見出し画像

9月1日が辛い君へ〜不登校だった私から

子供のころの私にとって、9月1日は1年間で最も憂鬱な日でした。
夏休みが終わり、新学期が始まる日だからです。
始業式で先生の話を体育座りで聞いている間、「またここに戻ってきてしまった…。亅と、胸が重く苦しくなる感覚を今でも鮮明に覚えています。

私は中学生、高校生のとき、それぞれ学校に行けない、不登校だった時期がありました。
自分にとって当時の学校は、様々な理由で、安全な場所ではなかったからです。

当時は学校に行っても行かなくても、本当に辛い気持ちでいっぱいでした。
学校に行くと、耐えられない環境に自分を押し殺して身を置くことでボロボロになり、
学校に行かないと、自分の人生はお先真っ暗だという思い込みでボロボロになりました。

でも大丈夫、そのあと、ちゃんと大人になれました。
大学も卒業できました。
社会に出て活躍できました。
家庭も持てました。

安全ではない学校に無理やり通い続ける以外の選択肢をとれたことが、その時の自分の命、そしてその後の自分の人生を守ることに繋がったと思っています。

私が実際に取った選択肢の一部を、紹介させてください。


まず、出席日数が気になるなら、適応指導教室やフリースクールなどが利用できます。
私も中学生のとき、自治体が運営している適応指導教室に通っていました。
学校とは異なるのびのびとした環境で過ごせて、優しい心を持った友達や、見守ってくれる温かい職員さんとの出会いがありました。
教室に顔を出した日は出席日数として数えられるため、高校入試も問題なく受けられました。

学校に行かなくても勉強できる方法はたくさんあります。
通信教育講座や市販の教材、塾や家庭教師、NHK教育の番組、今ではYoutubeやアプリも役に立つかもしれません。
むしろ自分の得意不得意に合ったペースで進められる分、学校に行くより効率が良い側面もあります。

大学進学や就職のために高卒資格が欲しいなら、高等学校卒業程度認定試験を受けるという選択肢もあります。
高卒認定は、その年度内に16歳以上になる人であれば誰でも受験できる、高卒と同等の資格が得られる国家試験です。
高校で既に取った単位があれば、一部の教科の受験を免除することもできます。
高校卒業の時期を待たずに高卒資格をとってしまえば、海外の大学に飛び級で入学したり、日本の大学の入試対策に集中したりすることもできます。

毎日の通学が負担なら、通信制の学校という選択肢もあります。
今では、リモートで学校の授業を受けることは特別なことではなくなってきたと思います。
私が卒業した通信制の大学は社会人学生が多く在席していて、むしろ彼らとの交流によって、通学制では得られないような学びが多くありました。
通学時間がない分、アルバイトの時間も多く取ることができました。


学校に行かなくても身につけられるスキルや社会的な経験もたくさんあります。
学校にいかない日は家族の分の夕ご飯を作っていたら、料理の腕が上達しました。
学校に行かない分の時間で、ゲームや手芸など、一生物の趣味をいくつも見つけることができました。いつもそばにいてくれたペットの猫から、力を抜いてのんびり過ごすコツを教えてもらいました。
新幹線に乗って一人旅をしたり、自転車でちょっと遠くまで冒険してみたり、なんてこともしました。
こういった経験は大人になった今でも、学校で学んだこと以上に大切な支えになっています。

どうしても日本の環境が合わなければ、海外に行ってしまうのも1つの方法です。
日本の常識は世界の非常識、という言葉があるように、日本で当たり前だと思っていたことが海外では全然違う、なんてことがたくさんあります。
日本の学校や社会の環境が合わなくても、海外でのびのびと生活できる人たちもたくさんいます。

最後に、危険な場所から逃げることは、これからの人生を生きていくうえで、常に重要な選択肢となることを覚えてください。
学校で学べることはもちろんたくさんありますが、学校は絶対ではありません。
そして自分の命を危険にさらしてまで行かなくてはならない場所なんてありません。

自分の場合は、無理やり学校に通っていたころの体験がひとつのトラウマになり、PTSDという形で影響が残ってしまいました。
学校に無理に通い続けるよりも、学校からもっと早く逃げていたほうが、ひょっとすると自分の人生はより良いものになっていたのかもしれない、という後悔があります。

長い目で見て、学校に行くことにより得られるメリットより、自分にとってのデメリットが大きいのであれば、今の学校に無理やり通い続ける理由を探す方がむしろ難しいかもしれません。

こういった考え方は、職場や家庭、人間関係などについても同じです。
大人になってからも、自分にとって安全ではないと判断した環境や関係からは距離を置くことは、自分の人生を守るためにとても必要な判断です。
そして距離を置いてみると、当時の自分にとって絶対だと思っていた世界が、なんだかとても狭くてちっぽけなものに思えるようになる、ということもたくさんあります。

世界はとても広いです。
今いる学校はその中のほんのちっぽけな一部でしかありません。

何よりも大事な、今の自分と未来の自分を、堂々と、守ってあげてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?