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【NEON ACADEMY DAY6 レポート】前田陽一郎さんと学ぶ「信頼を結ぶクライアントワークの進め方と営業方法」

2024年2月7日、「日本をもっとネアカに」を信条に活動する制作会社NEON GREEN Inc.が提供する、クリエイティブディレクター養成講座 ・NEON ACADEMYが開校しました。

今回は、4月17日に行われた第6回の講義の様子をレポートします。

前回のレポートはこちら↓

アイスブレイクとして、まずは「これまで学んできたクリエイティブディレクターの仕事の中で、最も興味のある部分」をチャットで挙げることからスタート。

  • 企画をじっくりと練る

  • デザイントーンを考えて、ムードボードを作成する

  • 仕上がっていくプロセスを追いかける

  • クリエイター同士の化学反応を考えてアサインする

  • 最適な言葉を探してチームでブレストする

などなど、参加者はそれぞれ講座での実際の企画を通して、クリエイティブディレクターの楽しさを見つけられたようです。

今回お送りするレポートは、NEON ACADEMY・ベーシックコースの最終日。ゲストに前田陽一郎さんをお迎えし、今までの総まとめを行いました。これまでの単独トークとは異なり、最終講義は塾長・ALLYとのトークセッション形式で始まりました。



特別講師・前田陽一郎さんとのトークセッション

前田陽一郎 
クリエイティブディレクター/エディター

大学在学中からファッション誌のライターとして活動。以後ストリート誌の草分けともいえる『Boon』、ラグジュアリーマーケットの開拓誌『LEON』の最盛期を牽引する。独立後は企業オウンドメディア、地域ポータルサイトの立ち上げ、ファッションブランドの戦略コンサルティングなどに従事。

トークセッションの様子

前田さんは、出版社で大型メディアの編集長としてキャリアを積んだ後、現在は、企業のオウンドメディアやオリジナルコンテンツの制作ディレクションに携わられています。

ALLYさんとオープニングトークをする中で、ディレクターのポジションは、「アーティストのように自己表現する立場ではない」ことが改めて強調されていました。

クライアントからの依頼を受けて、その目的を達成するためにプロジェクトを管理し、成果を出すことが求められる役割です。発注者のリスクを最小限に抑え、プロジェクトの根幹にある目的を形にすることが大切だと話していました。

また、メディアの原義である「媒介者」としての役割もあります。情報や意図を言語化し、様々な人に適切にアプローチできるように努めます。この過程で、創造的な解決策を提供しつつ、プロジェクトの成功を導くことが期待されているのです。

このように、アーティスティックな自己表現ではなく、クライアントの目的達成に貢献することがクリエイティブディレクターの大きな役割であると話されていました。

言語化とは「曖昧さの連鎖を断ち切ること」

クリエイティブディレクターとしての仕事において、「言語化」は最も重要なパートです。言語化は、プロジェクトの目的や手段、目標を明確にし、チーム全体で共有するためのプロセスで、曖昧な概念を具体的なアクションプランへと変換するための重要なステップです。

前田さんは「どこが曖昧になっているのかを探す作業が“言語化”だ」と説明されていました。

言語化のプロセスには多くの時間がかかることがあり、前田さん自身、ウェブサイトや他のメディアを作成する時には、このプロセスに半年を費やすこともあると語っていました。この時間は、プロジェクトのビジョン、ミッション、バリューを明確にし、すべてのステークホルダーが同じ目標に向かって進むために必要なことです。

ここで早速、受講生から質問がありました。

さわーさんからの質問:「定量的でない言語の中で、曖昧ではない状態とはどのような状態のことを指すのでしょうか?」

前田さんの回答:「目的がとにかく明確になっていることだと思います。目的をしっかりと言語化し、各プロセスにおける本質探しを続けることが必要です。困った時に目的に立ち返り、全体のプロセスが線として繋がっている状態を目指すことが重要だと思っています。」

適切な目的・結果・評価とは?

クリエイティブディレクターが進めるプロジェクト管理において、

  • 目的の明確化

  • 適切な評価基準の設定

  • 具体的な結果の測定

上記が案件を成功に導く鍵となります。しかし、いずれかが不明瞭なままだと目標達成できず、プロジェクト自体が失敗に終わるリスクも…。

次のトークでは、前田さんの過去のお仕事エピソードから、これらの要素を適切に管理することの重要性を学びました。

前田さんは、プロジェクトの目的が明確でないことや、評価基準が不適切であることが、多くの失敗の原因であると指摘。とあるプロジェクトでの失敗例を共有し、目的と結果の不一致がどのようにプロジェクトに影響を与えたかを説明してくださいました。

受講生からの質問を取り入れながら、話が展開していきました

個人のクリエイティブディレクターとして、どのように活動するのか?

クリエイティブディレクターは、多様なプロジェクトにおいて中核的な役割を果たす職業。「今後どのようにして案件に加わり、プロジェクトを推進し、クライアントとの関係を構築していけばいいのか」というテーマのトークが続きました。

受講生の多くは、既にフリーランスや会社でクリエイティブ関連の仕事を経験しているため、スクールを卒業した後は、ここで学んだディレクションスキルを現在の仕事に+αして、活動の幅を広げたいと考えています。

「クリエイティブディレクターにどうしたらなれるのだろう?」と疑問に思う受講生たちに、具体的な営業方法の一例を紹介する場面もありました。

また、これまで多くの案件を成功に導き、時には失敗も経験した2人から、プロジェクトを成功に導くためのチーム内での立ち回り方についても、さまざまなエピソードを用いた話が続きました。

エンディングトークは、受講生への激励の言葉

最後に、前田さんから参加者へ向けて、メッセージをいただきました。

終始穏やかにトークが続く、最終講義でした

前田さん「皆さんがこれから向き合っていく仕事は、常に曖昧さの中にあるんですよね。様々なプロジェクトを進めながら、その“曖昧な連鎖”を言語という形でしっかりと断ち切り、立ち向かっていくことが必要だと思います。

曖昧なものを言語化していく仕事は、まだまだ生成AIにも成し得ない部分だと思っていて。私たちは、クライアントの利益を常に優先していくために、その役割をになっているという風に誇りに思えると、やりがいが途切れない仕事なのかなと思います。皆さんのような未来のディレクターを応援しています。」


今回はベーシックコースの最後の講義ということで、塾長のALLYからも総括のメッセージがありました。

「クリエイティブ業界は華やかに見えますが、案件の内容・チーム構成・お客さんの規模やカラー・予算などによって、ディレクションする際のポイントは全く異なり、地道な作業も多いですし、思い通りにならないこともたくさん起きます。

目的やコンセプトが立っても、チームビルディングがうまくいかないなど、混乱期も訪れると思います。

学んですぐに習得しきれないこともあると思いますが、スクールで得た武器を使うチャンスが目の前に訪れた時に、少しずつ試して身につけていってもらえると幸いです。皆さんがネアカなディレクターとして、楽しく制作現場で活躍できることを願い、これからも応援しています!」

最終講義も、ネオンアカデミーで流行中の「ネアカポーズ」で写真撮影を行って、締めくくりました。

NEON ACADEMYのベーシックコースはこちらのレポートで終了です!
次回は、アドバンスコースのレポートをお送りします。お楽しみに。

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