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<本日のビール>4 Pines Brewing HEFEWEIZEN

2020年5月13日(水)

【Day 55】

今日、マンリービーチにブルワリーがあることを知った。

4 Pines Brewing

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フェリー乗り場の目の前がブルーパブになっているという。なんてこった。1月に行った時も、先週末行った時も全く気が付いていなかった……

今、オーストラリアではクラフトビールが“Booming”状態(当然COVID-19の影響を受けてはいると思うが、それ以前の状態という意味で)だそうで、シドニー近郊にはブルワリーがひしめき合っている。その中でも4 Pinesは最も我が家に近く、これはもう「ホームビア」と呼んでいいだろう。

早く「これが俺のホームビア」と言いたいから、早く飲みたい。もちろんパブはクローズ中だから、飲むなら近所の酒屋で購入するしかない。

よし、お買い物に自主的に行くついでを装って……

「卵とパンがないから買ってくるよ」

「あ、ありがと、ごめんね」

「いいって、いいって」

よし、これで「めっちゃ家のことに気がついてくれる」というイメージが醸造……いや、醸成され、ビールのついで買いも咎められることはなくなるはずだ!(クラフトビールは高いからね)

最寄りの酒屋を覗くと、やはり地元だけあって、しっかり扱われていた。ペールエールとケルシュ、そしてヘフェヴァイツェンというラインナップだったが、今日の晩御飯はサーモンのムニエルなので、ヴァイツェンで決まりだろう。

という訳で、こちら。

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4 Pines Brewing HEFEWEIZEN
ABV 5.2%
IBU 17

ヴァイツェンは小麦を使った少し濁ったビールだが、香りが華やかで非常に苦味も少なく飲みやすい。4 Pinesにはそのスタイルの特徴がボトルネックを見れば直感的にわかるよう、テイストを表現するコピーがデザインされている。芸が細い。

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バナナ、クローブの香りで、メローな飲み口。まさにそれである。

僕はよく軽井沢ビールの白(ヴァイツェン)を好んで飲んでいたが、それと比べるとややサラリとしている。軽井沢の白の「コク」が10だとしたら、4 Pinesのヴァイツェンのそれは7ぐらいといったイメージなので、人によっては物足りないと感じるかもしれない。

しかし、それでいいのである。

その理由は、このブルワリーの持つストーリーにある。

マンリーのサーファー親子が起ちあげたビール

4 Pinesは、マンリーローカルのサーファー親子がサーフィンの後に自分たちが飲みたいビールを自分たちで造ってしまおう、というところから、2008年に始まっている。

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サーフィンの後は喉が乾いているから、とにかくスッキリとしたビールが飲みたい。そこへ、このキレのあるヘフェヴァイツェン。口の中に残る海水の塩分と混じり合うことで、最高の味となるのである。※テイストの部分については筆者の勝手な解釈です。

マンリー×サーフィン×クラフトビール。こ、これは、ストーリーも含めて、完全に「僕のためのブランドだ」となるヤツである。

D2Cに大切な要素

いきなり余談を挟むが、この、「飲むだけで自己表現が実現する」気にさせる、というのは、今流行りのD2Cでは最も大切な部分だと言える。

あらゆるプロダクトがその機能面や価格面で差別化しづらくなっている今、何を持って選ばれるかと言えば、ブランドのストーリーが、ユーザーの自己表現に寄与できるかどうかにかかっているのである。

だから、ターゲットが僕の場合で言えば、クラフトビールはもちろん味も大好きだが、その周辺が醸し出すカルチャー感に惹かれるところも大きい訳で、どれだけ美味しいクラフトビールを醸していても、それが例えば「文学のお供に」とか「ミシュランシェフに選ばれたビール」みたいなストーリーで打ち出されると、「んー、なんかちょっと違う」となってしまう。

すごく簡単に言えば「4 Pinesを飲んでる俺が好き」と思えるかどうかが、リピーターになるかどうかを決める重要な要素だし、それはクラフトビール以外の全ての商品において言えることだ。

と、いう訳で、これまでご贔屓ビールNo.1だったバルターを抜いて、今後は4 Pinesを勝手に僕の「推しビール」とさせていただく。

もちろんバルターも飲むけどね。


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