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【プロトタイプ2021】迷路プロジェクト

経緯

12月23日に開いたアイデア出し会議にてわらしべ舎羽黒台工房が持参した作品の中にあったマジックのきれいな線で描かれた迷路。
様々な複雑な迷路を作り出す加藤晴彦さんの頭の中やその腕に皆で驚く中で「迷路を手持って遊べるサイズ3D化し、中でビー玉を転がしてて遊べるようにしてみてはどうか」というアイデアが出現しました。
evenにてオープン予定のツールライブラリーとコラボレートし、あわせて加藤さん念願の迷路キーホルダーも制作することに。

工程(迷路キーホルダー)

・既成の迷路キーホルダーを参考に迷路幅を検討。
・キーホルダーもとになる小さな迷路を描きおろし。

加藤晴彦さんからの力強いオーダーも添えられている
『HA』は晴彦の『HA』

・キーホルダーの迷路を3Dプリンターで試作。

3Dになると揺らぎが印象的だが、なにか物足りない

・写真を見ながら検討。作者からの底面一部に色を付けて欲しい希望。真っ白な迷路だと作者のマジック線のニュアンスがなくなってしまうので、縁に色をつけることは可能かを相談。
・チェーンの穴のサイズ、迷路を上からふさぐパーツの取り付け方法など細部を打合せ
・実作のイメージ、図面を提案、確認
・3Dプリンターで実作・縁や金具など細かい部分を調整する

未来的なデザインと手書き迷路の揺らぎがアンバランスで不思議な存在感

工程(手持ちで遊べる木製迷路)

・手で持って遊べる迷路候補の作品を複数点共有
・ビー玉を転がして遊ぶためには迷路の幅が25mm必要になるため、制作済みの作品だと全長7mmや2mmを超えてしまうことが発覚

迷路が緻密すぎて、ビー玉を通すには2m越えの大作になってしまう!

・シンプルな迷路を描いてもらうか悩んだ末、作者の緻密な迷路を再現するために、中で転がすパーツをビー玉からベアリングの金属球(7.9mm)に変更、迷路幅を13mmまで狭める。
・手で持って遊べるサイズかつ、13mm幅の迷路を作者がリアルサイズで描けるよう、支援員が13mm幅のグリッド線を四つ切りサイズの画用紙に鉛筆で引いて作者をサポート。描きおろしに成功。

晴彦さんらしい緻密さと実現可能なスケールの限界点

・事業所内の複合機で四つ切サイズ用紙のスキャニングが不可能と発覚、外部サービスを利用してスキャン、画像データ化して提出。
・CNCルーターで実作

新たに見えた課題・今後に向けて

慣れないslackを使ってのやり取りはコミュニケーションの齟齬が多く、制作してもらう個数や設計への関与、制作をどこまで行うか等の確認が両者間で出来ないままに制作が始まったことで、互いに混乱したり不安な思いを持ちながら制作する期間が出来てしまいました。
寸法やイメージなど画像と文章だけのコミュニケーションで作り上げるのは難しいプロダクトだったので、対面で、またはzoomなどのビデオ会議システムなどを取り入れて、コミュニケーションを上手くとりながら、本来すべき段取りをしっかり行った上で両者にとって不安の無い制作が進められるように今後はしていきたいです。
迷路の立体化に必要な寸法の割り出しが出来た事で、今後描きおろしで企業のロゴを迷路にするなど展開が作れるかもしれません。

参加者のコメント

わらしべ舎羽黒台工房 堀川:はじめてのデジタル工作機を使用した立体造形で試行錯誤を何度も繰り返しました。 迷路デザインを担当してくれたメンバーの加藤晴彦さんもいくつもの迷路作成に取り組んでいただきました。

加藤晴彦:なかなか良い迷路だ!

evenツールライブラリー 熊谷海斗:evenの工房の設備で出来るプロダクトの意見出しから迷路を製作することになり、私自身はこのようなプロジェクトにかかわったことがなかったので、どのような仕上がりになるか楽しみでした。今回の展示内容や出来上がったものを踏まえて、製品化もしくは次の製品の開発のヒントにしてほしいと思います。

わらしべ舎羽黒台工房 堀川夏季:はじめてのデジタル工作機を使用した立体造形で試行錯誤を何度も繰り返し、この報告展を迎えることができました。 迷路デザインを担当してくれたメンバーの加藤晴彦さんもいくつもの迷路作成に取り組んでいただきました。

参加者プロフィール

加藤晴彦
愛用しているのはマッキー極細ブラック。迷路をこよなく愛し、建物や人なども迷路の世界に融合させてしまう。休み時間にも持参したノートに線を走らせ続ける。描きあける複雑な迷路と対照的にファッションは無地一択。

わらしべ舎羽黒台工房
仙台市の障害者福祉施設。2022年からアートプロジェクト「ユニークアート」を展開。創作活動や表現活動を主軸としたアート活動を中心に、一人ひとりの個性とその創造性を発揮できるサポートや環境づくりをわらしべ舎羽黒台工房は目指しています。

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