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基本の養蜂作業|とれたて生蜂蜜の誘惑

我が家で養蜂が始まったのは10年くらい前。確か、私が大学生の頃でした。

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実家に帰ると、庭で可愛いたくさんの蜜蜂たちが花にとまって一生懸命蜜を集めていて、何事かと思ったら両親が念願の養蜂を始めたということらしい。

それ以来、私のお手伝い項目にも「養蜂」が加わり、父亡き後は弟が養蜂管理者の位を継いで弟主導で家族みんなで大切に蜜蜂たちを育てています。

さて、養蜂作業から蜂蜜収穫までの様子を動画にしてみました。なかなか珍しい動画なのではないでしょうか!と自負します。
蜂の音もブンブン入っています。再生しながらnoteを読むと養蜂作業してる気分になれます。弟の女王蜂のDNDの話講は必聴。2:06あたりです。

養蜂作業は一見すると難しそうですが、とても楽しい。そもそも、蜜蜂がとても可愛い!本当に可愛い!!虫はもともと苦手ではないし、結構好きな方なのだけれど、蜜蜂ほど可愛い虫っているのかな?と思う。可愛い生き物のお世話は、癒されるし楽しい。

養蜂作業中は、蜜蜂のブンブンとした音に包まれて、なんだか心が穏やかになる。作業に集中できて心が無になる。これって瞑想と同じ効果があるのかも。

養蜂のマストアイテムは防護服。
養蜂作業は、すなわち蜂にとっては突然家を荒らされることになるので、びっくりした彼らが襲ってくることがあります。人間を守ため、刺されるのを防ぐための防護服。
でも、実は蜜蜂は針を刺したら死んでしまいます。
自分の命をかけて刺してくるのです。そんな可哀想な死を増やさないため、蜂があまり攻撃してこない白色をまとう蜂たちを守るための防護服でもあります。

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そこはかとなく巫女感が漂う…

これが養蜂箱。この中に蜂が住んでいて、巣を作っています。

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防護服のデザインが近未来っぽい。庭に降り立った宇宙人のような風貌です。

開けるときに、蓋をトントンと叩くのは、「これから開けるからね〜」のごご挨拶。

マナーが住んだら、蓋を開けますが蜜蝋でくっついているので金属のヘラで押し上げながら開けていきます。

それぞれの養蜂箱に蜂たち1家族が住んでいます。
我が家の養蜂箱は2つあるのですが、どちらも2階建になっているので子沢山が2家族も住んでいることになります。家族で一番偉いのが女王蜂です。みんなのお母さんなイメージ。

これはちょっとした豆知識ですが、外でブンブン飛び回っていて蜜を集め、子育てする働き蜂はメスで、対して働いてない後尾のためだけの存在がオスです。オスはあまり大切でないので、私たち人間からの扱いもぞんざいになります。

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この、棒状の黄色い板のようなものは、蜜蝋とチモールという成分が入ったエッセンシャルオイルを混ぜて作ったダニ避けのためのもの。
我が家の養蜂は薬剤を一切使用しない昔ながらの方法で管理しているので、ダニ避けも手作りです。

中には木でできた四角い巣枠が入っていて、その枠を使って蜂たちは暮らしています。ちゃんと蜂たちが育っているか、蜜がとれているかをチェックします。

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巣枠には2種類あります。子育て用の枠と、食料用の枠です。
子育て用の枠には、蜂の赤ちゃん、つまり幼虫がたくさん暮らしています。一方食料用の枠には、私たちのお目当てである蜂蜜がたっぷりと貯蓄されています。蜜枠とも言います。

蜂蜜は蜂蜜がたくさん入っていると、とても重い!我が家の猫クロエちゃんくらいの重さがあります。

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これは蜜枠だったので、蜂をブラシでほろって、別の箱に用意、あとで蜂蜜を取り出します。

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枠の外側にまで巣がはみ出してることがあります。これが蜜蝋です。

邪魔なのでこれもヘラでとってしまいます。蜂的には、家を快適にするためにDIYで増築してるのでしょうから、壊されたら嫌なんだろうなあ。ごめんね、蜂さん。人間の都合ですまないね。

2階の巣枠を全部見終わったら、次は1階です。上にこびりついてる蜜蝋をヘラでこそげ落とします。

蜂たちがくっついているので、潰さないように「ごめんね〜!とるよ〜!」と言いながら作業すると、みんなわりかし退けてくれます。うちの子は賢い。

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全ての枠をチェックして、ダニや病気がないか、蜜がちゃんととれているかを確認します。ついでに、女王蜂も探します。

女王蜂が元気なら、安心。弱っていたら心配。毛布を蓋の中にしいてあげて暖かくしてあげたりと、ケアします。人間と同じで、具合が悪そうならとりあえず毛布というわけです。

残りの養蜂箱もしっかりとチェック。女王蜂も発見して一安心!


ちなみに、これが子育て用の巣枠。

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子育て枠と蜜枠、よく見ると違います。
蜜枠は、蜂蜜がこぼれないように薄い結晶のような半透明の幕が蓋のように巣枠にかぶさっています。一方子育て用の枠は、薄い蓋だと幼虫が転がり落ちてしまうので、こっちにはにかなり厚い蓋が被されています。

今回の作業では、蜂蜜をとれそうな蜜枠は全部で2つ。
蜂蜜は、蜂たちのご飯でもあるので、取りすぎないようにするのが大切です。

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蜂を蓋で潰さないように気をつけて片付けをしたら、次はお待ちかねの蜂蜜収穫作業!これを採蜜と言います。


採蜜は、この青いドラム缶を使って行います。この青いドラム缶は、採蜜用の遠心分離機です。

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赤いレバー部分を回すと中に設置した巣枠がグルグル回って蜂蜜が飛び出し底にたまり、ドラム缶の下にある蛇口から蜂蜜をトローンと流れ出てきます。

蜜枠には、蜂蜜がこぼれ落ちないように薄い蓋がついているので、遠心分離機の中にセッティングする前に、まずはそれをナイフでこそげ落とさなければなりません。

(※さっきの子育て枠の写真と見比べると全然違うでしょ??)

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下から出てきた濃い黄色いのが蜂蜜です!

私はこれを指で舐めるのが大好き!!美味しい!!!
作業中だけ食べちゃう。とれたて蜂蜜の誘惑には抗えません。

食べすぎると家族に怒られるので、程々に。

綺麗にこそげ落としたら、ドラム缶の中に設置。

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蓋をして、赤いレバーをガンガンまわします!!

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まわす!!!!

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まわす時間は結構適当です。疲れたらやめます。
楽しくやるのが一番なので、人間も無理は禁物です。

中に入れてる巣枠の向きを入れ替えて、さらにまわします。

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そういえば昔、母が子育て枠と蜜枠を間違ったことがありました。
採密しようと、遠心分離機にかけてしまい、中に入っていた幼虫が全員飛び出し死んでしまう…新生児大量殺戮事件が起きたことがありました。可哀想な赤ちゃんたち。輪廻転生を信じて、またうちの蜂としてどうか生まれてきてくれますように。

裏表両方を遠心分離機でまわしたら、作業も大詰め。

下の方にある蛇口の蓋を緩め開けて、瓶に流し入れます。

蜂蜜が流れてくる様子は、毎回やっているのにいつも感動します。

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たまに蜜蝋の塊が出てくるので、瓶に入らないように茶こしを使います。

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夏の終わりの蜂蜜は、ちょっと色が濃いめ。

季節によって蜂が蜜をとる植物が変わるから、蜂蜜の色も常に違います。今時期は、ミントやタイムの蜂蜜かな。

巣枠は養蜂箱に戻します。蜂蜜が残っていても、蜂たちのご飯になるので心配いりません。

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とれて0秒で生蜂蜜を食べられる贅沢を我がものとしているのは、私のちょっとした贅沢。
香りがす〜っと抜けて、甘みもすっきり。とても美味しい!

1匹の蜜蜂が一生の間にとってこれる蜂蜜の量はティースプーン一杯くらいと言われています。人間の一口でなくなってしまう。そんなことを思いながら、今日も私は生蜂蜜を食べます。

ちなみに。市販の蜂蜜は、殺菌消毒のため加熱されており、悲しいことに、実は酵素や栄養がほぼ死んでいます。
蜂蜜は非加熱のものを食べるのが一番体によくて、味も香りが強くて美味しいのです。あ、でも、1歳未満のお子様は食べないでくださいね。稀にボツリヌス菌という毒が入っていることがあるからです。大人は大丈夫なんだけれど、赤ちゃんにはとてもよくないものです。

蜜蜂を育てるようになってから、庭のベリー類の実りがよくなり、野菜もよく育つようになりました。ハーブなんか、放っておいても勝手に生えてきます。
畑の収穫量が増えたので、我が家の食卓も豊かになりました。やっぱり、蜂は人間の暮らしにとても大切です。

最後のこちらの画像は、家を荒らされびっくりして入り口に避難してきた蜜蜂たち。

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焦っていて可愛い。みんな、今日も美味しい蜂蜜をありがとう。

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