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50代・行政書士副業開業の記録(29)~裁判員裁判の傍聴~

この日は久しぶりに地元の地裁で裁判の傍聴をした。HPで見つけた裁判員裁判である。詳しいことはいえないが、殺人未遂事件の初公判である。犯行の現場の様子、凶器の様子など検察から細かく説明される。この仕事は大変だ。20人ほどの傍聴人の中には涙を浮かべている人もいる。

極めつけは防犯カメラの映像。現場の犯行前後の数分間の様子がモロに残っているのである。傍聴側には音声のみが流れるが、十分に緊迫感が伝わる。なんだこのリアリティは・・。

手錠をかけた被告人がいる。静まりかえった空気の中、皆が現実を直視し真剣に判断する。平和に慣れきった日本では極めて珍しい空間である。
裁判の大半には決まった正解はない。正解のないものへどう考えるかという意味でかなり勉強になる。

2週間後、午後3時からの判決を見る。「主文 懲役10年」。その後約30分、裁判長が見解を述べる。被告がどう思っているのかは表情からは読み取れない。

刑事裁判の被告というのは、カッとなった、自己管理できない、など実にしょーもない人であることも多い。それでも決めつけず、かなりの手間をかけて証拠を積み上げていく日本の司法は大したものだ。この仕事、大変ですよ。もちろん旧態依然とし時代に合っていないこともあるだろうが。

裁判員の6名も同席。およそ2週間審議に加わるのは、一般人にとってはかなりの負担である。お疲れ様というほかはない。

「虎に翼」というNHKの朝ドラがやっている。日本初の女性弁護士の話で法廷シーンも出てくる。女性の職業面での自立をテーマとしているが、これは決して過去の話ではない。遅々として変化が進まない日本の現状にかなり皮肉を突きつけているようにも思える。

傍聴できることに感謝である。

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