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(写真からの絵画)鉄工労働者の昼休み- トマス・アンシュッツ

トマス・アンシュッツ(Thomas Pollock Anshutz、1851 - 1912/アメリカの画家)

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The Ironworker's Noontime(鉄工所の労働者の昼休)- 1880/ Thomas Anshutz
この時点までは、工場労働者を描かれる事は、ごく稀だっただろう、力強い構成と人間味のある視点だ。

特筆すべきことは、1880年、アンシュッツは、自身で撮影した写真を絵画の準備段階での研究として使用している。もう少し、詳細には、構図の実験、また、風景や人物の詳細を思い起こすために写真を使っていると言うことだ。だったら、写真でいいと思われるかも知れないが、その写真も、あたかも、そこに、そういった事象があったかのような騙し絵なのだ。いずれにしても、この絵画が伝えるものは大きい。

「写真:それはかつてあった」-ロラン・バルト

(追記)トマス・アンシュッツは、アメリカの20th初頭のアートを語る時、外せない画家であり、教師です。また、この流れから、アシュカン派(アシュカンスクール)に展開される要的な存在です。また、写真というチャネルが定着した時期でもあり、当初の肖像画家等が、カメラ・オブスクラから、ダゲレオタイプ(初期の写真-daguerréotype/1893-)で写真家に移行した時代から、その写真の流れと、リアリズム絵画という大きなパラダイム・シフトの時期でもあります。後日、トマス・アンシュッツの全体像をコラムに致しますので、お時間の許す折にご覧いただければ幸いです。

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