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暮らすように滞在して、心が動いた旅

瀬戸内ダイアログビレッジ体験記・まりあ編

瀬戸内ダイアログビレッジ
西瀬戸内海に浮かぶ倉橋島にあるゲストハウス。よく寝て、よく歩き、よく読んで…余白を楽しむ宿。旅人と、地域と、対話する宿。


 大学院一年の夏。行ったことがない場所で様々な人やものと出会いたい。そういう思いで申し込んだ瀬戸内ダイアログビレッジでのおてつたび。まだ見ぬ世界への期待と一抹の不安を抱え、私は瀬戸内ダイアログにたどり着きました。

 まず、始めに向かったのが、瀬戸内ライフ。瀬戸内ダイアログビレッジのリビングとなるお家です。

瀬戸内ライフ:「おばあちゃんの家」のイメージを具現化したような家

 入って左手にあるのが、日本地図。自分が来た場所にシールを貼ります。海外から来るお客さん用に地球儀もあります。結構、海外から来るお客さんもいるようです。
 入ってすぐ右手の本棚がにやっと図書館。本の中から「なんとなく惹かれた本」を2冊選びます。たくさんの本がある中で感性で本を選ぶって意外と難しい。迷ったすえに『美しいものを見に行くツアー一人参加』、『窓ぎわのトットちゃん』を選びました。

にやっと図書館の一部:感覚的なラベリングが楽しい

 本棚の奥は台所があり、お鍋が煮えていました。前日の鍋のリメイクしてカレーうどんを作るとのこと。カレーを入れる前に鍋を味見させてもらいました。近所のお酒屋さんにもらった酒粕を使った「天使の鍋」。コクがあっておいしい。私が来る前に流れていた時間を味見させてもらった気がしました。夜ご飯を食べた後はスタッフ全員でおしゃべりしたり、人狼ゲームをしたり、修学旅行の夜みたいに過ごしました。遊び終わった時にはすっかりこの場に馴染めた気がしました。

 2日目以降は暮らすように滞在しながらたくさんの人や物に触れました。初めての一人旅、初めての音戸、初めてのゲストハウスは新鮮な出来事の連続でした。でも毎日どこか懐かしいような、落ち着く日々でもありました。滞在をお気に入りの写真とともに振り返ります。

①音戸の街散歩

私が滞在したお宿「文豪の家」より上にあるプチ絶景スポット。この街には細い路地が迷路のように張り巡らされています。路地には警戒心が強い猫が、路地脇の水路にはカニが歩いています。

②朝4時半に起きて、海岸に朝日を見に行ったこと

明ける前の空は光の膜がかかったような柔らかい色合い。写真では夜が明ける前のエメラルドグリーンの空や明けはじめのピンク色の空の美しさが伝えられずもどかしい。

③瀬戸内ライフでの夜ご飯

スタッフと酒盛り:地酒の花鳩。濃厚フルーティで美味しかった。隣は宿の畑でとった紫蘇で作った紫蘇ジュース。後日、紫蘇ゼリーも作りました。
プチ縁日:一番お客さんが多い日の夜。焼きそば、焼きとうもろこし、かき氷、ベビーカステラなど 縁日メニューをお客さんもスタッフも一緒になって作って食べる。その後はみんなで花火。
漁師さんとスタッフがとって来てくれたタコと海鮮で海の幸三昧。どれもとても美味しい。漁師さんが素潜り漁の話をしてくれたのが印象的。

 その他にもきらりと光る写真がたくさん撮れました。ここでの生活に都会のような派手さや便利さはありません。けれど、海を見ながら歩き、みなで美味しいものを食べる。それだけで充分満たされました。

 写真には残せない体験もあります。それは出会った人々と話した体験です。日本各地(時には海外)からたまたま集まったお客さんとスタッフ、地域の方々、そして瀬戸内ダイアログビレッジを運営するあつよしさん。ここで出会った人々は趣味を追求する、夢を真剣に追いかける、日本や世界各地を旅するなどみなそれぞれのあり方で輝いていました。今まで出会ったことのない仕事や生き方をしている人も多く、人生の選択肢の豊かさ、自由度の高さを感じました。同時にそれぞれの人生にはそれぞれの苦労があることを知りました。
 色々な人と関わることは自分を見つめ直すことにもなります。まだ将来何がしたいか定かでない私は「私はどんな大人になっていきたいんだろう?」いう問いを突きつけられました。何か私にとっての生き方を見つけて、動きたい、そんな思いが湧きあがってきました。
 暮らすように滞在し、様々なものに触れる。人や物との出会いに心を揺さぶられる。心が揺さぶられたことで体を動かしたくなる。私にとって瀬戸内ダイアログビレッジはそんな場所でした。ここでのすべての出会いに感謝してます。またどこかで会えることを願って。

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