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人とペット、見えざる手、滅びの愛

我々には認知出来ない高次元の存在が人類を飼っているとする。

彼らの間で飼育のノウハウが成熟してきたら、人間たちを清潔で安全で秩序ある場所で、責任と愛情を持って、出来るだけ長生きさせてあげられるように育てたいと思うようになるだろう。今の我々がペットに対してそう考えるのと同様に。

しかしそうなると、きっとむやみに繁殖させることは出来なくなる。

生存を脅かされない快適な都市空間では1匹あたりの飼育コストが跳ね上がるので、新たな生命の誕生は抑制される。
野良猫が生存競争に晒される中あちこちで増え、室内猫が生存を保証される中で末代になるように。ペットも人も同じである。
自分はここに先進国や都市部で顕著に出生数が下がる1つの力学を感じる。

2023年は日本の出生率が過去最低を更新し、1.20になった。
少子高齢化の問題は豊かになった国にほとんど例外なく訪れている。
まるで何者かの大いなる力、見えざる手が働いているかのようなこの現象。
神に差し伸べられた愛による滅びなのかもしれない?

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