東京は二度焼けた 2/3
前回の記事:東京はニ度焼けた①
警告!『君たちはどう生きるか』こう読めば100倍つまらない!!
(「君たちはどう生きるか」完全読解、記事リスト)
「君たち」の冒頭、「へんな経験」で・・・
作品の冒頭のこの部分は、あまり上手ではない描写だとは思うのですが・・・
お話の意図としては、
コペル君が、7階建てのデパートの屋上という、当時としては最高の展望スポットから地上を眺めやる、という非日常的な経験をしたことで、
それがきっかけとなって、コペル君は、日常から身を引き剥がし、それを俯瞰した視点から眺めることが出来るようになるきっかけとなった、
ということを吉野は描きたかったのだと思います。
私が何度もその重要性を指摘している、「星空は何を教えたか ―あるおじさんの話したこと」の中には、
コペル君の「変な経験」に相当するエピソードが描かれています。
「星空」における語り手の「おじさん」は、子供の頃にこの「何か不思議な感じ」、「妙な感じ」を経験し、以降、物事の見方がかわってゆくのですが、そのあたりの記述は以下のとおり。
これを読めば、「君たち」の「へんな経験」がどんな意味を持っているか、おおよそのところは把握できますね。
ところで、この令和4年の5月末に、国立国会図書館による
個人向けデジタル化資料送信サービス
が開始されました。
これにより、登録さえしてしまえば、誰でも数百万点の図書を画像データとして読むことが可能になりました。本当にすばらしい制度ですね。
吉野源三郎の著作も多数対象となっています。
そのなかの・・・・
吉野源三郎集、
「私たちはどう生きるか」
の巻頭には
「星空は何を教えたのか」
が載せられ、
そのあと20ページほど他の作品が続いたあとで、
「君たちはどう生きるか」
が収められています。
これも、「星空」の重要性を物語る証左であろうと思われます。
もし新たな版で「君たち」が出版されることがあったのなら、「星空」をも合わせて出版して頂きたいと強く願います。
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