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(今日の一枚)「恋人たち」-The Lovers I, 1928 by Rene Magritte

「恋人たち」-The Lovers I, 1928 by Rene Magritte

ルネ・フランソワ・ギスラン・マグリット (René François Ghislain Magritte, 1898 -1967/ベルギーのシュルレアリスムの画家)

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「恋人たち」-The Lovers I :ルネ・マグリット
1928-キャンバスに油彩。
54.2 x 73.4 cm

The Lovers I(恋人たち)

The Lovers I(恋人たち)、これも、以前のコラムにある、The Lovers IIと同様に、愛の盲目性という解釈もできるのかも知れない・・・

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The Lovers II

絵は、より楽観的に解釈することができますが、愛自体は、それが視力を必要としないほど、愛する人はお互いや周囲の世界を見る必要はないのかも知れません。
バックの風景もGreenのベースで美しい、そこからも、作品は非常に象徴的であり、深い意味を持っているだろう。
マグリットに、ごく近い人々とさえ、この2人の関係の本質を完全に明らかにすることができない、人間の能力の反映として解釈としている。それは、一部の批評家たちの視点だ。
しかし、それらの視点に、マグリットは同意しないのだ・・・・

マグリットが10代の時、母親が溺死した。若くて美しい母親は、橋から川に飛び降りて自ら命を絶った。母親の遺体が見つかったとき、彼女の頭は布で包まれていた。それは、おそらく、死後、見栄えのために、意図的に顔を覆っていたのだろうと思われる・・・その思春期での辛い体験の経験値は大きいと感じる・・・

ご冥福をお祈りしたい

視覚からの位相を考える

以下は、以前に書いた文章とほぼ同じだが・・

いわゆるイメージは、再構成された視覚だ。それは、絵画・芸術のそれだし、写真、映像のそれだ。そのイメージが、芸術作品として提示された時、人は、その見解を芸術について、以前、教わった様々な先入観や経験値によって影響されるだろう。美、文化、真理、形態、位置付け、自身の好み・・・先入観の多くは、時間の経緯で、過去の曖昧化・美化・神秘化となるのだろう。それは、「現在は、客観的な事実ではなく、意識的なものである」からだ。例えば、風景を見る時、風景の中に自分を位置づけるようにだろう・・。

瞬間に、もう、過去形のもの・・

「過去の芸術は、かって存在していたようには、もはや存在してはいない。」ベンヤミン

その代わりにイメージ言語が存在する。瞬間に、もう、過去形のものになってしまうのだ。

そして、我々は、視線を向けるものしか理解していない。
そして、それは、我々の範囲内に置かれるのだろう・・・。

#イメージと文化 #視覚からの位相 #ルネ・マグリットの恋人たち

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