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「許さない」と言った、「幸せな人」ついて。(マガジン限定)

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「私はとっても幸せよ」

と、よっちゃんは言った。

「週に5回、パートはしてるけど、短い時間だからね。楽しい職場なのよ。毎日楽しく過ごして、本当幸せ」

よっちゃんは僕が働いていた居酒屋の大常連の女性だった。

ちなみにそこは居酒屋と言っても、場所は青山と一等地にあり、酒と食材もこだわっていて、そこそこ値段の張るお店だった。

神宮球場が近いこともあり、野球の試合の後には、どっとお客さんが押し寄せる。

よっちゃんはヤクルトスワローズの大ファンで、試合のある日はほぼ100%、球場へ行き、試合の終わりには店にやって来た。

よっちゃんの年齢は当時で50代後半くらいだっただろうか。ぱっと見の印象は、正直なところ、あまりその店の常連の雰囲気ぽくはない。何故なら基本的にその店は、サラリーマンでも、ある程度年配の、管理職以上の人が多かったし、芸能人や、芸能関係、アパレル関係の重役などが常連に多くいた。青山という土地柄、という事が大きな要因だが、実際にそのお店は酒にも料理にもこだわっていて、客層のターゲットとして、そのくらいの人達が対象だった。

どうしてよっちゃんが、そんなお店でしょっちゅう飲み歩けるのか不思議だったが、ある日その理由がわかった。それは、よっちゃんを知ってから、つまり、僕がそこでアルバイトを始めてから、数年経ってから直接聞いた話だ。

「私はね、あの男は一生許さないの」

いっっっしょう、と、笑いながら言った。

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言葉の力で、「言葉で伝えられないものを伝える」ことを、いつも考えています。作家であり、アーティスト、瞑想家、スピリチュアルメッセンジャーのケンスケの紡ぐ言葉で、感性を活性化し、深みと面白みのある生き方へのヒントと気づきが生まれます。1記事ごとの購入より、マガジン購読がお得です。

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