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artect& 〜デザインとは何か〜

「良いデザインとは何か?」

普段、建築や空間を設計している中で常にまとわりついている問いです。
物事の答えが一つではないのと同じで終わりのない問いと言いますか、その場合その時点での総合判断からの答えを信じるしかないのですが、その総合判断の軸をつくっているのが経営理念や経営戦略になります。

修行時代に、建築家のアトリエ、組織設計事務所、ゼネコン、ハウスメーカー、地域工務店と一通りの会社形態で働いてきて会社規模や事業形態でこの総合判断の軸が変わるというのを経験できたのは今では私の大きな財産です。

建築家の個人アトリエが最たるものですが、規模が個人に近くなるほど経営理念や戦略も個人の人生哲学とイコールになり、会社規模が大きくなるほど抽象表現が多くなる。
それぞれの一長一短や、できるだけ良いとこ取りのカタチをNudge Worksという働き方をツクル会社で取り組んでいますが、ここでは「デザイン」に話の軸を絞って書き留めたいと思います。

よく思うのは、いわゆる理論的、美的感覚的に良いデザインと、人の心や気持ちにとって良いデザインは優先順位が違うという事です。
私の普段の仕事で言うと、前者が公共施設など不特定流動の人に対する良いデザイン。後者が住宅など特定固定の人に対する良いデザイン。と考えて設計しています。

例えば以下の写真。皆さんにとって良いデザインでしょうか?良くないデザインでしょうか?


デザインコンテストでは間違いなく選ばれないでしょうし、AIによるデザイン診断ではきっと赤点でしょう。しかし私はこういう暮らしのデザインの写真が送られてくると心底この仕事をやっていて良かったと思えます。
今までデザインの賞も色々頂けていますが、正直それらの賞よりもこういう一枚の写真やご家族の笑顔が1番嬉しい。笑
商売っ気が無いと言われればその通りですが、セミナー等でこういう発言をしますと多くの人に共感は頂けています。 
なので、私の個人名は確かに売れませんがビジネスとしてはむしろ成り立つと考えて日々色んな角度から設計とビジネスを試行錯誤しています。

まだ自分自身で検証中なのでなんとなくですが、こんな感じが今とこれからの時代へ貢献できる設計という職能のカタチではないかと考えています。

HP:http://artect-and.com/
note:https://note.com/artect

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