真鍋淑郎氏(ノーベル物理学賞-2021)の困惑
真鍋淑郎氏(ノーベル物理学賞-2021)の困惑
まずは、こういった視点もあるという事で幅広く捉えてもらいたい。 いずれにしても、真鍋淑郎先生(1931- /プリンストン大学上席研究員)の気候モデルについて洞察からの業績は讃えたい。また、日本国籍をお持ちの真鍋先生の受賞は嬉しい限りである。
その真鍋淑郎氏のノーベル物理学賞を得た研究とは・・
NHKサイトより以下、引用
「2021年のノーベル物理学賞の受賞者に、大気と海洋を結合した物質の循環モデルを提唱し、二酸化炭素濃度の上昇が地球温暖化に影響するという予測モデルを世界に先駆けて発表したプリンストン大学の上級研究員で、アメリカ国籍を取得している真鍋淑郎(まなべ・しゅくろう)さん(90)が選ばれました。」
この地球温暖化のCO2からの論点は、環境学の科学者の間では、論争が続いており、真偽の程は定かではない事象なのだ。
そして、ヨーロピアン・リバラルの価値観の働きかけで、いつものノーベル平和賞のように、ここまでも(ノーベル賞の理系分野の物理学賞)、その政治的意図が働いていると言う有識者たちもグローバルに出てきた。
それは、CO2の働きかけで、地球が温暖化していることの真相は、これで解決ではなく、未だ、解らないからだ。
確かに、CO2の増大と共に、気温の上昇もあるだろう。ただ、環境学の専門家たちの視点は、現在、そこではなく、並行して起こしている「地球が、間氷期(かんぴょうき)に入りつつあり、その結果、海水からCO2が発生し、大気中のCO2が上昇し、氷河が融けて海面が上昇する」と言われている。
以下、参考データ
それは、以前のコラムでもご紹介させていただいたが、一例として、ウェザーニュースのように、夏の一定期間、日本からの船便が北極海を航行して、欧州に行ける様相だ。
北極海の海氷傾向2021
Fig. 北極海北東航路(左)・北西航路(右)の開通期間
そして、現在の環境学の専門家は、人類による化石燃料の使い過ぎくらいでは地球の気象は変化しないと言及する。現在形の研究では、石油資源は枯渇しない、それは数千年単位の維持は可能ともいわれる。その1つには、ここ10数年で石油の消費量が落ちても気温の急激な上昇は、相変わらずだという。
ただ、それは、原発維持への推進かも知れない、しかし、石油の輸入ルートである、ソマリア・ホルムズ海峡・南シナ海・台湾海峡の安全性という現実的な問題もあるが、いずれにしても電気エネルギーは、不可欠なものだ。
鉄鋼産業や自動車産業など重工業を支えるのは、安価な電力であり、ましてや、クリーンエネルギーで走るEVカーは、現時点では、原発でなければ成立しないと言われる。そして、今現在の日本の技術力では、他国から購入しなくとも、海水から、原発のための放射性物質を取り込むことができると言われる。
それにしても、未来の人々は、増え続ける放射性核廃棄物を10万年以上もどうやって、管理できるのだろうか?
プルトニウム(Pu235)の半減期は24000年、それは想像を絶する数値だ。
ただ、その研究を避けてしまったら、いずれにしても、核廃棄物の廃棄方法や再利用方法も不可能な話となる訳になる。
難しい選択だ。
ここであえて、自然エネルギーについては、説明も要らないかも知れないが、自然エネルギー(再生可能エネルギー)での電力供給は、非常に非効率(エネルギーの密度)で望めない。ただ、再生エネルギーには、今後に期待にはしたいが・・これらは、原子力発電と再生可能エネルギーの二者択一できる問題ではない。同時並行と言う方法論を称える有識者も多い。
ホーキング博士の予測のように、「人類程度に文明が発達した知的生命体は宇宙的時間(数10億年単位)で考えると瞬間的(100年程度)」で消滅してしまう。はたして、どう理解すればよいのだろう。
(註)スティーヴン・ウィリアム・ホーキング(Stephen William Hawking,1942 - 2018/イギリスの理論物理学者)
(追記)突き詰めて考えれば、地球の環境学の全体像を考えても、一番困惑しているのは、このことで環境学に、ある意味、定義づけられてしまった、物理学者の真鍋先生の本音なのかも知れない・・
末筆ながら、日本のテレビ局の誘引的な質問に対して、真鍋先生が、日本の研究機関等のあり方をそのまま率直にお話しなさって、その部分を切り取り編集され、ある意味、日本の学術研究の批判(一度は帰国しようとなさった。上記のダイヤモンド社)や、地球温暖化の論争に終止符を打つようなメディアのあり方に違和感を、先生はお持ちになったかも知れない・・
この地球温暖化の議論にリベラルも右傾化もなく、それは、難問であるが地球規模の問題だと感じるが・・
参考映像
拙作-コラム(2019)
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