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【#18】材料力学の強化書 〜曲げに対するせん断力について〜

今回のトップ画像はオーストリアの主要都市であるウィーンの街並みから。見かける全ての建物が歴史的建造物のように見えてしまいそうですね。旧市街は、中世の面影が随所に残る絶好の散策スポットだそうです。

さて、材料力学の話に戻りましょう。

本編に関しては、前回から「曲げ」に関する変形の話に入りました。初回は曲げに関する用語として、曲げ応力と曲げモーメントの関係式について見ていきました。

今回ははりの曲げに対するせん断応力(せん断力)について見ていきます。説明は主に途中計算を書いたノートのみですが、前回と同じく重要な単元なので、最終的な部分だけでも頭に入れて頂ければと思います。

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せん断力と曲げモーメントの関係

はりの曲げにより生じる応力は、先に説明した曲げ応力だけでなく、せん断応力も含まれます。ここでは、はりのせん断応力とその合力としてのせん断力、せん断力と曲げモーメントの関係について考えます。

途中計算は所々で省略していますが、曲げモーメントとせん断力の関係を導く流れを示します。

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最終的には、せん断力Fと曲げモーメントMの関係式が下記の通り導かれます。

$${F=\frac{dM}{dx}}$$

この式は今後も使うことになるので、ぜひ覚えてほしい関係式です。

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せん断力・曲げモーメントと外力

物体(部材)が静力学的なつり合い状態にあるとき、そのつり合いを保つように一部を取り出すと、その部分でも静力学的なつり合い状態を考えることができます。

材料力学_#18_01

例えば、上記の状況でAとDの区間で部材を切り出します。ここでは点Aの反力が唯一の外力であり、同反力とつり合うために点Aから距離xの点Dでせん断力Fが生じます。つまり、同反力がせん断力を生じるための外力になります。

点Aの反力と点Dのせん断力は互いに大きさが同じで方向が逆なので、偶力のモーメントを作ります。今度はこのモーメントとつり合うように、曲げモーメントMが生じます。つまり、同モーメントが曲げモーメントMを生じるための外力になります。

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おわりに

今回は曲げに対するせん断力とせん断応力について見ていきました。どうしても式展開が複雑であるため、全てを細部まで理解するのは難しいかと思います。数式の理解よりも、最終的なせん断応力と曲げ応力の関係を理解できれば良いです。

この関係式は今後重要なところで再登場するので、その時のために頭に入れておいて頂ければと思います。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。

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