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真鶴出版、絵本『風が生まれるところ」*読むヨガ

数日前から、真鶴出版のサイトにて販売が始まりました。

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この写真は、三人でチームを組んだ後、最初の頃の打ち合わせの時の写真です。多分四年ほど前だと思います。

真鶴出版の川口瞬さん、デザイナーの高田知香さん、そして絵と文章を書いている私(勝山千帆)の三人。

「こんな本を作りたい」と私が最初に思って取り組み始めたのは、今から20年近く前のことでした。

普段は子供の絵本を作っている私ですが、ずっと自分の中にあった夢は大人向けの絵本。
読んでいると、自然と心が静かになって、自分の中心に戻っていくようなそんな絵本でした。

まさに「読むヨガ」のような本。(私はヨガの講師もやっています)

ただ、出版社に売り込みをしても、なかなかジャンル分けが難しいということでその当時は保留にされるばかりでした。

でも、そんな中、いつも絵本を一緒に作ってくださっていた至光社の担当編集者であった 故 蔵富千鶴子さんが、「この本はオンデマンドでもいいから、なんとか出したほうがいい。今の時代に必要とされていると思います。」と言って、お休みの時に私のために時間をとって、ダミー制作のお手伝いをしてくださったのです。

出版社への売り込みというのは、やったことがある方はお分かりかと思いますが、かなりのエネルギーを使いますし、厳しいことを言われたり、断られることが続くと、やはり落ち込みます。
何十年もこの仕事をしてきましたが、それは今も変わりません。

蔵富さんは、数年前に亡くなったので、完成した絵本を見ていただくことは叶いませんでした。それがとても残念です。

それからしばらく月日は流れましたが、今から4年ほど前、私が小笠原で行ったヨガのリトリートに参加してくださったデザイナーの高田知香さん。(彼女は子供の頃、私の父親のやっていた児童画教室の生徒であり、私のヨガの生徒でもあるのですが)彼女が小笠原に行く船の中で、私が「こんな本出したいんだよね」と、いう話をすると、「出せますよ!出しましょう」と、確信を持って言ってくれたのです。

それが大きなターニングポイントとなりました。

島から帰るとすぐに連絡を取り合い、一人では無理だと思うからと連れてきてくれたのが、真鶴出版の川口瞬さんでした。

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私が何度も作り直したダミーを見ながら、色々と話し合いました。

どんな本にするか、どうやって進めていくか、どの絵を使うか、どの文章を使うか、、、何度も何度も打ち合わせを重ねました。

この作業は、子供の絵本を作る時に何度も経験しているので、何度も繰り返される打ち合わせにめげるということはありませんでした。

ただ一つ、この絵本の制作途中に私のパートナーが病気で亡くなったので、この本の制作も一時ストップした時期がありました。

パートナーのBerndも一度打ち合わせに参加したことがあって、その時に彼は「この本は絶対に出したほうがいい」と、色々と彼なりのアイデアも出して、励ましてくれました。

実は彼が亡くなってから、この絵本の制作が進む中で面白いことが何度かありました。

彼はドイツ人だったのですが、この本の装丁はドイツ装、スキャニングで訪れた会社で使った機械もドイツ製でした。そして、最後の最後に二転三転してやっと決まった紙がドイツ語でミルト(温厚、柔和という意味)という名前の紙でした。

みんなで、「またドイツだ!」とその度にびっくりしながら笑いました。

「Berndも参加してるね!」と。

Berndとの話は、私のマガジンにまとめてありますので、もしご興味がありましたら、そちらも読んでいただけたら嬉しいです。

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(これはドイツ製の機械でのスキャニングの様子↑)

さて、そして、コロナの時期に入り、打ち合わせもオンラインになりましたが、一ヶ月に一度のコンスタントなミーティングを重ね、紆余曲折ありながらも、とうとう出版へ。

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藤沢にある東湘印版さんで印刷の立ち合いも三人で行いました。10時間ほどかけて、何度も色味のチェックをして、刷り直していただいて、納得のいく色を出していただきました。

絵本の場合は、ただ原画に近い色が出ればいいというわけではなく、本になった時に全体として調和のとれた色味を出していきます。

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職人さんが、細かい色の調整を手作業でしながら、刷り上がっていくのを見ていると、感謝と感動が湧き上がってきます。

そして、次の週には、綴じられた本にドイツ装の表紙を貼る作業。
またみんなで印刷所に行きました。今回は、真鶴出版でお手伝いをしている、みゆきちゃんも一緒に、四人で!

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みんなで緊張しながら集中して。。。時々おしゃべりして、黙々と貼っていく。

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そして、出来上がった絵本。

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ショップに出して、すぐに売れ始めているようです。

購入してくださった方々、どうもありがとうございます!

とても嬉しいです!

これから原画展も行います。

真鶴出版で七月に、湯河原美術館の中のカフェで八月に。

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トークイベント「読むヨガ」も行います。またお知らせいたします。

↓チラシの内容の一部です。

勝山千帆 作・絵
絵本『風が生まれるところ』出版記念原画展

2021年7月に真鶴出版から出版された大人向けの絵本「風が生まれるところ」の原画を展示いたします。
絵本や、ポストカード、絵の販売もございます。
夏の暑いひと時、ほっとくつろげるような時間を過ごしに是非いらして下さい。

作者によるトークイベント「読むヨガ」
新刊絵本「風が生まれるところ」の一部朗読と、作品についてのお話など、原画をご覧になりながらお楽しみください。

8月15日(日)・ 8月29日(日)
16:30~17:30(要予約)
参加費 ¥1000
定員1回につき15名 (大人の方のみご参加いただけます)
ご予約は、and garden 0465-63-8686まで。


勝山千帆 profile
Chiho Katsuyama
絵本作家・ヨガ講師

子供の頃、身体が弱かったため都内から環境の良い真鶴町へ家族で移住。現在は湯河原町に住み、ヨガスタジオ「Yoga Contact」主宰。著書に絵本「ちいさなほしのかけら」(至光社)、「森こびとのニムだいかつやく」(徳間書店)。「風が生まれるところ」(真鶴出版)は、初めての大人向け絵本。


2021年8月2日(月)~8月31日(火)水曜定休
MUSEUM CAFE and garden 町立湯河原美術館1F カフェの中での展示です。
10:00~16:30(LO 16:00)
TEL 0465-63-8686

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もしお目にかかれたら、お声をかけてくださいね。

では、今日はこの辺で終わりにします。

今日も読んでくださり本当にありがとうございました!

また読んでいただけると嬉しいです!



あなたにいただいた温かいサポートは、この先も絵本を作ったり、作詞をしたり、ヨガを教えることを続けていくために、クリエイターとしての活動費として大切に使わせていただきます!