

          【感想】『自治とバケツと、さいかちの実』─エピソードでたぐる追廻住宅─