個展【序奏】御礼、そして2024年へ
個展【序奏】終幕を迎えさせていただき感謝の気持ちでいっぱいです。
正直、本当
芳名帳は真っ白ままだと思っていました。
とくに中部からは、何かのついでにきていただける距離ではなく、またRYU GALLERYは車が必須の場所であることから、私の会期のために富士宮まで出向くという選択はしていただけないであろうと。
芳名帳が真っ白なのは私の活動の中ではよくあって、だからもうそれが当然だと思ってしまっていて、この機会をくださった伊藤さんやずっと気にかけてくださるオーナーさんに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
そう思っていたところに
東部にお住まいの方々、中部から駆けつけてくださった方、オーナーさんとお知り合いの方、ご近所の方‥
自分の想定よりもたくさんの方に足を運んでいただき、ただただ感無量です。
ご高覧くださった皆様に心から感謝申し上げます。
この会期は
自分自身の腹の探り合いでした。
新作を発表すること、そして過去作品を”選出”すること。
不安と覚悟。
過去作品の選出については、時間を割れずとにかく積めるものは全て持参いたしました。RYU GALLERYは大きな窓があり自然光を多く取り込めることも利用できることを念頭に会期当日の朝に選出いたしました。
寓意的な人体(2018年)と「7」(2019年)
ありがたいことに、「皮膚」(2018年 寓意的な人体より)を気にかけてくださる方が多かったように感じます。
私自身の”表現”がはじまった2018年の会期「寓意的な人体」
無論未熟な点が大変多かったのですが、この会期は後に私の行く路を見出し
そして、私を苦しめる要因となりました。
出し切ったわけではない、詰まってしまったわけでもない。
ただ、寓意的な人体は私にしては結果として”良すぎた”のです。
翌年の「7」では寓意的な人体を超える会期をと哲学に挑んだわけですが、中途半端すぎて、でも、詰め込みすぎてバラバラで、まとまりがなく、フライヤーにした写真以外は何をとっても結果として後悔が残る会期でした。
そのため、この会期はもう少し年老いて勉強を重ねることができた時にもう一度やり直すとボタニカのオーナーにも話してあります。
【序奏】によって、これら2つの会期をあらためて追思することができました。
ちなみに「7」からは窓にはりつけた、あの作品を選出しました。
新作において
溶ける生地、刺繍の見せ方、ここにもたくさんの方にご興味・関心いただけて大変嬉しい反応をいただけました。本当、ぶっつけ本番の構想で、どのような反応をいただけるのか不安でしたが、話を聞いていただき、ご高覧くださった方々より、新作への理解を示してくださったことが何よりの励みとなりました。
また、後染めしたの?と聞いてくださる方がとても多く、それはグラデーションがうまく縫えたことを証明することであり、大変光栄でございました。
さらに技術をあげていきたい所存、ぜひ今後もどのように技術を重ねていくのかお気にかけていただければ幸甚です。
作品と私
活動をはじめたころから、たまにおっしゃっていただく言葉があります。
「あなたと作品が一致しない。」
私は恐縮ながら、これを褒め言葉としていつも受け止めさせていただいております。
今回の【序奏】でも度々、このお言葉いただきました。
人としての魅力はないとて今の私が私であるのは、それこそ今回ご高覧くださった皆様もそうですが、私と接してくださる方々がいるおかげであって
本来は、自分の精神世界でしか生きていけない弱い人間です。
そして、その状況を過去、経験している。
自分の精神世界というのは心地が良くて、でも、執着と依存と怒りで成り立たせているので、膨らみ上がった激情や情動を発散させる術を見つけることができない。
しかし、今はそれらを作品で表現する術がある。
私自身と作品が一致しないということは、精神世界に閉じこもらず
決して世渡り上手ではないけれども、人と関わることができているという意味でもあります。
だから私にとって大変ポジティブなお言葉なのです。
単純に
品がなくて、外見醜くて、早口の吃音持ちで、うるさいこいつが、ある程度の集中が求められる創作という行為を本当にしているのかね?ということかもしれませんが。笑
今回、1週間本当にずっとRYU GALLERYオーナーの山仲さんに気にかけていただき、面倒をみていただきました。
RYUの企画ではなく、場所をお借りした立場で、うちのあまねく同様に箱貸しでというお話でしたが、搬入から会期中、搬出まで、ずっと山仲さんがフォローをしてくださいました。
私には人望もなく、フォローができるほどの技量がないため、あまねくは箱貸し、全て作家さん任せでやらせていただいている次第です。
来年は初の企画(招待作家)を開催させていただくことにしたのですが、招待させていただいた作家様に私には人を呼べる力がない、けれども、できる限りのことはさせて頂くので、どうかうちでやってもえませんか?とお話して、ご了承いただき開催いただくという流れになりました。
ボタニカオーナーの下山さんやRYU GALLERYオーナー山仲さんのように、作家様がより会期を開催しやすくなるよう、見習わなくてはいけないところがたくさんです。
そういった面でもとても勉強になった1週間でした。
制作はいたしますが【42歳、学生です。】と【序奏】をもちまして私の2023年のアーティスト活動は納めとなります。
改めまして
私の会期に合わせてくださったshop企画「okiniiri展 vol.9」の参加者様
会期前日声を荒げて喧嘩する私ら夫婦を気にかけてくれた大家さん(ごめんなさい)
そして
この機会をくださった美術家・伊藤千史さん
この機会を受けいれてくださったRYU GALLERYオーナー山仲さん
本当に、本当にありがとうございました。
RYU GALLERYの
看板猫 みみちゃんと看板犬 空くんも
付き合ってくれてありがとう。
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