フォローしませんか?
シェア
秋谷りんこ
2021年2月16日 09:22
カンカンカンカン 私は急いでいた。山矢探偵事務所に就職してから、こんなに走って出勤したことはないかもしれない。 探偵事務所の階段が長く感じる。早く、早く山矢さんに伝えなきゃ。 ドン!「はぁ、はぁ、はぁ」「なんだ、田橋。朝からずいぶんと慌ただしいな」 山矢さんはいつも通り、窓辺のデスクでコーヒーを飲みながら、無表情で煙草を吸っている。「山矢さん、これ、見ました?!」「これ
2020年10月15日 14:40
名前は歌子。私の一番の親友。毎日一緒に遊んでいる。とても仲良し。 歌子は学校に行っていない。 何歳かも知らない。 歌子は私が住んでいる市営団地の、床下に住んでいる。 歌子の住む床下には、玄関の外の、電気メーターが入っている鉄の扉から行く。 鉄の扉は玄関の横にあって、鉄の扉を開けると、ひんやりと湿っていて冷たく暗い。土とカビのようなにおいだ。 歌子のことはみんな知らないから、私