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オージービーフで焼くステーキの極意

2020年3月24日(火)

【Day 5】

オーストラリアに“半移住”(軟禁状態なために、まだ完全に移住したとは言えない)してまず感動したのは、オージービーフの安さと旨さだ(というか、この5日間スーパーぐらいしか異文化に触れる場所がないので、それ以外で感動しようがない)。

物価水準が恐ろしく高いオーストラリアにあって、エアーズロックのようなランプステーキ肉が1kgで約20ドル。円高となっている今なら、1kgだいたい1300円ぐらいの計算になる。

こんなに安いと、ふと「ステーキ食べたい」と思い立った時に躊躇なく巨大な肉塊を購入できる。しかも特別な精肉店に行く必要はない。近所のスーパーでパック詰めされた肉が充分に旨い。我が家からコールズまでは徒歩1分だから、毎日「いきなり!ステーキ」がリーズナブルに実現可能だ。

いや、焼き方さえちょっと気を使えば、フライパン一つで一皿1万円以上のウルフギャングと遜色ない味が出せると言っても過言ではない。「いきなり!ウルフギャング」である。

と、いうわけで、今日もステーキを焼く。

焼き方は、「ステーキ フライパン」でググって上位表示されるいくつかの信頼できそうなサイトの情報を組み合わせて決めた。

ステーキが絶品になる手順は以下の通り。

・焼く30分ほど前には冷蔵庫から出して常温にする
・表面に包丁で薄く切れ目を入れる
・オリーブオイルにニンニクのスライスを入れて弱火でじっくりローストし、オイルに香りが移ったらニンニクを取り出す
・焼く直前に肉の表面にだけ塩胡椒をキメる
・事前にフライパンは強火でアツアツにしておく(肉を置いたら「ジャバアァァッ!」となるぐらい)
・塩胡椒した面を下にして肉を投入、焼きながら肉の裏側にも満遍なく塩胡椒をキメる
・片面30秒〜60秒。でも時間と言うより、目の前の肉と対話する。肉が「いい感じに焼けたよ〜」と語りかけてきたらOK
・肉を裏返し裏面も強火で30秒〜60秒。でも時間というより、目の前の肉と対話する……以下同文
・弱火にして蓋をし、30秒ほど蒸し焼きに。でも時間というより……以下同文
・火を消して30秒ほど余熱で肉の中まで火を通す。でも……以下同文

これで、ウルフギャングも真っ青の見事なミディアムレアのステーキが焼き上がる。

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手順の後半でも畳み掛けたが、“極意”は、とにかく目の前の肉と真剣に対話することだ。肉の形状は一個一個バラバラで火の通りが一定ではない。だから、調理時間はあくまでも目安でしかないのだ。

僕はもちろんプロフェッショナルな料理人ではないけれど、「時間はあくまで目安でしかない」というのは、10年間子供達の晩御飯を作り続けて体得したことでもある。

どんな料理でも、鍋やフライパンの中から「今できたよ〜食べごろだよ〜」と語りかけてくる瞬間があるのだ。

嘘だと思うなら、それは目の前の料理に真剣に向き合っていない証拠である。

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