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爆撃

毎晩夢を見ない日はないのですが、
久々に激しい夢を見ました。

ショッピングモールで買い物をしていた時に、大きな飛行機が近づいてきました。そして、ロケットのような真っ白い爆弾をおとしてきました。ゆっくりしたスピードで降下していきます。
あまりの恐怖で身体がすくむってあのことなんですね。

「逃げて!!」 
誰かが叫ぶ瞬間に、巨大な爆音、地響き、爆風に巻き込まれました。
会場にいた人たちは次々に飛ばされていきます。僕も必死に、壁にしがみつきました。

やっと収まったと思ったら、また上空に白いロケットが現れ、ゆっくりと落下してきます。その潔癖な白に、美しいとすら感じました。
一度あの爆撃を経験してるので、風をさえぎるところへ避けながら、今度もなんとか凌ぎました。
しかし人々は次々に飛ばされていきます。

「こっち!こっち!」
混乱する人々に、爆風が届かない場所を教えながら、なんとかそのショッピングモールを脱出しました。
すると、その爆撃がなかったかのように、街中には車が行き交っていました。

僕は、道路の真ん中で消防車やパトカーが通るたびに身を挺して止めようとしました。消防隊員に必死に説明しても、鼻から相手にしてもらえません。冗談はよしてくれ、と言わんばかりの表情で去っていきました。
途方に暮れてその場にしゃがみ込みましたが、「僕にしか見えない」であろう、ショッピングモールの爆撃に向かって、再び歩き始めました。

場面は変わり、朝の事務室のようです。そこにいた何人かの人々は、なんとか一夜を凌いだと話し合ってました。僕の机にはたくさんの資料があります。
年上の男性がこう語り掛けました。「さぁ外に出て会見に臨むんだ。記者たちが待っている」と。
僕は、はい、と答えて、玄関を開けました。強烈な光が差し込みました。
ーーーー
コン、コン、コン・・・
息子の咳の音で目が覚めました。
僕は、ああ夢だったのか・・と呆然としていました。そして、加湿器にお湯を入れ、スイッチを押しました。一時すると、咳は少し治まってきました。

朝、夢占いで調べてみたら、
「戦争の爆撃(する・される)の夢を見た場合、かなり多くのストレスをためていることをあらわしています。」と書かれてありました。そりゃそうです!それ以外の何があるのでしょうか笑。
また、テロの爆撃はストレスの限界、とも書かれてありました。

世界の戦争は、外側だけのことでしょうか。人間の内側はどうでしょうか。
あのショッピングモールは僕自身の「精神世界」でしょう。何発も何発も外世界、内世界からの爆撃を受け、街(価値観や積み上げてきた努力)は吹き飛ばされました。たくさんの人格(パーソナリティ)も飛ばされて、傷つきました。強い怒りの噴煙に包まれていました。それは自分自身の無意識が巻き起こしたことです。恐れ、恐怖、怒り、苛立ち、嘆き、悲しみ、虚しさ、無力感、諦め・・。

その中で、しぶとく逃げ延びて、くぐり抜けてきた人格もありました。なぜ、目の前の惨劇に向き合えたのでしょうか。
そしてあの爆弾は、なぜあんなに白かったのでしょう。よくよく思い出してみると、薬のカプセルのような形にも見えました。無菌のような白。
白い爆弾は、破壊する象徴と共に、再生・治療の象徴なのかのかもしれません。街は燃えていませんでした。ただ爆風により崩されていただけでした。それも不思議です。浄化の一環なのでしょうか。

ありありと覚えているその悪夢から現実に戻してくれたのは、息子の咳でした。
息子は息子で、ウィルスを外に出そうとして、小さい身体で戦っています。みんな、一人一人戦っているのでしょう。

なぜこんなにストレスを溜めてしまうのか。妻は、「そんなに苦しいんだったら、展覧会を断ればいいのに」と言います。見るに見かねてなのでしょう。保育園休みの日、数時間ワンオペで息子の相手もお願いしてます。それでもかなりの負担でしょう。

僕は画面に向かいます。
もう実質、搬入まで1週間。郵送する作品も50点は超えているので、その発送準備に取り掛かるべきです。
もうすこし描けないか?と粘ります。せめて今日までは。

ここまで行き着いた先に。
逃げるのではなく、あのショッピングモールに戻ったように。
最後まで頑張ろうと思います。

ちょうど同じ頃、近所のショッピングモールに遊びに出かけた妻と子から写真が送られてきました。
となりのトトロの出てくる「稲荷前」のバス停で、はにかんでいる息子の写真でした。

夢と現実はあまりに違います。笑。それはそれで真実。
僕のショッピングモールは、これから復興していくのでしょうか。
きっと、乗り越えられると思います。だから、爆撃は起こるのです。

乗り越えた先、どのような世界が待っているのか。兎にも角にも、あと2週間後にはわかる話です。

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