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京都、 絵に描きたい情景 。


京都の四季は美しい。

過ぎた日々を思い出すと、 切なくて、恋しくて。

じわーーーーーっと。

青い墨が手きの和紙にみ込んでゆくように

ゆっくりと、静かに私の気持ちが満ちてゆく。

そんな情感を、旅人の私は、

いつか絵に残したいと思っている。


第一景) 雨瀟瀟あめしょうしょう


初回のテーマは「雨」です。

荷風の作品に「雨瀟瀟」と云うのがあると知った。

ここでの「瀟瀟」とは、静かに寂しげに雨が降りつづく様に近く、

秋の長雨、「しとしと」ということばが似合う。

一方で、「瀟瀟」は風雨の激しい様を表すと、辞書には書いてある。

「ざぁ−ざぁ−」がぴったしの 雨である。


「ざぁ−ざぁ−」は長く続くと怖いけれど、私のイメージは後者こっち

「ザァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」と、

心身の全ての罪やけがれを洗い清めてくれる、

短時間に激しく降る みそぎの一気雨」(個人的な呼称です)の方である。


京都が好きで・・・・・

だから、好きな寺は?

と聞かれたら・・・

 三つある。

 一つ目は永観堂

 二つ目は真如堂

 そして三つ目は東寺と答える。

 中でも金堂の威厳のある重厚なたたずまいが

気に入っていた。


あの日のように・・・


瀟瀟しょうしょう

  雨の降る日の それは

  古びた時間が匂い立って

   尚一層 好きだった。

「ザァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

瀟蕭と雨の降る東寺 金堂

この情景(上)が撮りたくて、描きたくて、

「ずぶ濡れになっても かまへん・・・」 って、

そんな気持ちで、飛び出した。

地面に浮かび上がる龍の背の斑ら模様

雨は龍鱗りゅうりん

龍のうろこと 誰か云う・・・

みるみるうちに 地面のあちこちに 巨大な龍の背のまだら模様が浮かび上がった。

「あっ、本当だ。ここには龍がる!!」

ノスタルジックな声が聞こえたような気がして、この瞬間、私は「少年」にかえる。

金堂に青龍が住む?


龍は水の護り神

暴れ川と言われた鴨川の水害から、龍神は何度も人々のいのちと暮らしを守ってきたという。

雨が上がって増水した鴨川、が群がって獲物を狙っている


京都の四季は美しい。
 
みそそぎ川に蛍が飛び始めると、もうすぐ龍の季節がやってくる。

京都の街中で蛍が見られることに感動した。地域の子どもたちが大切に守り育てているらしい


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