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自宅マンションをパッシブ化する実験。

マンションでは珍しい断熱リフォーム

エコ研究をしている中で、自分が住む中古マンション(約50年前の1969年竣工)の自宅(48㎡)を、エネルギーをあまり使わなくとも快適なエコハウスに出来ないだろうかと考えました。
色々調べた中で注目したのが、ドイツのパッシブ方式(高断熱高機密住宅)です。定められた基準を満たす断熱環境を実現することにより、まるで住まい全体が魔法瓶のように温度を一定に保てる空間になるということがとても魅力的でした。

というのも、私が当時住んでいたマンションは築40年以上を超える古い建物で、玄関から室内に外気が入り込み、玄関に近い風呂場付近では冬は寒さに震えてしまうような環境だったからです。

しかし、調べてみても一軒家での事例はあれど、マンションでパッシブ方式で断熱性を高めたという事例はありませんでした。ならば、私が第一号になってやろうとチャレンジすることにしたのです。

そもそも、マンションで上下左右が他の住戸に囲まれた環境なのであれば、既にその面は断熱されているとみなしても良いのでは?と考えました。
私の住む部屋は5階建マンションの4階で角部屋ではないため、上下と左右は住戸に囲まれた環境、それならば廊下側とベランダ側を徹底して内側から断熱改造すれば、結果六面ほぼ断熱され、住まい全体が魔法瓶のようになるのではという仮説を立てました。

そうなれば、全ての居室、廊下、トイレなど全体が、最小限のエアコンで快適な温度を保つことができるのでないか?

そして2016年夏、実際にエコハウスのノウハウを持つ施工会社にお願いすることとなり、廊下側とベランダ側の断熱改修を、約1ヶ月かけて改修してもらうこととなったのです。

廊下側とベランダ側の二面を、内側から、壁・天井(上階ベランダ部)・開口部を断熱改修。

劇的に変化した住居性能

無事にパッシブハウスリフォームも終わり、新たな空間での暮らしが始まりましたが、これまでとの違いに衝撃を受けました。
これまで大型1台と小型1台のエアコンを居室2部屋に使用していたのが、6畳用最小のエアコン1台で全居室(2部屋)、トイレ、廊下、洗面所を一定の快適な温度で保てるようになったのです。
もちろん寒い冬場でもお風呂から出て洗面所で震え上がることもなくなりました。
日本で年間1万人近くの人が強い温度差によるヒートショックが原因で死亡しているという統計もありますが、その心配がなくなり、夏も小さなエアコンたった1つで全ての部屋が快適という劇的な変化を遂げたのです。
外気温と内気温が同じ春秋はこれまで通りエアコンなしで快適ですから、電気の使用量も劇的に下がりました。

電気契約は半分に!

電気の契約は、40Aから30Aに、そして20Aに段階的に切り替えてみましたが、問題なく生活できています。
さすがに、エアコン、ヘアドライヤー、電子レンジを同時に使うと電気が落ちてしまう時もありますが、ある程度までは大丈夫なので、慣れればちょっとゲーム感覚で、あ!やっちゃったと楽しんでいます。

二面を内断熱にしたが、見かけは以前とほぼ変わらないインテリア。快適エコが両立


nettamotoによる記録を元に作成した外内温度の違いのイメージグラフ

netatomoという室内外の気温とCo2等が測れ、スマホに記録できる環境測定器を、設置して記録して楽しんでいます。こうやって見える化することもエコでは大切だと思っています。

気温、co2、湿度、気圧などがスマフォに記録され、co2アラームもある優れもの

めざすエコデザイン

快適で気持ちの良い暮らしを実現して思うのは、エコであることよりも前に、まずは気持ちよかったり、便利だったり、楽しかったりすることなのだろうと思います。
その結果としてエコだった、でいいのではないでしょうか。
そんな、エコデザインを目指したいと思っています。


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