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『AI時代に「自分の才能を伸ばす」ということ』の鍵は個性

「肋骨・ろっこつ」のことを、ずっと「助骨・じょこつ」だと思っていた私ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

なぜその間違いに気付いたかと言うと、猛烈な痛みに襲われているからです。どうやら骨折しやすい部分らしく、安静にしていたら治るとのこと。
ストレッチ大好き人間としては伸ばせないのは辛い。ストレッチ不足によって体調が悪化しそうですが、この痛みから解放させるために、我慢することにします。

さて、昨日に続き、非常に読みやすい一冊をレビューしたいと思います。

『AI時代に「自分の才能を伸ばす」ということ』大黒達也著
それはつまり、個性を生かすということ
だと要約させていただきたい。

よくユニバーサルデザインとかいうけれど、平均的な人間に合わせてデザインすることでデメリットを生じさせることもある。

ちょうど昨日のブログで、世の中が9割を占める右利きの人に使い易いようにデザインされているから、1割の左利きたちは不便を被っている、と書いたのが記憶に新しい。
(でも、その不便のおかげで左利きは「すごさ」を手に入れることができているので、メリットが上回るのかもしれない?)

この本で例に挙げられているのは、アメリカ空軍のコックピット。
(『トップガン』は海軍ですが、あの操縦席を思い浮かべながら、)ある時、空軍の事故があまりにも多かったそうで、原因を究明することに。
どうやらパイロットの技術の問題ではなさそうだ、ということでコックピットに注目。

それは平均的な人に使いやすいようにデザインされているため、その平均に当てはまらないパイロットがどの程度いるか調べてみると、驚愕の事情が判明。

なんと、「平均的な人」がゼロだったそう!
つまり、逆にみんなにとって使いにくいデザインとなっていたわけ。

そこで個々に合わせた設計に変更したところ、事故は激減。
「本来平均的な人間なんてものは存在せず」ということの好例。

「いわば「平均」にすると言う事は、一人ひとりに備わっている「個性を排除」することそのものといえます」(p.185)

著者が言うように、
「最も大事なのは、多様な個性を認める社会と、それをどこで生かすかを自分の頭で考えるということではないでしょうか」(p.187)

自分がラッキーになれる場所に行く、とは投資家の広瀬隆雄さんがしばしば言うこと。
まさにその通りよね。

BTSの活動休止も、むしろしっくりくる。
メンバー7人が強調していた、共通点よりも相違点の方が多いという点。
その個々の個性を、グループとして活動する上で慣らしてしまっていた、それ以上に、多忙すぎて個性を延ばす機会が喪失していた。だから、個別に活動することにした。
ナイス。

既に、各々の才能は私のような俄かファンでも分かるほどに、にじみ出ていると思うけど、これからさらに、温存したクリエイティビティが7人分も世界に放たれるということだから、世界にとってはプラスでしかない。
個性が発揮できる時代。それが未来。

少し熱く書いてしまったけれど、本書の冒頭に戻ると、人間の強みたる創造性が生まれるプロセスについて説明されれいる。
けれど、上手くまとめることができないので、取り急ぎキーワードだけメモ。

説明の1つに「ワラスの4段階」という法則?があるらしい。
準備期・あたため期・ひらめき期・検証期
準備期は知識のインプット、あたため期はお散歩、そして、ひらめき、検証する。
偉人たちの日々のルーティンにお散歩があったことを紹介したのを思い出し、やはり理にかなった習慣だったのだなと改めて。

「手続き記憶」と「エピソード記憶」の記述もあり、これも脳科学の本で知ったばかりの情報だったので、再会した気分。
(また、お引越し記事として投稿します。)

また、創造性の肝となるのが「ゆらぎ」
確実な要素と不確実な要素の間で揺れ動く。脳内での相反する動き。
「拡散的思考」でアイデアをたくさん出し、「収束的思考」で絞り込むのもテクニックの1つ。これはブレインストーミングの方法。

最後に「機能的固着」は知識が増え、頭が固くなった状態。
こうはならないように気を付けたい、と自分を戒めたところで今日はこの辺で。

ごきげんよう。

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