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わたしの本棚

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わたしの読書記録です。
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2023年5月の記事一覧

本棚:『ジャイロスコープ』

伊坂幸太郎さんの短編集。7つの作品のうち、「一人では無理がある」はアンソロジーで既読でしたが、初読みだったら、巻末のインタビューにある通り、どんな会社?と思ったかもしれません。「if」と「彗星さんたち」が好きだなと思いました。そして、最後のお話は書き下ろしとのことで、読者サービスのような感じ。 「二月下旬から三月上旬」という話では、何が真実?と思いながら読みつつも、最後はそういうことか…と。そして「どの時代のどの日も、「戦前」で、「増税前」だ」という一文にドキリ。増税も嫌では

本棚:『お仕事のコツ事典』

20代の働く女性がターゲットなんだろうなと思った本書。自分が20代の頃には、こういう本には見向きもしなかったので、若いうちから こういう本を手に取る人は意識が違うんだろうなぁと思います。 「仕事がしたくなる本リスト」というページもあり、その中には読んだことのある『ランチのアッコちゃん』や『本日は、お日柄もよく』も。お仕事小説も好きなのですが、そういえば最近読んでないなぁ。 自分の20代の頃を振り返ってみれば、新入社員の時は目の前のことをこなすので精一杯。2年目の時も、初任配

本棚:『初夏の春巻 食堂のおばちゃん13』

今回は「婚活食堂」だけでなく「ゆうれい居酒屋」とリンクするところもあり、思わずニヤリとしてしまいました。終わりの方は、「はじめ食堂」で出会ったわけではないけれど、結婚が決まったのが2組あり、「婚活食堂」みたいだなぁ、なんて思いました。 これまで「はじめ食堂」は消費税導入時も、その後の3回の税率アップにも定価を上げなかったのですが、ここ最近の物価高のため、値上げに踏み切ります。 記憶に新しいのは8%→10%の消費税アップですが、このとき、社員食堂の値段も上がったので、食費上がる

本棚:『暮らしのなかのSDGs』

SDGsという言葉はよく聞くようになりましたし、SDGsのバッジも見かけますが、実際のところ、どうなの?と思うことは多々ありまして。SDGs関連の本も多々ありますが、本書は絵本のような感じで気軽に読めます。読んで思ったのは、「これが正解!」みたいなのはなくて、一人ひとりがより良い未来を考えて、行動していくことが大事なんだろうなと。 事例紹介の中の1つに『ローカル鉄道会社の古くて新しい「逆開発」』として小湊鐡道のことが書かれていました。小湊鐡道を利用したことは実はないような気が

本棚:『電気は自給があたりまえ オフグリッドで原発のいらない暮らしへ』

2013年9月発行の本書。10年前になるので、当時に比べたら、オフグリッドのハードルも下がって、実行している人も増えているのではないかなと思います。最近のマイブームが「オフグリッド(に向けた情報収集)」でして、やっぱ電気は自給自足がいいよね~と本書を手に取りました。 太陽光発電でもメガソーラーじゃないな、と思ったことと、ソーラーパネルというと屋根の上に設置のイメージがあるけれど、洗濯物と同様、日の当たる日中だけ外に出して気軽に使えるのがいいな、逆に屋根の上でパネルの状態が分か

本棚:『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

盗みをはたらいた3人が身を潜めたのは、かつて店主が悩み相談を請け負っていた「ナミヤ雑貨店」。もう誰も住んでいないはずのその店のシャッターの郵便受けから一通の封筒が投げ入れられて…。 東野圭吾さんの作品は一時期よく読んでいましたが、当時住んでいた場所の図書館の文庫コーナーの作品はだいたい読み終えて以降、ご無沙汰しておりました。『白夜行』『幻夜』の衝撃が大きくて、同じような作品であれば、それを受け止めるだけの体力・気力が今の私にはもうないわ…と、どちらかというと避けていましたが

本棚:『99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ 決定版』

「まじめ」と「みじめ」は紙一重…というのは、確かにあるかもなと思いました。まじめで一生懸命なんだけど、空回りというか、ピントがずれているというか、なんとなく残念というか…。私にとっての理想は「ゆるくスマート」でしょうか。「努力」とか「根性」とか「気合い」みたいな言葉とは無縁なんだけど、「この人 デキるな~」という感じになれたらいいなぁ。 「拙速は巧遅に勝る」とか、Bad News First/Fast という言葉を知ってからは、早め早めを心がけるようになりました。その方が精神

本棚:『セカンド・ラブ』

舞台は1983年。2人が出会ったのは1月1日。愛を育んだ2人はその年の12月30日に結婚披露宴を行ったが、それまでの道のりにはいくつもの嘘が含まれており…。 乾くるみさんの代表作『イニシエーション・ラブ』と同様、1980年代が舞台の本書。タイトルが目に入る度に「恋も二度目なら~ 少しは上手に♪」と口ずさんでいましたが、今回の大どんでん返しは何だろう?と気になって、気になって読み進めて、最後に「あぁ、そうだったのね…」と。『イニシエーション・ラブ』とあわせて思ったのは、「女優

本棚:『菜の花食堂のささやかな事件簿 木曜日のカフェタイム』

菜の花食堂のオーナー兼料理人で、料理教室の先生もしている靖子先生が、お客さんから持ち込まれたちょっとした謎を解きほぐしてくれるシリーズの第5弾。前作で、主人公の優希と川島さんとのその後の関係はどうなったのかしら?と気にしながら読み進めると…、お楽しみは最後に取っておいてありました。 お弁当の話が2つあったのですが、私が学生の頃はキャラ弁なんてなかったけど、作るの大変そうだし、すごいなぁと思います。会社に持って行くお弁当は、週末にまとめて作りおきで、1週間、お弁当の中身は同じ

本棚:『都会を出て田舎で0円生活はじめました』

著者の田村余一さん、田村ゆにさんご夫婦は、以前、テレビでチラッと見たことがあり、自給自足ってどういうこと?と興味を持ちました。本を出版されていたとは知らず、先日紹介した『ソーラー女子は電気代0円で生活してます!』を検索した際に発見しました。 生きることは食べることだと思いますが、「食っていく」とはお金を稼ぐことではなく、自分で食べるものを作ることだと思います。畑を耕すところから…は、今の暮らしでは出来ないですが、できるだけ自分で食事は作るようにしたいと思っています。 よくよく

本棚:『ゆるFIRE』

生活に必要なお金のうち、半分はこれまで築いた資産に働いてもらって、残り半分は自分の好きな仕事で稼ぐ暮らし。完全リタイアであれば、それまでに必要な資産も多くなりますが、ゆる~く働いていくのであれば、少なくて済みますし、適度な仕事なら、働くことは楽しいと思います。一時期、50歳で早期退職する!と思っていたこともありますが、今はゆるく長く生涯現役がいいなと思っているので、著者の暮らしは私の理想かもしれません。 著者のお母さんの話なのですが、50代前半で会社が募集した早期退職者に応募

本棚:『ソーラー女子は電気代0円で生活してます!』

先日紹介した『みんなの節電生活』を検索した際に関連のある本として表示されたのが本書。コミックエッセイが好きなので、「おっ!漫画だ!」とこれは読まなきゃ!と思いまして。 太陽光パネルというと戸建住宅の屋根に設置されているのが思い浮かびますが、団地などでもベランダに設置できるんだなぁと参考になりました。著者が電気代0円生活をはじめたきっかけは、東日本大震災。節電生活にハマった結果、今ではオフグリッドに。節電生活でまずはじめにやったことは契約アンペアを30Aから15Aに変更したこと

本棚:『小さな暮らしのすすめ』

東日本大震災の後に出版された本書。それまでの消費社会から、このままでよいのか、本当に必要なものとは?など、考えた方も多いかもしれません。本書は『小さな暮らしの「ぜいたく」』という本から、一部をとり、加筆し、震災後に月刊『望星』に掲載した記事を再編集したものだそうです。 ミニマリストとかタイニーハウスなどという言葉も聞くようになりましたが、依然として大量生産・大量消費・大量廃棄の流れは変わってないんじゃないかなと思います。私自身も今でこそ、できるだけゴミを出さずに暮らしたいと

本棚:『君たちに明日はない』

「日本ヒューマンリアクト㈱」という、いかがわしい社名のクビ切り職業集団に勤める33歳の村上真介。辞職勧告を促す自分に「何様だ」と何度か辞めようと思ったこともあるが、それでもこの仕事内容のどこかに心惹かれている自分もいて。 タイトルは知っていたので、ドラマ化されてたんだよなぁ~と調べてみると、2010年のNHKの土曜ドラマでした。もう一昔前ですね。キャストを見て、なるほど~と。 これまで辞職勧告を受けたことはないけれど、今後もそうだとは限らないわけで、自分がその立場になったら