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京都、 絵に描きたい情景 。
京都の四季は美しい。
過ぎた日々を思い出すと、 切なくて、恋しくて。
じわーーーーーっと。
青い墨が手漉きの和紙に沁み込んでゆくように
ゆっくりと、静かに私の気持ちが満ちてゆく。
そんな情感を、旅人の私は、
いつか絵に残したいと思っている。
第一景) 雨瀟瀟
![](https://assets.st-note.com/img/1652864373304-Dhzr06psRA.jpg?width=1200)
初回のテーマは「雨」です。
荷風の作品に「雨瀟瀟」と云うのがあると知った。
ここでの「瀟瀟」とは、静かに寂しげに雨が降りつづく様に近く、
秋の長雨、「しとしと」ということばが似合う。
一方で、「瀟瀟」は風雨の激しい様を表すと、辞書には書いてある。
「ざぁ−ざぁ−」がぴったしの 雨である。
「ざぁ−ざぁ−」は長く続くと怖いけれど、私のイメージは後者。
「ザァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」と、
心身の全ての罪や穢れを洗い清めてくれる、
短時間に激しく降る 「禊の一気雨」(個人的な呼称です)の方である。
京都が好きで・・・・・
だから、好きな寺は?
と聞かれたら・・・
三つある。
一つ目は永観堂
二つ目は真如堂
そして三つ目は東寺と答える。
中でも金堂の威厳のある重厚な佇まいが
気に入っていた。
あの日のように・・・
瀟瀟と
雨の降る日の それは
古びた時間が匂い立って
尚一層 好きだった。
「ザァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
![](https://assets.st-note.com/img/1651903854220-z3hmsorC3f.jpg?width=1200)
この情景(上)が撮りたくて、描きたくて、
「ずぶ濡れになっても 構へん・・・」 って、
そんな気持ちで、飛び出した。
![](https://assets.st-note.com/img/1651904765570-0YFJqywjri.jpg?width=1200)
雨は龍鱗、
龍の鱗と 誰か云う・・・
みるみるうちに 地面のあちこちに 巨大な龍の背の斑ら模様が浮かび上がった。
「あっ、本当だ。ここには龍が住る!!」
ノスタルジックな声が聞こえたような気がして、この瞬間、私は「少年」に還る。
![](https://assets.st-note.com/img/1651965385643-QfrOhVZsZM.jpg?width=1200)
龍は水の護り神
暴れ川と言われた鴨川の水害から、龍神は何度も人々のいのちと暮らしを守ってきたという。
![](https://assets.st-note.com/img/1652928999136-DlmzATSVxs.jpg?width=1200)
京都の四季は美しい。
みそそぎ川に蛍が飛び始めると、もうすぐ龍の季節がやってくる。
![](https://assets.st-note.com/img/1652929512335-6r7c6uacjw.jpg?width=1200)
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