ノンセクだって恋がしたい!【番外編】パートナーから見たノンセク
このシリーズでは、私が「ノンセクシャル」(以下、ノンセク)という言葉と出会い自認をしてから、マッチングアプリでパートナー(彼)と出会ったお話を綴ってきましたが、今回は初めてノンセクという言葉と当事者に出会った彼視点をインタビュー形式で投稿しようと思います。
ちなみにシリーズ最終話でも少し触れましたが、彼はデミロマンティック・デミセクシャル(深い信頼関係がある場合のみ、恋愛感情や性的欲求を抱く)気味ではあるものの、いわゆるマジョリティである異性愛者/ヘテロロマンティック・ヘテロセクシャルです。もしも私と同じくマイノリティ界隈の方々で、マジョリティ側の意見やお話が苦手な方は、そっと閉じていただくことをお勧めいたします。
それでは、質問していきましょう!
―まずは簡単に自己紹介をお願いします。
ありさんのパートナーのあざらしさんと申します。心も体も男性の異性愛者で、ありさんとはマッチングアプリを通して出会いました。
―マッチングアプリを始めたきっかけを教えてください。
当時、コロナが流行し始め自粛ムードもあったため、一人で考え事をする時間が多くなりました。そのうちに、お互いを支えていけるような恋人が欲しいと考えるようになりました。実は前回お付き合いしていた相手に盛大に裏切られてしまい、恋人を作ることや人を信頼することに対して不安があり、以来積極的に行動してきませんでした。そのため、1人で生きていく事も選択肢の1つではあると思いながらも、しかしそれは自分にとって寂しいことだとも思うようになっていました。ふと、友人が以前マッチングアプリを利用していた話を思い出し、昔より気軽に利用できるサービスなのかなと登録してみることにしました。
―マッチングアプリを利用してみてどうでしたか?
当時利用したマッチングアプリでは、自分の住んでいる場所や年齢などでおすすめの人を自動的に表示してくれる機能があり、そうした機能を活用して数人とやり取りをしていましたが、こちらが話題を提供し何を聞いても「うん」、「はい」、「そうです」といったようなクローズドな回答で、話を広げようという意志が感じられない方が多かったです。(女性は相手にしている男性の数が多いため仕方ないのかもしれません。) AIのチャットボットとお話しているような気分になってしまったため、時間がもったいないし、アプリはもう辞めようかなとも思っていました。
―そんな時に私がふと現れたと…(笑)
そうです、そんな時にありさんがおすすめに出てきました(笑) 僕自身、相手のことを知るためにプロフィール欄は必ずしっかりと読み込んでいました。プロフィールの文章だけでもある程度、性格や人柄が推測できると思います。(何も設定していない方やテンプレのままの人も多かったです。) ありさんは、一生懸命何かに取り組んでいる真面目で良い人だろうという事がプロフィールでなんとなく伝わってきました。そして、初めて「ノンセク」という見慣れないワードが出てきました。
―プロフィール上に「ノンセク」という知らないワードがあったのにもかかわらず、私に連絡をくれたのはなぜ?
まず、ノンセクというワード以外の所でありさんの人柄に興味を持ったからです。なので、ノンセクという言葉があったから連絡を躊躇するということはありませんでした。また、次の質問と被るかもしれませんが、実際にノンセクを調べてみて自身の考える恋愛にとって大きな問題がないと判断したためです。認識の違いがあるかもしれないので、それは後々聞いてみたいとは思っていました。
―「ノンセク」という言葉に出会った印象はどうでしたか?
ありさんのプロフィールにも「恋愛感情はあるが性欲がない」といった内容で簡潔にノンセクについて説明が書かれおり、そういったセクシャリティに関する言葉があるという事を初めて知りました。この時、自分でもノンセクについてインターネットでいくつか記事を読んでみました。調べていく中で、『自分が小学生や中学生の時に体験していたようなプラトニックな恋愛に近いのかな。』というような印象を受けていました。そして、性的な事がないと成り立たないのが恋愛なのだろうか?と自分に問いかけました。いや、そうではないだろうと、ノンセクも性格や個性のようなもので、自分が欲しい恋人は本当に自分のことをしっかり見てくれて、ダメなときはダメだとお互い叱りあったり、落ち込んでいるときは励ましあったり、一緒に成長していけるような人であって、性的な事が必ずしも必要ではないと思ったのでした。
―私に『デミロマ・デミセクっぽいよね』と言われた時はどう思いましたか?
確かに、そういった側面があるかもしれないと思い当たる節がありました。しかし、ノンセクという言葉と同様に、デミロマ・デミセクという言葉を知らなかったので、そういう人が他にもいるのだなと少し安心した気もします。
―実際にノンセクの私と交際してみてどうですか?
結論から言うと、毎日楽しく過ごしています。もちろん、お互いの許せる範囲、許せない範囲というものはやはり存在しています。悲しくなることや納得できないことは無いといえば嘘になると思います。ただ、その時に理解できなくても理解したいという気持ちがお互い伝わるから、通じ合えていると感じられたりもします。おそらく、これはノンセクだからとかではなくもっと本質的なところで、人としてありさんが好きなのだと思います。だから、ありさんがノンセクだろうがノンセクでなかろうが交際できて良かったと思っています。
以上、彼へのインタビューでした!
このシリーズは番外編含め、これにて終了させていただきます。私は性的なこと抜きならば恋愛を楽しみたいタイプであったために、このようなタイトルで書き続けましたが、もし同じようにノンセクだけど恋愛出来るのか…と悩んでいる方にはヒントになれたら、ノンセクのパートナーがいる方には少しでも参考にしていただけたら嬉しいですし、そうでない方にも一種の作品だと思って楽しんでいただけていたら幸いです。
今後はセクマイの内容を中心に、日常で感じたことを不定期に更新しようと思っているので、また見ていただけると嬉しいです!
ありさん
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