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全ライターにオススメのルーティン「デジタル写経」の効果を言語化してみた

2020年4月10日(金)

【Day 22】

さて今日は華の金曜日。1日お仕事を頑張ればようやく週末。僕も仕事がようやく始まったことだし、アッコも今週忙しそうだったから、お互い頑張ろう!そして夕方にはバッドヘンリー (赤ワイン)で乾杯しよう!

……え?アッコ今日お休みなの?……え?イースター?

なんでも、今日はイースター前の休みなんだとか。ということは、仕事するの俺だけ?いいなあ3連休か〜

……え?月曜も休みで4連休?

……

……チクショ〜!


と、いうわけでオーストラリアはロングウィークエンド。本来は様々なイベントが街中で行われるらしいのだが、こんな状況では当然開催されるはずもなく、イースターの雰囲気を感じさせてくれるのは、スーパーに並ぶ大量の卵型チョコレートやら、十字のデコレーションが施されたパンのみである。このイースター、バレンタインとかハロウィンみたいに、そろそろ日本でも独特なポジショニングを与えて商業利用されたりするんだろうか。

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僕はと言えば、フリーなので今日働かなくても誰にも咎められないのだが、納期に余裕を持つためには今日も作業を進めておきたいところだった。

それにしても久しぶりの仕事はびっくりするほど捗らない。仕事っぽいデスクがない環境のせいもあるだろう。仕事しているのは自分だけというモチベーションのせいもあるだろう。記事のテーマの難易度が高いせいもあるかも知れない。

テーマは決まっているのに、構成が決まらない。僕はリードが書きあがれば比較的一気に書き進められるタイプだが、その書き出しも決まらない。1行書いては消し、また1行書いてはタイピングが止まる。

ライターであれば、誰もが経験のある状況だと思う。筆が進まない時間はなかなか苦しいものだ。

しかし、僕にはこういう時のルーティンがあるので焦ることはない。


それは、デジタル写経である。

テーマに関連する情報をググって、出てきたコンテンツの中からこれはと思ったものを、片っ端から写経していく。

このデジタル写経、メリットだらけである。すでにやっている人も多いかも知れないが、僕なりに感じているデジタル写経の効果を書き出すと以下のような感じだ。

ウォームアップ、エクササイズになる

タイピングはスポーツと同じで、めちゃくちゃ調子のいい日もあれば、ミスタッチがやたらと多い日もある。特にしばらく休んで久々にタイプしようとすると、思うように指が動かなかったりする。でも、写経することによって、満遍なく指を慣らすことができる。

ウォームアップと同時にさらなるスピードアップを目指した基礎トレーニングのような働きもあると思う。僕はこれを始めてから圧倒的にタイピングが速くなり、書き起こしなども苦にならなくなった。

質の高いインプットになる

もちろん、目の前にある書かなくてはいけない原稿のテーマに対するインプットという意味もあるが、写経するつもりでコンテンツを開かなければ読み飛ばしてしまうような情報も拾っていくことになるので、自然とインプット量が増える。そして、タイプする指を通してインプットされたそれらの知識はちゃんと血肉になる実感がある。多分、写経には精読と同じような効果があるのだと思う。

前職でリテールテック系IT企業のインハウスライターになったときは、小売業界のビジネスやテクノロジーについては全くの門外漢だったのだが、デジタル写経を1年ほど続けた結果、様々な企業の事業責任者を取材する際、問題なく内容の深掘りができるぐらいには詳しくなった。

頭の中に構成が生まれる

これは人によるかも知れないが、記事のテーマに関連するコンテンツを写経していると、その最中に、自然と頭の中で自分なりの事象の解釈や、記事の起承転結が浮かんでくる。

写経したコンテンツの文章をそのまま記事に使うのがご法度(引用はルールに則っていればOK)なのは当たり前だが、自分の場合、写経したあとはほとんどそれを見ることなく一気に記事を書き上げることができる(まあ、どうしても気分が乗らずにちょこちょこ休憩することも多々あるけれど)。

自分の中にはなかったフレーズが増える

文体にも人それぞれのクセがあるし、この日記にも僕のクセが思い切り出ていると思う。でも、写経をすることで別の文体に触れると、「自分ならこういう言い回しにすることが多いな」と自分のクセを客観的に意識できるし、同時に、自分の中にはなかったフレーズや単語が記憶に残る。

そうすることで、様々なトンマナの記事に合わせて文体や単語選びを変える対応力も身につくと思う。「この記事は業界紙向けだからスーパー硬め」とか「このコンテンツは自社サイト向けだけど、ターゲットは若い担当者だからちょっと砕けた感じで」とか「これはパッパラパーな感じで」とか。

遠回りなようで原稿アップへの近道になる

10記事ほどを写経すると、だいたいスキルが発動できるぐらいのモチベーションと情報がチャージされる。あとはファクトチェックのためにさらに原典にあたったり、話を膨らませるために関連記事の関連記事と数珠つなぎにインプットを増やしながら、原稿に取り掛かる、というのが(あくまで取材がない記事を書くときの)僕のルーティンである。遠回りなようで、むしろ効率よく原稿が上がる(気がする)。

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と、いうわけで、めでたく本日分の原稿をあげることができた。これで心置きなくイースターエッグハントが楽しめる!わーい!

気分も晴れやかにダイニングへ降りると、なにやら次女が三女に算数の問題を出している。

「鹿が7匹いました。そのうち6匹は車にひかれて死んでしまいました。残った鹿は何匹?」

「んー、1ぴき」

「せいかーい」

……なんという不謹慎な問題を出しているのか……

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