2022年映画ベスト10

2022年は映画67本観ました。
その内のベスト10の発表です。

第1位 辻占恋慕

正直、最後まで順位に悩んだ作品です。
ざっくり言うと、音楽の夢を追いかける男女のお話で、そりゃあ共感しますよ。この映画の中に自分の姿を見出してしまってるんですから。
でも変な映画でもあります。カタルシスはあるような、いやないような、気持ち良く終わる映画ではないです。終わってからも、ずっと彼・彼女のことを反芻している自分がいます。観た次の日にも、もう一回この映画を観ました。
クライマックスでの彼の暴挙。可笑しみと悲しみが入り混じり、観客に対する暴言も「よくぞ言った」と共感すれど、褒められたもんじゃない。観ながら色んな感情を行ったり来たりするんですよね。
あと、一瞬挿入される彼女が感情を爆発させるシーン。何を言っているかは分からない。でも、彼女の顔が脳裏に焼き付いて離れない。ハッとさせられる。夢中な内は気付かないけど、一度でも夢から覚めてしまったら、、、私は怖いです。

これは誰の映画?…俺の映画?

…音楽の夢、追いかけていたなぁ。10年前の俺がこの映画を観たら、どんな感想を呟くんだろ?

多分、僕は心の奥ではまだ完全には諦めてはいないんだと思う。だから、この映画がずっと気になって仕方ない。

セリフに応酬に笑っちゃうんだけど、身につまされるセリフもたくさんあったな。2回目観ると、気付かされた。

すみません、抽象的な事しか言えてません。折に触れてまたこの映画を観ると思います。自分の深いところまで、この作品が刺さったままで抜けないのです。

第2位 ハケンアニメ!

これぞ吉岡里帆さんの代表作でしょう!彼女の真面目な一面が見事にハマった傑作。お仕事映画としてもグッときますね。私もクリエイターの端くれとして、誰かに届けと思って作品を生み出している訳ですから、非常に共感しました。
あと本作のクライマックスと劇中アニメのクライマックスが同期していくあの感じ、そりゃあ泣くさ。イイもの観させてもらいました。
この映画、ラストが2段構えになっていて、一つは彼女の涙からの動き出す瞬間でエンドロールに入るんですね。もうこれが最高にイイし、泣いたなぁ。映画の幕切れってこれがいいんですよ。
そしてエンドロール後の小洒落たシーン、あの人の意外な一面が?!こういうので終わるも悪くない。

第3位 恋は光

オープニングのショットでこれはもう傑作だと予感させる。そして、そのままダレる事なく最高のラストを迎える。完璧じゃないですかね。
役者陣が全員魅力的で、特に西野七瀬さんが本当に最高なんだ!
この映画、恋とはなんぞやを定義するお話なのですが、言葉だけでなく、画作りや表情で多彩な見せ方をしているんですね。
まぁ何はともあれ、ラストの彼女の表情を見れば、それが答えなんです。映画の終わり方はこれがイイんだよ!100億点。

第4位 THE FIRST SLAM DUNK

まずはもうオープニングがカッコいいんだ!私、映画で最終決戦に向かう時のアルマゲドン歩きにブチ上がる性癖を持っておりまして、今回それをド頭でやってくれるんです。今年観た映画の中で一番カッコイイ!!!
The Birthday「LOVE ROCKETS」の楽曲にあわせ増えてくメンバー、これはもうオープニングだけで5億点ですよ!
こんな感じで映像と音楽によるぶち上げ方が半端ない!
10-FEET「第ゼロ感」もここぞ!という時に鳴り響いて最高ですよ!
音への拘りも凄まじい!秒針の音とか、あとクライマックスでの無音の使い方ですよ。あれは劇場空間で観ないと意味がない。観客一同、固唾を飲んで見守る…最高の劇場体験!!!
映画って時間を操るマジックを見せてくれる場所だと思ってるんですが、井上雄彦先生は初監督ながら見事にモノにしてましたね。2022年の最高傑作です!

第5位 グリーンバレット

中盤までのゆるゆるな展開に油断していると、後半怒涛のギアチェンジ!
最終決戦に向かう彼女たちの勇姿がカッコいい!そして国岡登場からのタイトルバック、もうブチ上がりですよ!アクションも色んな見せ方あって楽しかったな。タッグ、チームでの戦法もあって飽きさせない。
またアイドル映画としても良かったですよ。映画終わってすぐ彼女達をフォローしたし、なんならそこで見るセクシーグラビアに驚天動地しファンになりましたよ。

第6位 バーバリアン

ホラー映画って、その時代が抱える恐怖を具現化したモノだと思うんです。
昨年の「ラストナイト・イン・ソーホー」も男性優位社会における女性の搾取を描いたものですが、今作も明確にフェミニズムが下敷きにあると思ってます。
銃に撃たれ血を流しながら逃げる女性に男が声をかける「もっと早く走れよ」これって生理中の女性に対する男性の暗喩ですよね。
他にも決定的なのが、この映画文字通りの“ガラスの天井”が出てくるんですよ!ガラスの天井を前に、主人公の女性はどう対峙するのか。1度目は男の力を借りて、2度目は自力でガラスの天井を突破します。ですが、ガラスの天井を越えてもなお酷い仕打ちが待っています。これが社会の現実です。
とまぁメタ的に語れる部分はありますが、シンプルにホラー映画として楽しかったです。当初の予測とは裏切ってくる場面転換に非常にワクワクしました。

第7位 LOVE LIFE

聖毒併せ持つ人間という生き物をまざまざと見せつける深田晃司監督作品。
登場人物誰一人とっても一面的には描かれていない。
後半の木村文乃さん演じる妙子のダンスシーン、素晴らしいですね。徐々に音に乗っていくあの感じに、色んな感情を汲み取りました。悲しさもあるけど、それでも人間は生きていくという力強さも感じる。それをバックショットで捉え続ける画作りにも痺れました。
そして、タイトルが出る瞬間ですよ。ここに私グッときました。

第8位スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

スパイダーマンシリーズを追いかけて来た者へのクリスマスプレゼントのような映画。特にアメスパ2の悲劇を知っていると、もう感涙もんよ。公開初日のIMAX、満席の劇場で観たのも最高の体験!アメスパのピーター・パーカーが出た瞬間の会場全体が声にならない声を上げたあの感じ。最高の劇場体験でした。

第9位 RRR

全編クライマックスは伊達じゃない!画がキマってんのよ!
アクションのリアリティラインが絶妙で、現実離れしてるがファンタジーにはならない。ずーっと興奮しっぱなし!
上映時間3時間が3分に感じる大傑作です!

第10位 MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない

月曜がやって来るあの感じをタイムループものに設定するというアイディアがいいですよね。
オープニングの画がリッチでこれは期待できそうと思ったら、まぁ面白い。笑ったなぁ。特にアルマゲドン歩きのところ、最高やん。好き。
笑えるだけでなく、チームが一つになっていく感じもいいし、最後は泣けたなぁ。うん、傑作でしょう!

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