日本なら大炎上のCM「Dare Iced Coffee - Caramari」について分析してみる
2020年4月17日(金)
【Day 29】
こちらのスーパーでよく見かけるのが「Dare Iced Coffee」。
どうやらこのカテゴリーでは一人勝ちのブランドと見えて、バス停なんかでもポスターを貼っているのは必ずDareだ。
まだ飲んだことはないが、おそらく、すんごい甘いコーヒーだろうなと想像する。日本でいうとMAXコーヒー的な。
種類にもよるんだろうけど、この「ダブルエスプレッソ」なんて、Sugar 50%って書いてある……
……え?50%!?MAXコーヒーでも糖分量9.8%だぞ?
思わず二度見する驚愕の甘さだ。
そしてこのダブルエスプレッソ、CMもたくさん流しているのだが、これがなかなか面白い。
動画を見る前の予備知識としてざっと設定を説明すると、これは「Murray(発音的にはマリー)さん」という男性に子供が生まれ、その子に「Cullam(カラム)」という名前を付けようとしているところからスタートする。そして、タイトルになっている「Caramari(カラマリ)」はイカのことである。
「グダイ、マイト!」
「マリーさん、名前決めた?」
「カラムにしようと思って」
「ん!?」この赤ちゃんの表情が最高。
「カ、カラム…!?」おばちゃんの何かを暗示するかのような表情もいい(笑)。
「待てよ……」何かに気づくマリーさん。そしてここから怒涛(ってほどじゃないけど)の回想シーンに。
「こちらが……カラマリです!」教室爆笑
“Squid up! Squid up!” 「イカいけ!イカいけ!」的な感じでしょうな。
スーパーで働くカラムに業務連絡。「カラマリ、シーフード売り場へ!」
お巡りさん「カラマリ…なんでイカなんて名付けたんだろうな!ヒィヒィヒィ…」日本なら訴えられるだろ!
「私は結婚します……カラマリと!ププーーッ」結婚するぐらい付き合ってきてもまだ笑っちゃう嫁。
ここで我に返った男、ダブルエスプレッソを一口飲んで冷静になります。
「やっぱジャックにしよう!」
タグラインは「Drink it through」で、これはおそらく「Think it through(よく考えて!)」と引っ掛けたコピーになっている。メッセージは、(仕事とかも含めて)アツくなって間違ったことしそうな時は、キーンと冷えたダブルエスプレッソを飲んで一旦落ち着こ!みたいなことだろう。コミュニケーションの方向としてはフリスクとかミンティアとベクトルが一緒である(激甘でもクールになれるのかな?)。
ネタ的には、昔懐かしい「奇面組」的なギャグだが、日本でやったら大炎上するヤツだ。おそらく「Callum」っていう名前の人も結構いて、「Murray」っていう苗字の人も結構いて、いわゆる「あるあるネタ」なんじゃなかろうか。
これはアッコが大好なCMで、「面白いよ」と紹介された時、初見では意味がわからず、何度か見直した。そのうち、赤ちゃんやおばちゃんの表情とか、スーパーのシーンのダジャレとか、お巡りさんの失礼さなんかが、だんだんスルメのような味わいを帯びてクセになってきた。イカだけに。
演出のテンポも良く、これは大量にオンエアすると効果を発揮するタイプのCMだ。バカバカしいけどスーパーでのリマインド効果も高いだろう。スーパーのシーンあるし。
ちなみに飲み物のCMでバカバカしいと言えば、往年の名作、ファンタの「3年◯組 ◯◯先生!」(名物先生)シリーズを思い出す。
4:3の画角が時代を感じさせる。
もはやその存在を知らない人も多そうだが、これは僕が広告会社のクリエイティブ配属になりたての2002年頃オンエアされていたもので、「いつかこんなCM作りたい!」と憧れたものである。ついにファンタのようにみんなの記憶に残るCMを作れることもなく、時代はYouTube全盛となったが、今だに最も好きなCMの一つだ。
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