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2021年 川崎フロンターレ選手別プレビュー

しばらくこういう類のものを書いていなかった。それは既にフロンターレ界隈にはレビュアーや偉大な戦術分析ブロガーが多すぎてこんな戦国時代のさなかで仮に私が書いても誰にも読まれることなくネットの海に沈みゆくものだろうという感じで乗り気がしなかったのだが、最近、なんとなく暇なので暇つぶしがてらにゆるく書こうと思う。

GK

チョンソンリョン
見事にベストイレブン受賞。正直ランゲラクかと思ってた。すまんな。
名古屋や大阪方面(主に万博公園)あたりからクレームの嵐で、全く選考に関わっていない僕らにそんなこと言われても・・・という感じでした。なんでミッチじゃない、なんでヒガシじゃないねん、なんでジンヒョンじゃないねんと怒られるのですが、ソンリョンが受賞したことに私も驚いております。確かにソンリョンは素晴らしいGKなのにどうして評価がパッとしないのだろうと布団に入る前に考えてみるのだけれど、おそらくそもそものシュートストップ数が少ない(被シュート数が少ない)し、シュートストップ後も平然としていて、なんかこう「やってやった!!!」感がないせいだと思う。それはそれでいいと思うが。
おそらく今季も正守護神。

安藤駿介
中村憲剛引退につきユース年代も含めれば川崎フロンターレ最古参。まとまった出場機会もなくもう30歳になってしまった。もはや彼に関しては一選手としてより、それよりもっと、はるかに重要な価値を持っているような気がしてきた。
2016年のルヴァンカップ仙台戦で公式戦出場していたけど、あの試合はグループステージだったけど観に行ってよかったなと思える試合だった。

今見てもすげースタメン。カオス、混沌そのもの。

丹野健太
昨季はカップ戦を中心にちょろっと出ていた。ペナ内からめちゃくちゃ飛び出すでもなく、スーパーフィードをするでもなく、かと言って大ポカするでもなく、ベテランたる落ち着いたプレーを披露。DIYが上手そうな顔をしている。

イキョンテ
モデル体系の韓国人GK。昨季岡山から緊急補強して今季はレンタル継続。プレーを見たことないので何も言えない。
昔の自分に声をかけるなら?という質問に対して「ビットコイン買っとけ」というアンサーがツボだった。2012年に1万円だったビットコインを買っていたらそのニットコインは今では1億円だからなあ。


CB

谷口彰悟
ミスターパーフェクト。登里の相方。泉梨香の彼氏。まあ、呼び名はたくさんある。競り合いもそこそこに戦えて、ヘディングから得点もできて、CBとしては足も遅くないし、配給に関してはJでも屈指、顔もいい。それなのに、なぜか代表には断固として呼ばれない。なぜだ。服のセンスがダサいからか。Jリーグで過小評価されている選手の一人だと思う。顔や性格、プレーなど全て含めてのスペックを見ても完璧すぎて、なんか悔しいので素直に褒めたくない気持ちはよくわかる。今季もキャプテン。早く結婚をしてほしい。というのも、ホームAの二階席で谷口のタオマフを持って観戦している泉里香様を1日でも早く拝みたいのです。

ジェジエウ
実況者界隈ではジェジウと呼ぶのがツウらしいです。嘘です。
昨季も等々力のシンゴジラとして敵FWを次々になぎ倒し、堅守に大きく貢献。途中くらいからビルドアップの不安定さを見抜かれてめちゃくちゃ狙われていたけど、裏を返せばジェジエウくらいしかボールのとりどころがないし、なるほど、理にかなっているなと思った。アトレチコミネイロのファンがTwitterで「選手を安く売りすぎだ」と怒っていて、それらの声は主に現長崎のルアン放出に関するものだったが、おそらくジェジエウもかなり安く売ったんだろうな。ありがとうアトレチコミネイロ。
しかし、ジェジエウほどの選手が干されてレンタルでたらい回しにされる一方で、鹿島のブエノが必要とされるブラジル選手権。不思議なリーグである。

山村和也
正直移籍すると思っていた選手の一人。彼を獲得した際、セレッソのサポが「山村は棍棒である」と表現していたが言い得て妙だなと。使い勝手は良さそうに見えるが、実際できることは多くないっていう感じ。ビルドアップのセンスは流石でした。結局、山村CFのやまむー大作戦は不発に終わったしね。今季は計算できるCFが多いので彼がCFを務めることはないと思う(あって欲しくない)のでCB一本で頑張ってほしい。

車屋紳太郎
SBの欄で書こうか、CBの欄で書こうか迷ったが個人的にはCBでの彼をもっと見たいという願望も込めてこちらで書きます。元はサイドバックだけど、今の433における偽SBでのクオリティとしては登里より遅れをとっている感が否めないのだが、CBでプレーしたときはSB特有のスピードとビルドアップの精度が滑らかでいい感じだった印象。小回りが効く上に、パスに角度をつけられるのは他のCBにない武器だと思う。スピードのある相手のFWに走り合いで追いつけるかってめっちゃ大事なんだなとオルンガを見て再認識したので車屋CBはありだと思います。正直、彼がSBで試合に出るときよりCBの時の方が楽しみでした。

神谷凱士
私はてっきり谷口の後継者だと思っていたのだが、ここにきて左SBにコンバートする話が出ている。ちゃんとプレーを見たことがないのでどれだけアジリティがあって、ドリブルで抜けるかが未知数で、全くイメージが沸かないのだがプロが見て判断したのだから適性があったんでしょうな。現有戦力で一番未知数なのが彼なので特に早くプレーを見てみたい。今季こそ見られるでしょうか。

SB

登里享平
大活躍でしたね。スーパーでした。こんな現代的なSBが日本に、しかも和式サッカーの殿堂、川崎から出てくるとは思いもしなかった。本当に頭のいいというか、サッカーセンスが凄いなと。いてほしいところにいてくれる、痒いところに手が届く選手。彼がいるのといないのとではチームのクオリティ全体が少し下がる気がする。いや、本当に、過言ではなく。裏抜けやスプリントのタイミングや、レーンの使い分けが絶妙。この選手の良さを論理的に語れる人はツウだなと思いますね。私はうまく言葉で良さを表現できないがすごい。本当にすごいんよ。あと10歳若かったら欧州からオファー来ててもおかしくないなってくらいいい選手。怪我がちなので、ノリに乗っている今だからこそ、多くの人に見てほしい、いやみるべき選手だと思う。欲を言えば今季こそは得点してほしい。

山根視来
個人的他クラブから獲得してよかった選手ランキング第1位。元はサイドハーフだったからドリブルであれだけ抜けるのは納得できるけど、あれだけ最終ラインから前線までロングランしてもなお最後まで仕掛けられて、守備で走れる選手はそう多くはないのでは。勝手にセルジロベルトを重ねて観ていたのだけれど、遜色ないくらい攻撃でも守備でも目立っていた。特にホーム東京戦のダミアンへのアシストとか鳥肌立った。あんなことができるSBはJリーグで初めて観たので。
サイドバックというポジション柄、攻撃陣ほどスポットライトを当てられる選手ではないからこそ、個人的には彼をMVPに推してあげたい気持ち。

イサカゼイン
外国人の血を持つハーフの選手を紹介するときに「底無しのポテンシャル」「身体能力を生かして」って評価するのどうかと思う。それで開花させられてブレイクした選手は何人いますかという話であって、なんか、フワッとしたイメージで勝手に語るのはよくないと思う。あ、ゼインに対しては期待してます。意識高くトレーニングしてるみたいだし。唯一の懸念は桐光学園出身者が川崎で大成した事例が少ないってことくらい。気張ってこーーー!!!

田邉秀斗
来ました、安心安全、実績と信頼の静学ブランド。快速サイドバックだってさ。しかも元ウインガーときた。上背もあるし顔もいいし、非常に夢がある器。CBもできるというが、なんかいろんなポジションを満遍なくできますよみたいなのは安っぽくてどうかと思うのでSB一本で勝負してほしい。できれば21歳までには海外移籍してほしいな。いつかの内田篤人のように、ビッグになれ。

CMF

塚川考輝
身長184cmのボランチという、「観たらわかるロマン枠やん」な選手。想像の斜め上の補強だったがフィジカルバトルが想定されるACL、ここぞという時のセットプレーからの得点不足を考えれば、まさにドンピシャな補強。昨季の松本でもセットプレーからめっちゃ決めてたしハマれば面白いと思う。懸念はここまでのキャリアでJ2でのプレーが多く、トメルケルパスダスの精度がざっくりしているところと、この手のスペックのボランチは(ex.某シティのロドリ)大抵動きが鈍臭いのでプレースピードについてこれるかどうかという点だが前者については日頃のトレーニング次第でどうにでもなるし、後者についてはハーフコートに押し込んでゲームを支配できれば問題ないのでまあ大丈夫でしょう。おそらくしみっちゃんとのポジション争いになるかな。直接観たことあるけどマジでデカい。多分184cmはサバ読んでると思う。

ジョアンシミッチ
川崎がリオアベのジョアンシミッチを獲得という報道から、川崎界隈では一気に盛り上がるもなんと蓋を開けて見たら、本当の移籍先は名古屋でした。てへぺろ⭐︎な展開で吉本新喜劇並みのズコー芸をさせたシミッチがついに川崎上陸。実際、名古屋加入前に川崎も調査をしていたのかね。詳しい事情は知る由もないが、名古屋でかなり良かった、特にセットプレーからの得点力が良かったので獲得に動くのは納得できる。『シミッチ』と打とうとすると予測変換で『しみっちゃん』が出てきてうざったいのでもうこれからしみっちゃんと呼ぼうと思う。

脇坂泰斗
プレースタイル的にも中村憲剛の正統後継者という感じがある。出して受けるを繰り返し、スペースを的確に突いてゾーンを攻略していくプレーメイカー。ノッている日はチームの潤滑油、歯車としてチーム全体のクオリティを底上げしてくれるが、Not his dayはただのボールロストマシーンになってしまう。なんとなくムラっけがあるイメージ。もう少し安定的にパフォーマンスを出せれば2桁得点、2桁アシストは達成できそうだが。武器はコントロールした低弾道ミドルシュートとFK。


大島僚太
怪我なくシーズン通してプレーできればリーグMVPになれると本気で信じている。本当にスペ体質が悔やまれるところ。Worth pay to watch、金を払ってでも見る価値のある選手である。

小塚和季
帝京長岡の天才がついに川崎にきた。個人的にこういう天才肌の選手は大好物なので川崎に来てくれて本当に嬉しい限り。新潟、甲府、山口、大分と渡り歩いてきたわけだが、正直、もったいないなと思ってた。別にこの4クラブをディスってるのではなく、チームの目指すサッカーとプレースタイルが噛み合ってないっていうだけなんだけど。その意味では等々力で思う存分にその天才的な閃きと超絶技巧で局面を華麗に崩してほしい。フロンターレのゴールに芸術点を付加させてくれる選手だと思う。

橘田健人
名前が長いのでなんとなく彼のシャツにはお得感がある。結構早い段階からこいつはすげえと界隈で騒がれていたのでクオリティの部分には問題ないでしょう。きっと。サッカーセンスが良さそう。あと、どうでもいいがバイト先の店長に顔が似ている。

田中碧
アカデミーから昇格したときは「真ん中から後ろのポジションならどこでもやれます」みたいな器用貧乏感がすごかったのだけど、凄まじい進化である。ボール奪取能力とスペースを見つけてからのスプリント力がまさにダイナモ。賢くてめっちゃ好青年なアルトゥーロビダルっていうのが個人的にはしっくりきている。今冬の移籍はせず残留を選択。この年であれだけのプレーをしてるし、トゥーロンでも個人賞獲ってるし欧州の市場に乗っているのは間違いない。その上でどのタイミングで、どのチームに移籍するかがかなり重要になると思われるが、果たして青の未来は...というところ。おそらく今夏にも移籍するだろうとは思うので今のうちにたくさんプレーを見ておこうな。友達に彼女がほしい話を延々としていた。

WG

長谷川竜也
昨季の序盤はまさに大車輪の活躍で、「今年は長谷川の年になるぞ」とはしゃいでいたのだが怪我をしてからは三笘にポジションを奪われ、復帰してからは三笘と同じことを求められるようになり少しかわいそうな気もする。竜也には竜也の良さがあるのにねえ...局所的に活躍するが、シーズンを通して大活躍した年がないのでそろそろまとまった結果が欲しいでしょうな。


三笘薫
和製カカ。言うことナス。ドリブラーは往々にして「抜けるけど得点がねえ...」みたいなタイプが多かったが得点力もあってこれはようやく世界で戦えるドリブラーがバクたんしたんじゃねえか感。めっちゃ期待大。今夏にも欧州挑戦して欲しい。申し訳ないがJリーグはあなたのいるべき場所ではない。早く世界に出て欲しい。それが私の、いや、全J1サポーターの願いです。どうか。


家長昭博
強靭なフィジカルとセンスで違いを作る男。流石に年齢的に厳しくなってきたのではと疑ってしまうが普通に裏切ってくるからすごいよね。むしろ歳を取るたびに凄みが増している感じ。もしかして本当はワインか何か?それともウイスキーですか?私は知多が好きです。


旗手怜央
昨シーズン終了後から今季開幕まで私は彼の未来を案じている。というのも、この遠野、知念のレンタル復帰、悠、ダミアンの残留によって川崎加入まで務めていたCFのポジションが実質的になくなったことである。おそらくよほどのことがない限りCFを務めることは(少なくとも川崎在籍中は)ないだろうし、主戦場はサイドアタッカーに、それどころかサイドバックまで本格的にやらされそうな雰囲気すらある。このコンバートが彼の将来、つまり、五輪代表メンバー入りの可能性や海外移籍といったものへ導くものになるか、凶とでるか、どちらに転ぶかは彼次第と言えば彼次第なのだが、CFととして名を馳せ、活躍してきたのにここにきてコンバートというのは、仮にうまくいかなかったときを考えると残酷な気もする。本人が幸福ならそれでいいのだが。

宮城天
修行先の富山から少しいかつくなって帰ってきた。カターレ富山では高卒ルーキーとしては十分な数字を残せたから復帰ということだろうけど、あと1年はJ2に貸し出しても良かったのではと思ったりしたけど。この疑念を晴らす活躍に期待。
ユース時代の試合を見たときの感想はサイドハーフ版のエウシーニョ。そもそもエウシーニョの本職が実はサイドハーフという説もあるのでこの例えは正確ではないかもしれない。

CF

レアンドロダミアン
元セレソンのナイスガイ。実は小林悠より年下。嘘だろ。
コースを限定とかそういう雑念が一切感じられないガムシャラプレスはもはや等々力名物になりつつある。1試合1バイシクルもノルマとしてしっかりこなしている(決まるとは言ってない)
ダミアンのゴール動画にはいつもインテルナシオナルのファンからリプライがついているが、その中で見つけたナシオナルファンのおじいちゃんのツイートがとても良かった。曰く、「私はダミアンのゴールを見るために毎日生きている」と。ファンの生きる活力になっているほどのダミアンの人格者ぶりが伝わると同時に、そんな選手を日本に連れてきてしまったこと(連れてきたのは私ではないし、日本にきたのもダミアンの意思だが)に少し申し訳なく思った。
ここまで愛されている選手がはるばる地球の裏側の外国まできて、必死にチームのために走り、戦ってくれているのだから我々はインテルナシオナルのファンの分まで、たくさんの愛をダミアンに注いであげような。

小林悠
子煩悩。

知念慶
大分から帰ってきた。ゴールは少し物足りないが出場機会は多くあったので学びの多い一年だったのではないだろうか。
大分でも強靭なフィジカルとボディバランスによって生み出されるキープ力やエアバトルの強さは目を見張るものがあった。2018年の4試合連続ゴールの時のような圧倒的な存在感を再び見せて欲しい。ちばりよー!

遠野大弥
JFLからJ1チャンピオンチームに加入という字面のインパクトで何かと騒がれてるけど、ホンダFCってJ2くらいの強さはあるからな。「元JFL出身の選手なんて大丈夫?活躍できんの?」みたいな懐疑の意見には与していないし、むしろ、彼のプレースタイルは過去含め他にいないタイプなので活躍してもなんらおかしくないでしょという心持ちで期待している。CFの選手層がかなり厚いのでWGやIHも任されそう。

HC

鬼木達
だんだんと監督らしくなってきていて、ゴールした時のガッツポーズからしてもう名将の雰囲気が出てきた。正直、モチベーターのイメージが強いのでここまで戦術を落とし込めるタイプの監督だとは思っていなかった。2019年の失敗も糧にしてよく勉強しているんだろうな。文句や批判を受けるべき監督ではないのだが、懸念は手詰まった時の「とりあえず家長」みたいな家長依存からの脱却と、ターンオーバーのなかでどれだけ若手を信頼して根気強くピッチに送り出せるかだな。昨季のタイトル獲得後の数試合で神谷やゼイン、原田を試せなかったその消極性というか、真面目さみたいなものは良くも悪くも鬼木という感じだった。若手をたくさん見たいんだ、期待してるぜボス。











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