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リスキリングで何のスキルを身につける?【未来人材ビジョン】

これまで何度か、IMDデジタル競争力ランキングをネタにして、日本の「詰んだ」状況について、考えを整理してみました。

1. 未来人材ビジョン

現在の立ち位置はわかったので、ぼちぼち未来のことを・・・とか言っている矢先に、経済産業省さんから「未来人材ビジョン」という、これまたいろんな話ができそうな、報告書が出てきました。

経済産業省「未来人材ビジョン」
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/mirai_jinzai/pdf/005_03_00.pdf

こちらの資料は、経済産業省さんが主導する「未来人材会議」というプロジェクトの中で作成された資料になります。

この会議がどんな会議かというと、次のような趣旨のもののようです。

デジタル化の加速度的な進展と、「脱炭素」の世界的な潮流は、これまでの 産業構造を抜本的に変革する
(中略)
かかる問題意識の下、2030 年、2050 年の未来を見据え、産学官が目指すべ き人材育成の大きな絵姿を示すとともに、採用・雇用から教育に至る幅広い 政策課題に関する検討を実施するため、「未来人材会議」を設置する。

第1回 未来人材会議

・・・要は、将来必要になる人材の要件を考える会議ということですね

そしてその中間レポートとして出てきたのが、上にも挙げた「未来人材ビジョン」になります。

これを読んだら、最近流行りのリスキリングで身に着けるべき能力のゴールが見えるのではないでしょうか?


2. 官公庁のレポートは重要

このような官公庁から出てくるレポートは・・・ほかのだれが作成したレポートよりも、今後社会に与える影響が強いと私は考えています。

似たようなケースとして、例えば伝説の「2025年の崖」レポートのことを思い出してみましょう。

これが出たのが2018年でしたが、現在に至るまでいろんなITの提案書で引用され、日本のITの行く末に少なからぬ影響を与えていますよね?

このレポートの作成に携わった経産省の中野剛志氏は、私の中では「TPPの人」というイメージだったのですが、レポート発行依頼はすっかり「2025年の人」というイメージに上書きされました。

特にこのレポート、リスキリング以外にも、日本型雇用モデルの終焉だとか、いろんなことが書かれており、「打ち上げ花火としては特大レベル」のものだと思います。

今後、このレポートで謳われていることが、DXとかリスキリング提案書の「背景」や「課題認識」のページでもたくさん使われていくことでしょう。

「長いものに巻かれるのは好かん」という人もいるかもしれませんが、投資格言にもあるように「Don't against government policy(国策には逆らうな)」です。

早速中身を見てみましょう。


3. 2050年の人材に求められる能力

「未来人材ビジョン」中間とりまとめ案の20ページ目に、2050年の人材に求められる能力の記載があります。

<再掲>https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/mirai_jinzai/pdf/005_03_00.pdf

これによると、2050年に需要が高い能力TOP5は「問題発見力」「的確な予測」「革新性」「的確な決定」「情報収集」になります。

左側にある2015年のスキルと比べると(そもそもフレームワークが違うみたいですが)、だいぶ様変わりしていることが分かりますね。
(2015年でもこうだったのかと逆に驚いたぐらいだが・・・)

未来人材ビジョン

6位の「客観視」まで含めてじっと見ながら考えている、これは

「BI(ビジネスインテリジェンス)」関連のスキル

・・・かなと私は思いました。

これらのスキルを兼ね備えた「未来の人材像」は下図のようなイメージです。

つまるところ、頭できっちり「現状分析」→「課題抽出」→「解決策提示」ができる人というのが、求められていると、私には読み取れました。

これ「まんまビジネスコンサルタント」ですね。


4. リスキリングスコープ

私はBI畑の人間なので、ポジショントークも含めて敢えて言うと、上に挙げたようなスキルを身に着けようと思ったら、DXのなかでも、特に「BI」関連のツール操作やナレッジをリスキリングするのが良いと思います。

「AI」じゃなくて、「BI」。

論理的思考力を磨いたり、問題解決力を身につけるのはもちろん重要なのですが、生きたデータで実践しながら学ぼうと思った場合、紙に書いたり、Excelでミリミリ分析するのでは、単純に「業務負担が大きい」からです。

ツールを使わないと、問題発見や解決策検討よりも「表」や「レポート」を作る方に時間がかかりすぎて、本来やるべきことにフォーカスができないと思います。

今の業務量をスリム化しつつ、効率的な「情報収集」から、「的確な予測」を行い、「発見した問題」に対する施策を「的確に決定」するのですから、そこはツールの力を借りてはどうですか?

・・・と思うのです。

具体的には、「Tableau(タブロー)」や「Power BI(パワービーアイ)」といったツール・製品が、「2050年のスキルの友」として寄与してくれます。

このあたりについて、今後のnoteの中でも書いていこうかなと思います。


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