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【共同親権法案】衆議院での主な答弁③ (寺田学議員まとめより)

「離婚後共同親権」導入を柱とした民法改正案が、4月16日、衆議院本会議で可決されました。
可決とはなったものの、衆議院法務委員会の審議の過程では、立憲民主党と共産党が繰り返し法案への疑義について質し、多くの重要な答弁を得ています。主な答弁について、寺田学議員(立憲)が投稿していますので、こちらのnoteに転載させていただきます。

衆議院での主な答弁①
●共同親権と単独親権のどちらが原則か
●単独親権の判断

衆議院での主な答弁②
●「おそれ」
●変更の申し立て判断
●養育費支払実績の評価
●急迫の事情

衆議院での主な答弁③
●監護及び教育に関する日常の行為(単独行使)
●相手方保護
●濫訴
●フレンドリーペアレントルール
●子の意見
●親権と親子交流




●監護及び教育に関する日常の行為(単独行使)

その日の子の食事といった身の回りの世話や、子の習い事の選択、子の心身に重大な影響を与えないような治療やワクチン接種、高校生が放課後にアルバイトをするような場合などがこれに該当すると考えられます。(4/2局長・枝野)

医療機関との間の医療契約の締結につきましては、子の身の回りの事項として、身上監護に当たるものと解されます。(4/2局長・枝野)

子供が日常的に使用する薬で、その心身に重大な影響を与えないようなものの選択については、監護又は教育に関する日常の行為に当たり、同居親が単独で決定することができる。(4/2大臣・本村)

通常のワクチン接種であれば、監護又は教育に関する日常の行為として単独で行うことができると考えております。(4/5局長・寺田)

未成年者に係る届出につきましては、転入転出などの事実や、現に届出を行っている者の代理権等を確認し、転入転出等の処理を行っておりまして、共同親権者である父母双方の同意は求めておりません。
今回の民法改正後における転入転出等の届出につきましても、現行の共同親権である婚姻中における取扱いと同様と考えておりまして、基本的には現行の事務の取扱いを変更することは想定していない。(4/9総務審議官・道下)

●相手方保護

現行民法の第825条によりまして、父母が共同して親権を行う場合において、その一方が共同の名義で子に代わって法律行為等をしたときは、取引の相手方が悪意でない限り、その行為が他の親権者の意思に反したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。(4/2局長・枝野)

●人格尊重義務・協力義務
暴力、暴言、濫訴等は、この義務違反と評価される場合があると考えております。(4/2大臣・道下)

DVや虐待等はこれらの義務違反と評価され得ると考えております。(4/2大臣・本村)

離婚後の父母双方が親権者となった場合におきましても、別居の親権者が同居親による養育に対して嫌がらせのような不当な干渉をすることを許容するものではございません。(4/5局長・おおつき)

●濫訴

自己の主張が事実的、法律的根拠を欠くものであることを知りながら、あえて訴えを提起した場合など、訴えの提起が裁判制度の趣旨、目的に照らして著しく相当性を欠くときは、例外的に訴えの提起が不法行為に該当し得る。(4/2局長・道下)

●フレンドリーペアレントルール

フレンドリーペアレントルールは、これは様々な意味で用いられているため、一義的にお答えすることは困難でありますけれども、御指摘の規定、これは、子の養育に当たっては、父母が互いに人格を尊重し、協力して行うことが子の利益の観点から望ましいと考えられることから、父母相互の人格尊重義務や協力義務を定めたものであり、DVや虐待の主張をちゅうちょさせるものではないと認識しております。(4/2大臣・道下)

父母の一方が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるとき、とは父母と子との関係に着目したものでありまして、父母相互間の関係を直接規定するものではありません。(4/9局長・寺田)

●子の意見

家庭裁判所が離婚後の親権者の指定又は変更の裁判をするに当たり、父母と子との関係その他一切の事情を考慮しなければならないこととしております。これは、子が意見を表明した場合には、その意見を適切な形で考慮することを含むものであります。(4/2局長・大口)

子供の人格の尊重の中には、子の意見、意向を適切な形で考慮する、尊重する、そういう意味は間違いなく含まれています。(4/5大臣・山井)

例えば親権者を変更するような手続の場合、子供の人格尊重権というのがありますので、子供がこちらの親を親権者にしたいという強い声があれば当然それは聞き入れられることになるというふうな形で、この趣旨がしっかりと生かされていけば、多くの子供の意見を徴することが可能になると思います。(4/9大臣・本村)

●親権と親子交流

母の離婚後の子と別居親との親子交流は、親権の行使として行われるものではなく、別居親の親権の有無の問題と親子交流の頻度や方法をどのように定めるかといった問題は別の問題として捉える必要がございます。(4/2局長・大口)

離婚後の親権者、これをどのように定めるかという問題と親子交流の頻度や方法をどのように定めるかという問題は、別のものとして基本的には捉える必要があると思います。(4/9大臣・道下)


その他の論点は、こちらからご覧ください。

衆議院での主な答弁①
●共同親権と単独親権のどちらが原則か
●単独親権の判断

衆議院での主な答弁②
●「おそれ」
●変更の申し立て判断
●養育費支払実績の評価
●急迫の事情

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