言葉を採集しています
ある種の世界を感じるのに、独特の言葉の使い方からそれを垣間見ることがあります。
例えば香道では、香りは嗅ぐものではなく「聞く」ものというし、活版印刷では「活字を拾う」、校正の世界では誤植を見逃してしまうことを「落とす」などなど。
そのことについてよく知らないながらも、雰囲気が伝わってきて、きっと核心をついているのだろうなと想像がつきます。
なぜそんなことを思ったかというと、今こんなノートを使っているからなのです。
ほかに、切手など人工のものを集めるのは、採集とはいわず、収集というとの説明がついているものもありました。
この「採集」という言葉の意味をあたらめて知って、思わず唸ってしまいました。
この「採集ノート」は、
自然界のものとしての言葉を集める。人工的なものではなく。
こんな意味にもとれるものだったんですね。
ここからは私の勝手な解釈なのですが、本やテレビ、だれかの言葉にハッとして、メモしておきたくなるほどの言葉は、すでに発信者の意図を超えたもののような気がします。
もとの言葉に、受け手の経験や感情、記憶が重なってまさに“生きた”言葉になる。
それはやっぱり「採集する」ものだろうと。
言葉の採集を始めて1週間ほどになるのですが、パリパリの手触りがなんとも言えず心地いい三角紙にそっと言葉を納めながら、箱一杯になったときのことを想像してわくわくしています(笑)
集めているのは、普段ならマーカーで線をひいたり、目印になるようなチェックをいれてる文言たち。
この方法なら「あれはどこで出会った言葉だったったけ?」と探す手間も省けるわけです。
集めた言葉たちをランダムに並べて眺めれば、ひらめきとか気づきとかのインスピレーションをもらえそうだし、おみくじみたいにひくのも面白そう!
自分で採集した生きた言葉たちはきっと最強。
1歩も2歩も進んだ言葉とのおつきあいが楽しくなるノートです。
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