リハ病院で看護師が使う評価ツール①

2024年の上旬にリハビリ病院に転職が決まりました。
ただ、いろいろ評価ツールが多様ということもあって事前学習することにしました。
このノートはめちゃくちゃ長いです。
ただの自分の確認用なので自分の使い勝手しか考えていない仕様です。
誤字脱字もあるため、詳しくは動画ご覧ください。
あまり期待はせずご覧ください。


改定水飲みテスト

ttps://youtu.be/a_WEgvmqQNM?si=JioGT2n8TbiIipoQ

・基準


・三点以下の人は誤嚥している可能性が高い


・評価の仕方


・3mlの水を口腔底に注ぐ
・スムーズに飲み込むことができたら直後に空嚥下を2回してもらう。このときにのど仏に指を添えて嚥下を確認する。嚥下がない場合はこの段階で終了。
嚥下がなく無反応の場合は評価不能
・嚥下がなく、むせなどの反応があれば1点
・嚥下があり、著しいむせ(呼吸切迫)を認めたら2点
・嚥下があり、むせを認めたら3点
・次にえー、あーなどと発生してもらい、湿性嗄声があれば3点で終了。
・なければ嚥下を二回してもらう。30秒以内に2回できない場合は4点で終了
・30秒以内に2回できた場合は再度はじめから検査を行う。
・最大で二回行い、全三回の試行に問題がなければ5点で終了する。


MMT:Manual Muscle Test

基準と評価表

腕の場合


・仰臥位の状態で「手を上げてください」。患者さん自身で手を挙げれたらMMT3。
・上げた手を頭側に押して「押し返してください」。勝てば5、看護師に押されて手が上がってしまうと4。
・体の横に腕をおいた状態で横に自分で動かせれば2。
・それはできないけど指先を動かせれば1。

足の場合


足をしっかり上げれれば3以上。中途半端であれば2。
上げた足を下ろすように押して抵抗できれば5、できず足が落ちてしまえば4。
足の指を動かせれば1。

個人差がある場合もある


右足はあげれないけど膝立はできる場合。
他動的膝立がデキるとき3をとることもあるが、病院によっては自分ではできないので2ととることもある。

ポイント


被験者・測定者の性別や元々持っている力の差などで誤差の出る検査であることがある認識をしておく必要がある。

ブルンストロームステージ(上肢)

あいまいでよくわからない方法らしい。
方法がしっかりしている上田式のいいとこどりをして解説しているとのこと。結構がっつり量があります。

ステージ3から評価していく。


基準:明確な関節運動。どちらかできればステージ4へ。

ⅰ)屈筋共同運動
・座った状態で手を膝に置いた状態で開始(面接の座り方みたいな感じ)
・肩関節が外転外旋
・肘関節が屈曲
・前腕が回内
・そうすると指先で耳を触るような形になる。
マギー史郎の耳が大きくなっちゃった!みたいな感じ
・タッチできず不完全な形であったとしても、明確な関節運動があればステージ4。
※自分でやってもらう。
※評価者が肩をつかんで体幹を動かさないように。
時短のために大事。肩をつかむことで筋収縮があるかを評価することができる。筋収縮があればステージ2は確定する。

ⅱ)伸筋共同運動

・肘は伸展して前腕は回内している。肩関節は内転。
・賢者の手にタッチしてもらう。
※面接の座り方から開始

連合反応を確認する


方法:上田式12段階を利用している
連合反応があれば1
連合反応がなければ2
・仰臥位になってもらう
・麻痺側を耳に手をタッチする形にする(マギー史郎)
・評価者は大胸筋に手を触れておく。男性が女性に触れる場合は左手で女性の脇から肩にかけて触れるとよさそう。
・非麻痺側を(ちょうど「こんにちは」と)肘を屈曲して手のひらを相手にむけるようにセッティングする
・非麻痺側を(「こんにちは」の状態から)上に向かってぐっと伸ばしてもらう
・そして伸ばした手を伸びないように抵抗をかける
・非麻痺側の随意努力によって麻痺側の筋肉が収集くするかどうかを確認する。これによって連合反応があるかどうかを確認する。
・筋収縮が感じれれば2
・筋収縮が感じれなければ1

ステージ4:一つでもできればステージ5へ

ⅰ)腰を手に回す:(面接で)座った状態から麻痺側の手の甲を背中につける。
※手の位置が脊柱から5cm以内であればクリア。

ⅱ)肩を90°に挙上する:肘を伸展して手を前に突き出す。(チョコプラのそろりそろりして手をまっすぐ突き出す感じ
※60°以上でクリア。肘屈曲は20°未満。水平内外転10°未満。これら肘屈曲、水平内外転の基準を逸脱すれば×。

ⅲ)肘90°屈曲位で前腕回内外:肘を脇につけて手のひらを天井側に向ける(なんかくれ、みたいな感じ)。そして手のひらを地面に向けるように回転させる。
※回内50°でクリア。肘90±10°の範囲。肘は体側につける。上記の逸脱は×。

ステージ5:下記一つできればステージ6へ。

ⅰ)肩90°外転:気を付けの姿勢から腕だけ横に開く感じ。手のひらは地面。肘は伸展。
※60°以上でクリア。水平屈曲は20°未満。肘屈曲は20°未満。

ⅱ)肩180°挙上:(そろりのように)手を突き出した状態から、さらに(甲子園球児の宣誓のように)上に手をあげる。
※130°以上でクリア。横に30°以上開かない。肘屈曲は20°未満。逸脱すれば×。

ⅲ)肩90°/肘0°前腕回内外:(そろりのように)手を突き出した状態から、手のひらを天井に向けるように回す。

ステージ6のスピードテスト


以下を5秒間でどれだけできるのかを麻痺側と非麻痺側で計測する。計測方法は2つ。
ⅰ)(面接のように)座って手を膝に置いた状態から手を顎につける(考えるているようなポーズ)。そしてもとに戻るというのを繰り返す。
ⅱ)(面接のように)座って手を膝に置いた状態から賢者の手に触れて戻す、触れて戻す、を繰り返してもらう。

ステージ6のスピードテスト(上田式):


非麻痺側の1.5倍以内でクリア。
・座った状態で手を同じ側の肩に触れる。
・(はい!先生!のように)手を挙げる。
・以上を繰り返す。
※肘関節は20°以上屈曲しない。肩関節は130°以上屈曲。

ブルンストロームステージ(手指)


ステージ3から評価


ⅰ)全指の同時屈曲
手をグーしてもらう。
ⅱ)かぎ握り
やり方がわからないときは他動的にまげてレクチャー。

ステージ3に満たない場合

ステージ2→筋収縮あり
ステージ1→筋収縮なし

わずかな筋収縮も見逃さないように握手する。

ステージ4(ステージ3を満たした場合)

・横つまみ。わずかな範囲で母指を離すことができる。
・手を握った状態を作る。
・親指を人差し指の横につけるように握る(クリームパンみたいな感じ)
・握った親指と人差し指の間に四つ折りした紙を挟む。
・評価者は紙を引っ張って抜けないか確認する(抵抗できるかどうかは評価の基準には入っていない)
・また、挟んだ紙を離せるかどうかも確認する。

ステージ5


ⅰ)対向つまみ
・ペンを使用する(規定にはないが判断しやすいので簡易的に使用しているとのこと)
・ペンをつまんでもらう
・つまんだペンを放してもらう

ⅱ)集団伸展は可能だが全可動域は難しい
・手をぐーにしてもらう
・パーにしてもらう

ステージ6


ⅰ)すべての種類の握りが可能
ⅱ)全可動域の伸展が可能

・手を広げてもらう
・テニスボール大の球を握ってもらう
・指の間隔は空ける
※球を覆うようにしっかり握っている必要がある。それができなければステージ5である。

ブルンストロームステージ(下肢)

ステージ3から評価する


・屈筋共同運動
・基準:明確な関節運動がある。股関節の屈曲と膝関節の屈曲と足関節の背屈、この共同運動がみられるか。
・座った状態から開始。膝は90度に屈曲
・麻痺側の足を上にあげてもらう。
・以上ができればクリア、ステージ4評価へ。できなければステージ1,2評価へ。

ステージ1,2

・仰向けになってもらう
・非麻痺側を外転させる(10°~20°横に広げる)
・麻痺側の内転筋に触れる
・広げた非麻痺側を内転してもらう(足を閉じる)。この時、評価者は足を閉じる向きとは逆向きに抵抗をかける。
・内転しているときに麻痺側の内転筋が動いているかを確認する
・麻痺側の内転筋が動いていれば
→連合反応あり→ステージ2
・麻痺側の内転筋が動いていなければ
→連合反応なし→ステージ1

ステージ4

ⅰ)足を後ろに滑らせる
・100°以上屈曲でクリア。開始肢位は90°屈曲。
・座った状態から麻痺側の足を、足の裏は地面につけたまま足を椅子の下に引き込むイメージ。

ⅱ)踵をつけたまま背屈
・5°以上でクリア

ステージ5

ⅰ)股関節0°で膝屈曲
・両手で何かに手を置いてまっすぐ立っている状態から開始する。
・膝を曲げてもらう
・膝の屈曲が45°以上でクリア
・股関節が20度以上屈曲しないこと

ⅱ)膝伸展位で足背屈
・両手で何かに手を置いてまっすぐ立っている状態から、麻痺側を一足分わずかに前に出す。
・踵は地面についた状態で麻痺側の足を背屈できるか確認する。
・5°以上でクリア。
・膝・股関節が20°以上屈曲しないこと。

ステージ6

ⅰ)股関節の外転
・何かに手をついてまっすぐ立った状態から開始
・麻痺側を外側に開く
・20°以上でクリア
・膝屈曲は20°未満
・非麻痺側の踵は床から離さない

ⅱ)足内反ー下腿内旋、足外反ー下腿外旋の反復
・座った状態から開始
・麻痺側の踵を付けた状態で、麻痺側の踵を軸に麻痺側の足を左右に動かす。
・この時下腿が閉じたり空いたりしないように。
・下腿も過度に開いたりしまったりするとステージ5になる。

機能的自立評価表(FIM:functional independence measure)

当事者やご家族が学習するような内容だったけど概要つかむ分には勉強になった動画

概要

日常生活の能力評価法として取り入れられている。

簡単に言えば、人が自立して生活できる能力を点数化したもの。

高ければ高いほど自立して生活している。

低いと介助が必要。

ほとんどの病院で取り入れられている。

学校の授業でも絶対にやる。

リハビリだけでなく医師、看護師、介護士も知っている必要がある。

項目

運動項目、認知項目に分けられる。

①運動項目は四つある
・セルフケア
1)食事
2)整容
3)清拭(入浴)
4)更衣(上半身)
5)更衣(下半身)
6)トイレ動作
・排泄コントロール
7)排尿管理
8)排便管理
・移乗
9)ベッド・椅子・車椅子
10)トイレ
11)浴槽・シャワー
・移動
12)歩行・車いす
13)階段

②認知項目は2つある
・コミュニケーション
14)理解
15)表出
・社会的認知
16)社会的交流
17)問題解決
18)記憶

採点対象:ここが一番重要なポイント

最大の能力ではなく、普段している生活の能力を採点する。

例えば、ある人は自分で実行する能力はあるが、いつも他人に着させてもらっている。

この場合、いくら自立してできる動作でも、日常的に介助を受けているのであれば、普段行っている介助されている動作での採点になる。

最大限できるADLで評価しないようにしよう。

得点     呼称     運動項目
  7        完全自立:  自立
  6        修正自立:  修正自立(道具の使用、安全への配慮、時間がかかる)
  5        監視介助:  監視・準備
  4        最少介助:  75%以上、100%未満している
  3        中等度介助: 50%以上、75%未満している
  2        最大介助:  25%以上、50%未満している
  1        全介助:   25%未満しかしていない

・いくら自立していても、普段から滑り止めマットを使用していたら6点(修正自立)となる。
・「時間がかかる」に関しては、通常の3倍以上かかった場合6点となる。例えば普段15分で食事していた方が病気などの関係で普段から45分かかるようになってしまった場合6点になる。
・5点、6点には明確な違いがある。介助者の有無である。介助者がいれば5点、いなければ6点。
・5点は本当に見守るだけ。介助は一切しないのが原則。
・1~4はパーセンテージで表現されているが細かい基準がある。ここでは説明しない。
・FIMの満点は126点、最低点数は18点

FIM 社会的認知

前回の動画ではFIMの詳細の評価方法について解説していなかったのでさらに動画検索して書き起こし。3年前の動画で、かつ参考文献載っていなかったのでさらに裏を取る必要があるなと感じながらもわかりやすくはあったので取り合えず。


社会的交流

・定義:相手にどの程度迷惑や不快感を与えているかがわかる。自分の言動が相手に与える影響を知ること。

・採点方法:スタッフや疾患、家族と適切にかかわっているか?また、どの程度迷惑行為をしているか。

・迷惑行為:訓練を拒む、車いすで暴走する、あいさつしない、無視する、癇癪、些細なことで怒る、暴力をふるう、ののしる、悪態をつく、過度にひきこもる、周囲への迷惑を気にせず話しかけ続ける。

・考え方
①まずはスタッフや他の患者様、ご家族と適切にかかわっているかを見る。可能であれば7点、6点。7点には内気な性格も含む。6点には投薬使用が必要な場合も含む。
②不可能な場合、不快感を与えている頻度で1~5点に採点する。
③10%未満の迷惑であれば5点
④10~24%程度の迷惑であれば4点
⑤25~49%程度の迷惑であれば3点
⑥50~74%程度の迷惑であれば2点
⑦75%以上の迷惑であれば1点

・具体例
①単に個人的行動を選び、内気であるとみなされているが、集団の中では適切な行動をとる。
→性格なので減点はなく7点
②行動コントロールのために投薬を受けている。
→投薬を受けているため6点
③悪態をついたり、人をののしるが2回に1回より少ない。
→50%以下で3点。大体の頻度でOK。
④日中非常に協力的な患者であっても、夜間せん妄のため毎晩同室患者が眠れなくなる。
→低いほうを採点するというFIMのルールがあるため答えは1点。

問題解決

・定義:日常生活上の問題解決(金銭的、社会的、個人的な出来事)に対して、合理的、安全に、タイミングよく決断する。問題解決のために行動を開始し、継続し、自分で修正していくことを意味する。

・評価要素:複雑な問題(収支の管理、薬の自己管理、退院の計画、対人トラブルなど)を解決することができるのか。ポイントは二つある。
①日常生活に即した問題への対処能力がある。
②人に頼むことで解決できていれば問題ない。

・考え方
①スタッフと他患者、家族と適切に関わっているか。可能であれば7点か6点。投薬をしている、あるいは「慣れ」が必要である場合6点

②不可能であれば次は迷惑、不快感を与えている程度で採点する。
・5点:90%以上の問題を解決している。
・4点:75~89%の問題を解決している。
・3点:50~74%の問題を解決している。
・2点:25~49%の問題を解決している。
・1点:25%未満の問題を解決をしている。簡単な日常生活にも指示を要する。

・具体例
①何かに困ったときに助けを求めたり、ナースコールを押すといった日常の問題を認識し解決することができたが、退院計画のことについては決断ができなかった。
→複雑な問題は解決できかったけど、簡単な問題は90%解決できているため5点に相当する。
→複雑な問題は解決できなかったが、自分には解決できないことを認識し、家族など他を頼って解決した場合は6点に相当する点に注意する。

②移乗が自立していない患者が異常時にスタッフを呼ぶように指導されているが守れない。3回に1回は一人で移乗しようとする。
→66%は簡単な問題の解決ができている。この場合3点となる。
③半空間無視のため、車いすの左側をぶつけたまま動けないでいる。自分で気づかず誰かに声をかけられるまでその場を動けないでいる。
→毎回手助けが必要。声をかけられるまで待つことから、ほかの簡単な問題解決に対しても同程度と考えられる。よって1点。

記憶

・定義
①日常生活を行う上で必要となるない世を覚えていられるかどうか。
②言語的・視覚的情報の記憶と再生する能力である。
③課題の遂行能力だけではなく学習障害も含む。

・評価要素
①普段の日課を覚えているか(訓練・食事場所・時間、起床・就寝時間など)
②よく合う人を認識しているか(家族・医療スタッフ・同室患者など)
③人からの依頼を実行できているか(療法士からの検査室にいく指示など)

・考え方
①評価要素の3つができれば7点か6点。6点ではメモとかタイマーを使用すれば可能である状態。
②5点以下は覚えていられない程度で評価する。評価要素の1項目を33.3%×3項目とする。
覚えていられない程度が
0~10%:5点
10%~25%:4点
25%~50%:3点
50%~75%:2点
75%~100%:1点

・失語症の場合
①昨日の訓練内容を覚えているか
②見せた三つのことを示せるか
③続けて3つのジェスチャーをまねできるか(3段階の無関係な命令)
※感覚失語が重度であり命令が通らない場合は普段の日課、よく合う人の認識の2項目で採点する。

・具体例
①医療スタッフの顔認識はあり、食事・検温の時間は覚えている、頼まれた依頼内容は覚えていない。
→三項目中1項目不可能。33.3%覚えていない。よって三点。
②メモや予定表を使用。たまに見ることを忘れ、他者から(5回に1回程度)指摘あり。人の認識・依頼の実行も同程度。
→道具使用で6点以下。記憶再生に20%の手助けが必要。要するに80%はできている。よって4点。

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