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名刺代わりの好きな芸術作品一覧(増加中)

【絵画】 

 私の人生と絵画を切って切り離すことはできない。父がたまに絵を描いていて、母は絵画鑑賞が好きだった。私自身も、物心ついたころには絵を描くことに夢中になっていた。幼稚園では絵を描き、帰宅してからも絵を描く。よく飽きないね、と家族に言われる。そんな子供時代を過ごした。

ルノワール

 人生で一番最初に好きになった画家。「好きな画家は誰?」って聞かれたら、とりあえず「ルノワール。」と答えてる。私の絵画の好みに、大きく影響を与えた二人の画家のうちの一人。私は印象派が好きなのだが、その理由はルノワールのような筆致が好きだからだと思う。小学校の図画工作用に購入した教科書の表紙が《ピアノに寄る少女たち》だった。

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 一番好きなのは《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》

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ラウル・デュフィ

 20世紀のフランスを代表する画家。「色彩の魔術師」とも言われ、カラフルで陽気な色使いリズミカルな線は高く評価される。

《ニースの窓辺》 1928年

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 ルノワールと並び、私の絵画の好みに大きく影響を及ぼした画家の片割れである。というのも、母が一番好きな画家が、デュフィなのである。その関係で、実家の玄関にデュフィのポスターが飾られていた。つまり、人生で最も早く出会った画家がデュフィだった。

《花瓶の花》 (家にあったのはおそらくこれ)

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 といっても、早くからデュフィの存在を意識していたわけではない。玄関にあったデュフィは、紙の劣化に伴いいつしか捨てられてしまったからだ。私の頭からは、件の絵を描いた画家のことは追いやられてしまった。時は経ち、2019年。パナソニック汐留美術館でデュフィ展が開催された。ようやくデュフィに「出会った」私は、彼を好きな画家の一人として数えるようになった。

アルフォンス・ミュシャ

 チェコ出身の画家、イラストレーター、グラフィックデザイナー。アール・ヌーヴォーを代表する画家である。
 いつ、どのように出会ったのか忘れてしまったが、とにかくデザインの世界観に惹きこまれた。
 人生で初めて作品集を購入した画家。何度も何度もページをめくった。

 大学進学で大阪に引っ越した。大阪にはミュシャの作品に特化した堺市文化館 堺アルフォンス・ミュシャ館がある。人生で初めて、私はミュシャの作品と対面することになった。この時の感動と高揚は忘れられない。
 定期的にミュシャの展覧会を開催しているので、ミュシャファンはぜひ行ってみてほしい。

クロード・モネ

 とにかく筆致が好み。やっぱ印象派が好きだな。
印象、日の出》1872年 「印象派」という言葉の元になった作品。

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『サン=ドニ街、1878年6月30日の祭日』1878年

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カシニョール

 今は画集で我慢しているが、いつか本物の絵画を購入して家に飾りたいと思っている。カシニョールの描く女性と風景は特徴的で素晴らしい。

リャド

 20世紀最後の印象派と呼ばれるスペインの画家。人目みれば一気に心が華やぐ。

ボリス・クストーディエフ

 ロシアの画家としては珍しく、明るく華やかな色調の作品が多い。私好みの色彩。ロシアの文化に興味を持っていて、「ロシア 画家」で検索したら見つけた。ロシアの冬は極寒で暗いイメージがあるのだけど、この人が描く冬はどこか温かみのある印象を受ける。厳しい寒さだからこそ育まれる人間関係の温かさを見て取ることができる。

《マースレニツァの火曜日》(1916年)

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《モスクワのレストラン》(1916年)

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《フョードル・シャリアピン》(1921年)

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イーゴリ・グラーバリ

《伝源頼朝像》

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 初恋の人(笑)小学5年生のときに歴史の資料集を見て惚れた。でも皆義経派だから辛かった。2012年大河ドラマ『平清盛』でイケメンでたくさん出番があったどころかなんと語りもやったのでとても嬉しかった。2022年の大河ドラマは鎌倉幕府が舞台とのことで楽しみ。
 好きすぎて『朝日ジュニア マンガ日本史』も買った。とてもイケメンに描かれている。ちなみに北条政子も買った。今でも実家に夫婦並べて置いてある。
 2017年、京都国立博物館で開催された国宝展でついに初対面。

《後鳥羽上皇筆 御手印置文》

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 源頼朝と同じくらい好きな歴史上の人物が後鳥羽上皇。好きになったきっかけは、源頼朝に会いに行った国宝展で出会った、上の作品。苛烈さが好み。
御製「新島守・・・」も上皇の性格をよく表している。水無瀬神宮には近いうちに行かなければと思っている。

3代目 長谷川貞信

 明治~昭和中期にかけての大阪の浮世絵師。
 鮮やかな色合いの服装に身を包んだかわいらしくておしとやかな女性が得意。

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 「浮世絵壁紙」というスマホアプリで見つけた。色んな年代の高画質の浮世絵をダウンロードすることができる。人ごとにまとめてみることもでき、各人の作風もわかるのでおすすめ。

笠松紫浪 

大正から昭和にかけての浮世絵師。風景の切り取り方が好き。

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竹内浩一

 美術館「えき」KYOTO「京都市美術館所蔵品展 動物パラダイス」で出会った《幻花》という作品がお気に入り。緻密な点描で象の皮膚を表現している。

高山辰雄 

私と同郷の画家なので、贔屓(笑)大分県民では知らない人はいない程の知名度。大分県の小学生は全員、高山辰雄の絵画を鑑賞する。絵画コンクールの名称も高山辰雄コンクール。
 最も印象深いのは、中学生のときに出会った《食べる》という作品。私は、当時美術部に所属していた。美術部員が大分県立文化会館(今は閉鎖されており、大分県立美術館に代わった)で開催される高山辰雄展の作品を解説するという企画に参加することになった。顧問の先生がいくつかの候補をピックアップした中から、この作品を選択した。本作の強烈な背景の赤と黒く塗られた子供の姿が目に焼き付いて離れなかったからである。
 まず、本作の背景はまるで炎のようにメラメラとした赤い色で塗られている。中央に、小さい机らしきものの前に乗り出す姿勢で座っている子供がいて、ご飯を食べている。私は、直感的に「戦時中、子供が空腹に耐えかねて小さな弟妹のご飯を頂戴している姿」を描いたのではないかと思った。自分なりの解釈を学芸員さんに伝えると、

 「この机はね、前後が逆なんですよ」

 と、教えてくれた。
  この子供は机の前後が逆であることに気づかず(あるいは気にせず)、ご飯を食べている。それほどまでに切羽詰まった食事風景なのだ。最初の「戦時中の子供」という解釈も見当違いとまでは言えないだろう。
 机が逆、というのは、自前の知識では気が付きようがなかった。見たことない意匠の机だったので。知識を得ることで、自分の解釈の裏付けができたのは興味深い体験だった。
 それまでの私は、絵を観ても「この色がいいな~」「この塗り方好きだな~」くらいにしか考えていなかった。《食べる》は、知識でもって鑑賞することの面白さを教えてくれた作品でもある。

上村松園 

 女が描く美人画なだけあって、女が憧れる女を描いてると思う。唯一惹かれる美人画家。上村松園の作品は全部好きなので、ここでは紹介しきれないのが口惜しい。

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森田りえ子

 四季折々の花々を優美な線とあたたかな色使いで魅せる日本画家。百貨店の展示で出会った。特に細菊の絵がすばらしいので、オフィシャルサイトで覗いてみてほしい。

東郷青児

 東郷青児の描く女性って、絵画なのに立体的な磨りガラスみたいで綺麗だと思う。無機質な美しさ。触れることはできるんだけど、どこか冷たいような気がする。おばあちゃん家とかにあるイメージ。

エミール・ガレ

 高校時代の友人が好きだった作家。人に薦めてもらうのは良いことだ。無意識のうちに狭められた世界を拡張させてくれる。人は知らず知らずのうちに好きなものばかり鑑賞対象としてしまうものだ。インターネットの時代では特に。
 一言で美術好きと言っても、そのジャンルは多様だ。私は専ら平面作品に力点を置いていたが、友人はアクセサリーとかガラス細工とかに造詣の深い人だった。彼女に教えられなければ、一生ガレと関わらなかったかもしれない。

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クリスチャン・ボルタンスキー

 国立新美術館クリスチャン・ボルタンスキー展で、私は臨死体験をした。(話すと長くなるので少しずつ書き足していきます)

小林エリカ

1978年東京都生まれ。目に見えないもの、歴史、家族や記憶などから着想を得て、リサーチに基づく史実とフィクションからなるマンガ、小説、映像やドローイング、テキストを交えたインスタレーションなどを幅広く手がける。(引用元:美術手帖

Sally West

1971年、オーストラリア・ニューサウスウェールズで誕生。弁護士秘書として働くかたわら、夜間学校に通い絵画を始める。1992年、1年間のヨーロッパ旅行に出発。イタリア・フィレンツェを拠点にし、大学で学ぶ。帰国後、大学でビジュアルコミュニケーションを専攻。この頃、初めて作品が売れる。その後グラフィックデザインの職につき、1997年には初個展を開催。現在に至るまで様々な国で展覧会を開催しているほか、受賞経験も豊富である。(公式HP Biographyより筆者まとめ)

 ↓ 雑誌『ELLE』にも絵画が掲載されたようだ。非常に注目を集めている画家と言って差し支えないだろう。

Jean Paul Donadini

1951年にフランス・トロワで生まれたフランス人アーティスト。パリ国立高等美術学校卒業後、パリで活動を続けている。フランス国内外で多くの個展を開催。(引用元:公式HP)

Hannah Sophie Dunkelberg

1987年にドイツ・ボンで生まれる。現在はベルリンを活動している。

Harmen van der Tuin

オランダ・グローニンゲンにて音楽や美術に触れながら育つ。9歳でクラシックギターを始める。16歳の時、ズウォレに移住。ArtEZ University of Artsで学び、卒業後アーティストとして生計を立てる。現在はデザイナー、コンポーザーとしても活動。(公式HPより筆者まとめ)

Jason Anderson

Ingrid and Ching

 カラフルなグラデーションからなる絵画は、時にはキャンディボックスに、時には宇宙に、時には上から眺めた夕焼けになる。


【インスタレーション】

Ronald Raelのシーソー

 2019年で最も印象に残った作品。建築家のロナルド・ラエル氏はアメリカとメキシコの国境に設置された不法移民防止柵に、ピンクのシーソーを取り付けた。両国の分断を象徴する壁の両側で、両国の子供たちがともに遊ぶ姿は世界中に驚きを与えた。

《Don't Follow the Wind》

【イラストレーション】

mame(まめ)

 イラストレーター、漫画家。若い女性やカップルのイラストを中心に描く。一枚の絵に世界観を詰め込むような作風が特徴。Instagramで主に活動中。

 一枚のイラストなのに、ものすごく想像力を掻き立てる。一つの台詞、一つの置物から、人物の性格や生活観、関係性をずっと考えてしまう。

巻田はるか

京都出身。浮世絵の要素を取り入れつつ、現代的な絵を制作する。

【漫画】

 小学校に上がると同時に、『ちゃお』を買ってもらうようになった。小学校5年生のとき『りぼん』に替えた。好きな作品の連載が終了するまで『りぼん』を買い続けた。小学校5年の秋、人生を左右する作品に出会う。『名探偵コナン』である。それからは『少年サンデー』も手にするようになり、様々な少年漫画とも出会うことができた。

おおばやしみゆき『エンジェル・ハント』

私は天音(あまね)、中学生。パパは神父でスゴ腕のエクソシストなんだ。パパに幽霊に近づくことは止められてるんだけど、問題が。それはクラスメートの真由(まゆ)の存在。幽霊に興味のある真由が、幽霊退治すると言いはじめて、私も巻き込まれちゃって…。
(引用元:https://bookwalker.jp/series/124869/)

 真由が好きだった。
 最終回を『ちゃお』で読んだ時、小学校低学年くらいだったんだけど、号泣した。比喩ではなく、ガチ泣き。人生で初めて、物語を読んで泣くという経験をした作品。

 ちなみに、本作終了後におおばやし先生が連載した『モンスターキャンディー』もめちゃくちゃ好きだった。

今井康絵『シンデレラコレクション』

私、ニーナ!小学6年生です。友達はみんなオシャレに夢中。私も全然キョーミがないわけじゃないけど…お母さんがキビシーせいもあって、いつもダサイ服を着ていマス…。そんな、私がなんと読者モデルに応募することになり…!? 超人気メゾピアノと完全コラボ!スーパーモデル伝説!
(引用元:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784091373793)

 めいいっぱい好きなおしゃれをすれば良いということを気づかせてくれた作品。私が住んでいた田舎では、メゾピアノを着ると「金持ちアピール」の誹りを受けたものだった。ブランド物を着たら嫌味な人間に思われるのだと子供ながらに悟った。
 本作にも、似たような状況が登場する。スポーツ一筋でおしゃれをしてこなかった少女が、「ブランド物なんて意味がない」みたいなことをニーナに言い放つシーンがある。対してニーナは「ブランドにはブランドと言われるゆえんがあるのよ」と返し、少女をコーディネートする。ブランドとは、自慢のためにあるのではなく、女の子がおしゃれを楽しむためにある。ブランド服を着たことで、少女はおしゃれの楽しさを知り、考えを改める。記憶が曖昧だが、大体こんな内容だった。この話を読んで、子供の私は人の目を気にして着たいものを諦めるという呪いから解放されたのである。

もりちかこ『スパークララナギはりけ~ん』

ナギこと夏凪アスカは、チビだけどバレーボールが大得意な女の子。バツグンのジャンプ力とアタックで、転校生でもエース…と思いきや! 背も超高くて可愛いライバル・雪本ららがナギの前に立ちはだかった――!! でも、2人一緒にペプシカップに出場することになり、2人の大活躍で決勝までコマを進めることができたのだが…!? 気が強くってお金持ちのナギと、貧乏で気弱なララが繰り広げる、大爆笑のバレーボール・コメディー。
(引用元:https://csbs.shogakukan.co.jp/book?book_group_id=9473)

 背は低いがお嬢様のナギと、長身だが貧乏人のララとの凸凹コンビがとにかく大好きだった。少女漫画ながら、男性との恋愛描写が一切ないのは、今思えば珍しかったと思う(百合描写は若干あったが・・・)。

春田なな『ラブ・ベリッシュ!』

全寮制の高校・夏果学園に編入してきた福島由夜。女子寮に入るはずが、部屋不足により男女共同の「木苺寮」に入ることに。木苺寮の面々は一癖も二癖もある奴ばかりで・・・!?

 ヒロインの由夜は生徒会長で優等生・梓に恋に落ちるんだけど、いじわるで喧嘩早い渚のことも気になってくるという少女漫画の王道展開。でありつつ、登場人物みんな何かしらの悩みを抱えていて・・・と、話の構成も骨太であった青春学園物。あと由夜の髪の毛がちゃんと伸びるのが良かった(笑)

種村有菜『紳士同盟✟』

 生徒会長で超金持ちの「皇帝」閑雅が大好きだった。のちに好きになるキャラは彼とどこか似たものを持っている気がする。『せんせいのお人形』の一佐とか。高飛車で高慢な男かと思いきや、ヒロインとのファーストフード店デートで、食べ方が分からずにハンバーガーを手で小さくちぎって口に入れるギャップにやられた。

青山剛昌『名探偵コナン』

 小学校5年生の時にハマってから、一日たりともコナンのことを考えなかった日はない。人生で出会ったあらゆる物語のなかで最も好きな作品と言っても過言ではない。
 思うことがありすぎてここで語り尽くすことが不可能である。

鈴木央『金剛番長』  

 ざっくり言うと、漢の中の漢「番長」同士が闘い、最終的に地球を巻き込んだ騒動に発展する。設定がぶっ飛んでる上に小ネタも効いてて笑いが絶えない漫画。セリフの1つ1つが面白い。話の展開は少年漫画の王道オブ王道。主人公の最大の敵が兄貴だったり、ピンチにかつての敵が駆け付けたり、殴り合った敵と友達になったりする。でもぶっ飛んでる。偶然にも福田首相が辞職した原因を描いてしまったシーンがある。
 キャラも魅力的。居合番長と卑怯番長という登場人物がいるのだが、この二人というのが本当に仲が悪い。居合は真面目で曲がったことが出来ない男であるのに対して、卑怯はその名の通り、大切なものを守るために卑怯な行為を平然と行う男(登場当初は犯罪までやっていた)。そんな卑怯の飄々とした態度を居合は良く思っていない。「僕たちは仲間でも同志でもないから」と言い合ってるほど。しかし、ここは王道少年漫画。熱い展開が待っている。敵組織に洗脳された居合を卑怯は命がけで助けに行く。これがきっかけで二人の関係に変化が訪れる。このシーンは熱いので漫画で読んでね。
 作者の鈴木央先生は、現在『七つの大罪』大人気連載中。最近『金剛番長』の新装版が出た。

新井隆弘『ダレン・シャン』

 少年サンデーで連載されていた英国児童小説のコミカライズ作品。
 主人公のダレンは親友のスティーブを守るために半ヴァンパイアとなり、運命の歯車が狂っていくという物語。スティーブが大好き。本当にかっこいい。私に及ぼした影響の大きさでいえば、前述『紳士同盟✟』の閑雅と並ぶ。

原泰久『キングダム』 

 高校生のとき、私はとにかく漢文にハマっていた。具体的に言うと、司馬遷の史記ばかり読んで過ごしていた。友達や先輩に「漢文は良いぞ」「春秋戦国はいいぞ」と言いまくっていた。「好きなことを周囲に言っておくと、その情報を教えてくれるようになる」とツイッターで誰かが言っていたが、本当にその通りである。ある日、部活の先輩が「春秋戦国時代を舞台にしたアニメがNHKで始まるらしいよ」と教えてくれた。それが『キングダム』だった。そこから転がり落ちるようにコミック全巻揃えた。
 戦争のシーンが大半を占めるので、一見強い武将がわちゃわちゃしてるだけにも見えるが、あとから一気に読み返してみると、緻密な物語設計に舌を巻く。

杉谷庄吾(人間プラモ)『映画大好きポンポさん』

 作品には、出会うべきタイミングというものがあると思う。出会うべき時に出会うことで、「面白い作品」「人生の指針となる作品」に大化けすることがある。本作はまさにそういう作品だった。
 読んだきっかけは、ツイッターでバズっていたから、ただそれだけだった。人生のどの段階で読んだとしても「面白い作品」であることには変わりない。しかし、最高のタイミングに出会ったことで、私にとって「人生で最も影響を受けた芸術作品」の一つとなった。

スピンオフ作『映画大好きフランちゃん』もあわせて読みたい。

藤のよう『せんせいのお人形』

 第20話「学問の鳥瞰図」で、スミカが学問は全部つながってるんだと気が付くシーンが好き。私が大学に通って卒論を完成させてやっと分かってきたことを、高校生にして手に入れたスミカが羨ましくてならない。学問を手に入れるまでの私は人間ではなかった。あと一佐が大好きすぎる。
 作者の藤のよう先生のnoteがこちら。どうやって『せんせいのお人形』が出来たのかを垣間見ることができる。

【音楽】

パガニーニ

 のちのち追記予定。

リスト

 のち追記予定。

ディアナ・ダムラウ 

当代一とも言われるソプラノ歌手。彼女が歌う夜明けの女王のアリアは、他の歌手と比べて一段違う歌声だと思う。
 オペラを聴き始めたのは、大学の授業がきっかけ。その先生のオペラに対する熱意と情報量がとにかく異常だった。授業時間の制限が無ければ延々とオペラについて語っていたと思う。だからこそオペラに興味を持った。何かを本気で好きな人の話を聴くのって楽しいね。

椎名林檎・東京事変 

 中学生の頃にネットで見つけた。誰にとってもそうであろうが、私にとっても椎名林檎は青春の1ページだ。最初に出会った楽曲は『閃光少女』。歌詞もPVもWikipediaに書いてあった曲の成り立ちも全部、ぐっときた。カラオケで何度も歌ったし、今では十八番になっている。

 次に『女の子は誰でも』。「女の子は誰でも 今が初恋でしょう」全てを代弁してくれているような歌詞。可愛くて乙女な世界観にメロメロ。のちに映画『CHICAGO』を観て、映画の一部のシーンがこの曲のPVに引用されていたと知る。

キラーチューン』。PVですっごい高いヒールで踊っている姿が最高にかっこよかった。当時田舎の中学生だった私は、いつか都会に出て彼女のようなかっこいい女になりたいと思った。美しいものは測れないという歌詞もかっこいい。世の中にあふれるものさしなんてどうでもよくなるくらいに。

『歌舞伎町の女王』『人生は夢だらけ』『自由へ道連れ』『獣ゆく細道』『群青日和』『熱愛発覚中』

『ありあまる富』この歌詞に何度勇気づけられたことだろう。

僕らが手にしてる富は見えないよ 
彼らは奪えないし 壊すこともない

『公然の秘密』『おとなの掟』『薄ら氷心中』
『永遠の不在証明』 名探偵コナンとのコラボ!

日食なつこ

音楽はメロディから好きになるタイプだ。しかし、日食なつこは、人生ではじめて歌詞から好きになったアーティストである。
岩手県花巻市生まれのシンガーソングライターだ。

 高校生のとき、『開拓者』という歌に出会った。歌いだしの歌詞が衝撃的だったことをよく覚えている。

一般的に 普通一分で歩く距離を
三分四分かけて 歩いてく人がいる
一歩踏み出すたび その意味を考える
ちゃんと確認してからじゃなきゃ 進めなくて遅くなる

 ちまたにあふれるJ-POPとは違う、心の深層から言葉を一つ一つ絞り出すような歌詞。漠然と、普通に生き方をしている自分に疑問を感じていたのかもしれない。大学受験という枠組みのなかで将来の方向性を決定し、その中で努力をしている。主体的に意思決定をしているようで、そうではないという違和感があった。だが、受験勉強は忙しいと言い訳をして、自分は自分で自分の人生を選択したのだと言い聞かせて、その違和感から目を背けた。初めてアーティストのCDを購入した。受験時代、違和感を塗りつぶすように、そのCDを何度も再生した。

米津玄師

 『アイネクライネ』『Lemon』『Flamingo』『海の幽霊』『パプリカ』どれも技巧的センスにあふれた名曲。
 一番好きなのは『アイネクライネ』。誰が何と言おうと『アイネクライネ』派である。恋愛をしたことがある人間は須らくこの歌詞に共感してくれると信じている。

あたしあなたに会えて本当に嬉しいのに
当たり前のようにそれら全てが悲しいんだ

ボカロ

みきとP『いーあるふぁんくらぶ』

 神戸中央区元町駅前の中国語教室「ニーハオハンユー講座」に通い始めるという設定の歌。
 大学で中国語を専攻していた私としては、まるで自分のことであるかのように共感する歌である。外国語を学ぶ意義とは、ただ語学ができるようになることではない。他者と繋がることにあると思う。「だんだん君の伝えたい言葉がわかってく」という歌詞にあるように、この歌は外国語学習を通して他者との距離が縮まっていくようすを描いたものだと思っている。

Queen 

映画『ボヘミアン・ラブソディ』が世間を席捲したニュースは記憶に新しいが、私はまだ観ていない(近いうち必ず観ると決意している)。一番好きなのは『Killer Queen』。全てにおいて好き。センス。出だしの歌詞からしてすごい。

She keeps her Moet  Chandon
In her pretty cabinet
"Let them eat cake", she says
Just like Marie Antoinette

これを歌えるかっこいい女になるのが2020年代の目標。

【映画】

 近年、動画配信サービスの発展は目覚ましい。私は映画を頻繁に観るほうではなかったが、Netflixに登録したことがきっかけで日常的に映画やドラマを鑑賞するようになった。Netflixは本当にすごい。

『GATTACA』

生まれる子供の遺伝子操作が当たり前になった近未来。自然妊娠で生まれたヴィンセントは、宇宙飛行士を目指していたが、優れた知能と体力をもつ「適正者」しかなることを許されぬ仕事だった。夢を諦めきれなかったヴィンセントは、適正者ジェロームの力を借り違法な生体偽装を行う。並々ならぬ努力の末、ついにタイタン探査船の宇宙飛行士に選抜される。しかし、宇宙局で発生した殺人現場で、ヴィンセントのまつげが見つかってしまう。警察の捜査がヴィンセントに及べば、不適正者でないことが露呈してしまうが・・・

 中学生の時、国語便覧にこの映画が紹介されていた。遺伝子操作による出生が当たり前になった世界の物語だ。舞台設定は近未来だが、現代でも技術的には可能な段階に入っている。2019年に中国の研究者が遺伝子操作によって双子が生まれたと主張した事件は記憶に新しい。この映画は、今の私たちに生命倫理の問題を突き付ける。
 もちろん、物語そのものも非常に面白い。上品で洗練された映像に、魅力ある登場人物、主人公に向けられる周囲の複雑な感情、ハラハラさせる展開。ラストも感動的で、絶対に後悔させない映画である。

『ライフイズビューティフル』

 収容所に送られたユダヤ人の父子。幼い息子が怖がらないよう、父親はこれはゲームなのだと嘘をつく。過酷な収容所生活のなか、父親は嘘を貫き、そして・・・命がけの嘘がもたらした感動ストーリー。

『ノッティングヒルの恋人』

 冴えない本屋の店主とハリウッドスター女優が恋に落ちる王道ラブ・ストーリー。最初から最後まで裏切らない王道展開。ラストなんてベタ中のベタ。だがそれがいい。

『終戦のエンペラー』

太平洋戦争終結直後。ダグラス・マッカーサー元帥率いるGHQが日本に置かれ、米軍統治が始まる。そんな時、日本文化を研究し、日本に対して格別な思いを抱くボナー・フェラーズ准将は、太平洋戦争の真の意味での責任者は一体誰なのかを調査するようマッカーサーから極秘に命じられ、独自に調べを開始するが……。
(引用元:https://eiga.com/movie/78092/

 この映画の美点は天皇の描写だと思っている。主人公フェラーズ准将は、太平洋戦争の真の責任者をあぶりだすために様々な人に話を聴きに行く。
 天皇の描写という観点において、本作と対になるのが『日本のいちばん長い日 運命の八月十五日』(2015)である。

 こちらは降伏決定から玉音放送に至るまでの政府の動きを描いた物語である。昭和天皇を演じたのは俳優・本木雅弘。
 2つの作品を比較してみると面白いかも。(このへんはまた追記する)

『手紙は憶えている』(2016)

認知症患者で90歳のセブ。友人のマックスから渡された手紙を頼りに、アウシュヴィッツで家族を殺したナチス兵士の復讐に向かう。

 よぼよぼのおじいちゃんが、実はこれから殺人を犯そうとしているなんて誰も思わない。誰も警戒せず検問を通したりしているのがクスっとなった。
 が、この作品は決して笑顔で終わる内容ではない。
 復讐劇の末にたどり着く真実。ホロコーストの悲劇は今も終わっていない、という現実を突き付ける良作。

『紅の豚』(1992)

 ジブリのなかで一番好きな作品。ジブリだと他には『平成狸合戦ぽんぽこ』『猫の恩返し』が好き。

『ズートピア』(2016)

 ピクサー派です。ニックのキャラが良い。

『ファインティング・ニモ』

 ディズニーとピクサー全て合わせて一番好きなのがこの作品。続編『ファインティング・ドリー』も号泣した。

【映像作品】

《Eva.stories》

「ホロコースト時代にインスタがあったら?」
13歳ユダヤ人少女・Evaの実話をもとにインスタグラムで映像を発表した。発案者はイスラエルのMati Kochavi氏と娘のMaya氏。ホロコーストを若者に伝えるためにインスタグラムという媒体を選んだという。Evaの自撮り映像で話が進んでいく。

 友達と遊んだり、ボーイフレンドとデートしたり、家族と笑いあったり・・・そんな平和なEvaの日常は、ナチスの侵攻に激変していく。

『ゲイケーション―世界のLGBTQ事情―』

Huluで配信中のドキュメンタリードラマ。レズビアンであることを公表している女優エレン・ペイジと彼女の親友イアン・ダニエルと世界各地を訪問し、各地のLGBTQ事情を取材する。日本編ではLGBTQの結婚式や女装バーなどが取り上げられる。

【文学】

司馬遷『史記』

 「人生で最も影響を受けた文学作品は何ですか?」と問われたら、「司馬遷の史記です。」と答える。
 『史記』との出会いは高校の漢文の授業だった。春秋戦国時代の、1人の弁舌により中華全土の運命が回っていくダイナミクスが魅力である。
 私の座右の銘は「泰山は土壌を譲らず」。この言葉の由来は史記の李斯列伝である。李斯は始皇帝の宰相だった。ある時、始皇帝が「逐客令」を出し、秦国以外の臣下を国外追放しようとした。楚出身の李斯はこの命令を撤回させるため、「諫逐客書」を始皇帝(当時は秦王)に奏上した。「泰山は土壌を譲らず」はこの書の中に登場する。泰山は小さな土くれでも受け入れたからこそ大きな山になったように、秦国も大きくなるなら外国人を拒まず受け入れるべきであるという趣旨であった。始皇帝は李斯の進言を受容し、結果中華統一の大事を成し遂げた。私も泰山のように、小さな意見でも受け入れる度量を持っていたいと思う。
 他には廉頗・藺相如列伝がお気に入り。知恵と胆力で国を救ってみせた藺相如、素直で実直な将軍・廉頗、人材を適切に配置する趙・恵文王、無礼者を許す器をもつ秦王・・・など、多彩な登場人物に魅了される。ウィキペディアでも十分に面白いので、ぜひ読んでみてほしい。↓

宮城谷昌光『晏子』

 高校生の頃、放課後にジュンク堂書店大分店に通うのが日課だった。『史記』がきっかけで漢文に目覚めていた私は、「春秋戦国時代を描いた本ないかな~」と本棚をくまなく調べていた。時代小説本コーナーに目をやると、1冊の本に目が留まった。『戦国名臣列伝』。これが宮城谷昌光と私との出会いだった。

赤染晶子『乙女の密告』

 京都の外国語大学が舞台の小説。これを読んで外国語学部に進学したといっても過言ではない。作者も京都外国語大学出身なだけあって、外大の描写が非常にリアルである。特に冒頭の、大学に向かうバス内の描写。バスの中で多くの外大生が外国語辞書をめくっている。外大は予習が膨大だから、通学途中のバスでも調べ物をしているという描写である。ここが、本当に外大(外国語学部)そのものだと思う。私の時代は、紙の辞書ではなく電子辞書になっていたが、バスでも外国語を調べているという外大生の習性は変わっていない。本作はドイツ語学科が舞台。登場する学生の構成は『アンネの日記』を愛読する人、努力家でスピーチが上手い人、帰国子女、スチュワーデスをめざす人、というものだ。私は中国語専攻だが、この「その国の文化が好きで仕方ない人・ストイックに言語を上達させる人・何らかのルーツや経験を持つ人・目的意識を持って言語習得に励む人」という学生構成も外大あるあるだと思う。

【短歌】

鳥居『キリンの子』

 セーラー服を着る歌人・鳥居の半生はよく「壮絶」という言葉で表される。2歳の時両親が離婚し、母親に引き取られた。小学5年生の時、その母親が自ら命を絶った。当時の心境を表現した歌がある。

花柄の籐籠いっぱい詰められたカラフルな薬飲みほした母
あおぞらが、妙に乾いて、紫陽花が、路に、あざやか なんで死んだの

彼女にしか紡げない言葉に胸を締め付けられる。
そんな彼女のインタビュー記事がこちら↓

【ライトノベル】

野村美月『"文学少女"シリーズ』

新人賞を取ったが書くことを止めてしまった少年・井上心葉は、生粋の文学少女・天野遠子の秘密を知ってしまったことで、文芸部に強制入部させられる。事件に巻き込まれつつ心葉は周囲の人間に心を開いていく・・・

中学生の時よく読んでいたシリーズ。これに影響されて読んだ文学作品がたくさんある。

【写真】

川島小鳥

 佐渡島に住む女の子を撮影した写真集『未来ちゃん』は、間違いなく写真家・川島小鳥の代表作である。高校1年生の時、毎月講読していたファッション誌に広告が掲載されていた。一瞬で目を奪われた。女の子の自然体な可愛らしさに魅了された。そしてこの無防備な瞬間を写真に収める撮影者にも非凡さを感じた。それまで「芸術=絵画(ときどき音楽)」だった私が、芸術作品としての写真に出会った作品である。

北野謙

1968年、東京都に生まれる。日本大学生産工学部数理工学科を卒業後、フリーランスの写真家として活動を継続中。世界各地の様々な文化や立場の集団を訪ねて撮影する。明確なコンセプトのもと、光や時間の集積によって世界のありようを視覚化しようとする数々の試みを行う。
(参考:美術手帖

 写真に関して言えば、何かコンセプトのある作品が好きだ。北野謙の写真は、まさにメッセージ性を感じる作品が多い。私が彼のことを知ったのは2019年に大阪・国立国際美術館で行われた「コレクション特集展示 ジャコメッティとⅡ」でのことである。

①『our face:Asia』より ラマダン明けの礼拝に来たイスラム教徒58人を重ねた肖像(女)No.1 2009年9月20日 インドネシア マルク州 アンボン市
②『our face:Asia』より 天安門広場を警備する陸軍兵士24人を重ねた肖像 No.5 2009年5月2日 中国 北京市 天安門広場

上記①②を含め、『our face』シリーズの作品は下記からも見ることができる。

写真集『our face:Asia』は、アジア各地を訪問し、ある集団に属する数十人の肖像を多重露光して1枚の写真に焼き付けるというプロジェクトをまとめたものだ。公式サイトには「印画紙には「個」が消え去り、「our face=私達の顔」がたち現れる。」と説明がある通り、数十人の肖像を重ねることで彼らの共通点が浮かびあがっている。①と②とで共通点の面積の広さが異なるのが面白いと思った。①は顔とヒジャブが共通項として表れているのに対し、②では全身―帽子や制服から直立姿勢に至るまで―が浮かび出ていた。その集団を集団たらしめているものは、各々で違うのだろうなと思った。


【役者】

もはや芸術作品ではないが、作品を構成する一部として推し役者を数人紹介したい。(詳細はのち追加予定)

永山絢斗

金子大地

菅田将暉

三船敏郎
 黒沢映画を彩る名優。昭和の人(祖父母世代以上の人)って気品があって憧れる。














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