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美術館の絵の水平を超スピードでそろえるための道具があった👀✨展示作業現場に潜入☀古代エジプト時代から使われていたある道具の進化版がすごい!

美術館の作品って、大きな絵も小さな絵もピシ―っとキレイにそろっていますよね。プロたちの展示方法って実際どのようなものなのかしら?と素朴な疑問を持ったところ、ちょうど搬入作業中のとある美術館さんが現場を見せてくれるということで、潜入させていただきました☀

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果たして、特殊な道具や技術を使っていたりするのでしょうか?

菊池:「この緑色の光線を出している装置は、なんですか?」

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学芸員さん:「水平を正確にとれる装置です。これを使えば、どんなに広くて大きな壁でも、瞬時に水平をとることができます。要するに、かつて大工さんが使っていた、「墨壺」ですね」

菊池:「墨壺?墨や壺とこの線にどのような関係があるのですか??」

学芸員さん:「もともと壺の部分に墨を含んだ綿が入っている木製の道具なのです。壺の部分で墨を付けた糸をぴんと張ってからはじくと、材木上に直線を引くことができたのです。

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        墨壺

菊池:はじめて知りましたー!

学芸員さん:その進化版が、ここにある装置です。 レーザー光線で直線を表示するので、われわれは「レーザー墨壺」と呼んだりもします。

☆ そうこうするうちに、大型の3連作の水平合わせも始まりました。レーザーのスイッチを入れる瞬間も目撃。みるみるうちに絵の水平が揃っていきます。

☆ 完成

ピシっとキマッた大小の作品たち。

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完成した展覧会はたくさん見てるけど、こんな舞台裏は初めて!

美術展も、多くの知られざる知恵や道具のおかげで出来上がっているのですね。

【墨壺とは~墨壺からレーザー墨壺まで】※ウィキペディアより

木でできており、壺の部分には墨を含んだ綿が入っている。糸車に巻き取られている糸をぴんと張り、糸の先についたピン(カルコ)を材木に刺す。この状態から糸をはじくと、材木上に直線を引くことができる。建設途中の梁や柱など、材木の間が離れている所でも、この道具を使用することにより正確に直線を引くことができる。

同様の道具は古代エジプト時代から使われていたともいわれるが、墨壺と糸と糸車のすべてを一体化したのは古代中国だと考えられている。日本では、法隆寺に使われている最も古い木材に、墨壺を使って引いたと思われる墨線の跡があり、この時代から使われていたとされる。

日本に現存する最も古い墨壺は、正倉院に保管されているものとされる。
1990年代、レーザー光線により直線を材木上に表示する装置が販売されるようになったため、墨壺、墨指の利用は激減した。また、単に直線を引く用途に性能を絞った小型のプラスチック製墨壺も市販され、旧来の墨壺は建築現場から姿を消しつつある。

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