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クライアントに「間違い」をどう指摘すればよいか

中小企業のコンサル案件になってくると何とも言えないシビアな判断をしないといけないことがままあります。

それは
「御社の課題は従業員マインドではなく、経営者(あなた)の指導法です」という指摘をしないといけない時です。

プロジェクトを進める際にヒアリングをしてスコープを絞っていくのが通例ですが、最初の段階では依頼者(経営者)からしか話を聞けないので意図しないミスディレクションが起きてしまうことがあります。

コンサルタントにとって課題解決能力と課題発見能力は似て非なるために課題設定が間違っている場合は上記のよう状況では思い切った指摘が必須になってきます。しかし、実際にはこれがなかなかできない方が大半ではないでしょうか。

嫌われても言わなければならない時がある。

真面目にPJに向き合うたびに心は擦り減っていきます。そんな為のカロリー補給のまとめをしました。
それでは、本日もいきましょー💨

「間違ってるのはあんただよ」と言いづらい理由

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これは誰もがわかると思います。理由は「取引先」だからです。報酬を自分に支払ってくれる方だからです。

この方に面を向かってその人の間違いを指摘するのは結構根性のいることです。大企業であっても「この部長さんがボトルネックだなぁ」というのは何度か経験していますが、中小企業ではあらゆるシーンで采配権を握る経営者の場合、一旦ミスリードしたらとことん迷子になっていきます。罪は重いです。

コンサルサイドとしては当然報酬や自身の売上が気になります。今抱えているプロジェクトは契約書類上遂行できたとしても、新しい契約が獲得できる可能性を考えたら顧客(取引先)の気分を害することを言うのは憚れます。

しかし、課題設定を修正しなければコンサルとしてバリューを発揮することはできませんし、顧客はもちろん自分の将来の評判を下げることになってしまいます。その指摘こそが未来に繋がる投資であると信じて一歩を踏み出しましょう。👣 
愛と畏怖の念を込めて告げることが双方のプロフェッショナルになります。


言い出す時期はどうする?

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ハッキリと言うにしてもタイミングが重要です。早過ぎたら「いきなり何言うねん」となりますし、遅過ぎたら「今更言うなや!」となります😅

基準にすべきは2つではないでしょうか。それは、顧客との関係性物的証拠です。

関係性に関しては数回の面談でクリティカルな指導・指摘ができていればこれは問題なく築けるでしょう。オンライン面談が主流になりつつありますが、可能な限りは対面でのやりとりで信頼を勝ち取っていくことが私はいいと思っています。ナイーブな事情やちょっとした変化は対面でないと中々気づけないし話題にも出ないです。

物的証拠に関しては企業の中に存在するあらゆるデータを分析すれば出てきます。規模にはよりますが、1〜2ヶ月くらいかかるでしょうか。当然プロジェクトの見積もりに最初からいれていることが前提です。
統計学に基づいた指摘はあらゆる人を納得させることができる最強のエクスカリバーです。売上であろうが、人事であろうが、広告効果であろうが、基となるデータがあれば必ずその剣は錬金できるのです。ただし、基となるデータも入力されてない場合はあきらめるしかありません😂 財務諸表がないのに具体的な投資アドバイスができないと同じです。


言い方はどうする?

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私の場合ほとんどの顧客は自分より年上ですので、まずは年長者に対しての敬意をもち、経営者の精神的負担を理解した上で話し方に細心の注意を払っています。特に言い出しにくいことを言う時は前振りをしておきます。面談終わりにせよ、メールにせよ、「次回は少し心苦しいことを述べるかもしれませんが寛容な心でお願いします」といった感じです。ネガティブなことを告げる時はいきなり言ってはいけません。恋人の別れ話と同じです。望まれないサプライズはいらないのです。何かあるという心構えをつくっておかなければ許容できないケースもあります。

そして実際に告げる時はプロジェクトの経緯や整理を紹介していき、「現状の課題設定」においてどのポイントで問題があったのかを説明していきます。
そうするとごく自然な流れで「そもそもの課題設定がズレているのかもしれない」と話をもっていくことができます。そこからは物的証拠をガンガン出していって課題の本質がどこにあるのかを述べていきます。
コーチングの技術を一部つかうのも効果的ですが、「申し訳なさそうに、ストレートに指摘する」ということが一番重要です。


まとめ:もつべき思考法

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と言うわけで本日は「顧客に間違いをどう指摘すればいいか?」について考えてみました。コンサルあるあるですが、この問題は結構ないがしろにされている気がします。特に大手コンサルファームになればなるほど末端のコンサルタントにとっては目の前の売上が重要ですから。フリーランスやマイクロ法人のコンサルタントはその点裁量権が多いのが強みです。

顧客にはっきりと言えるための一番手っ取り早い方法は「売れっ子コンサルタント」になることです。
コンサルタントはよくも悪くも自身が稼働してなんぼです。逆にいえば稼ぎの限界値はある程度決まってます。間違いを指摘をされて、考えを改めるどころか逆上する顧客はとことんダメ。どこかで思考を叩き直すか、契約を速攻で打ち切るかしないとこちらが火傷を負います。

謙虚な姿勢で、どんな相手に物怖じせず、的確な戦略設計を。そんな仕事が大好きです😊

本日もありがとうございました。

KCC

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