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学力の経済学②〜どうして「良い成績を取ったらご褒美」で学力が伸びないのか?〜

学力の経済学シリーズでは「学力の経済学」の本をもとに僕の経験も交えながらお伝えします。著者は中室牧子氏。教育経済学者。「子供たちの目がキラキラしていた」などの感覚よりもデータ(エビデンス)を信頼するのが教育経済学者(あたっているかな?)。つまり科学的根拠(エビデンス)をもとに判断するってこと。1つの教育の成功例はあくまで、ある1ケースの成功事例であって、それを他のケースにあてはめても、必ずしもうまくいくとは限らない。しかしうまくいったケースをたくさん集めて、その集まりに共通する部分がある。こういった大規模な研究は海外の方が進んでいて、そのデータは海外にたくさんある。

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学力の経済学①では、「インプット(本を読むなど)にご褒美」を与えることが

学力を伸ばす上で有効という話でした。

まだ読まれていない方はぜひ、ご一読ください。

これまで、「100点取ったら100円」などの

アウトプットでご褒美を与えていた方、

反省しちゃいますよね。

僕も、その一人です。

でも朗報。

最後まで読んでみてください。

アウトプットにご褒美でも学力を伸ばすことができますよ。

では先に、どうして「良い成績(アウトプット)を取ったらご褒美」

で学力が伸びないの?についてです。

ハーバード大学のフライヤー教授がこの点についても調査しております。

アウトプットにご褒美を用意され、成績が伸びなかった子に

「今後、もっとご褒美を得るために何をしたら良いと思うか」の質問をしました。

すると、「問題をしっかり読む」などの

テストのテクニックに終始していたというのです。

本質的な学力の改善に結びつく方法までは、

まったく考えが及んでいなかったようです。

つまり学力をあげるための勉強の仕方が分からないのです。

この点については僕も小学校で子どもたちを指導しているときに

ものすごく感じる点です。

「ちゃんと〜しましょう」

ってよく聞きませんか?

「ちゃんと座りましょう」

って言われても、人それぞれイメージが違います

子どもたちもちゃんと座っている「つもり」なのです。

でも叱られる

どうして改善しないのか。

それは、「ちゃんと座る」というのはどういく状態か

分かっていないからです。

同じようなことをさせたい時でも

「背筋を伸ばして」

って伝えるだけで、子どもの姿勢はよくなります。

つまりどうしたら良いのかが分からないと変わらないということです。

関連記事 「丁寧にさせたいけど、どうしてできないの?」 ↓

受験の時、失敗する例で次のことをよく聞きます。

「参考書を何種類も持っている学生」は伸びない!

これも受験に対する勉強の「仕方」が分からないのです。

この学生の学力が低いのではないのです。

受験の時の勉強の仕方は紹介。

あくまで一例です。

①書店に行って、たくさんある参考書の中から、自分が分かりやすそうな1冊を選ぶ。
②まずは全部やってみる。分からない問題は答えを参考にして解く。
③【最重要】できた問題と間違えた問題にそれぞれ分かりやすい印をつける   (自分が区別できる印で良い)。
④1冊全部通す(1周目)。

ここで「終わった」って別の参考書に移る方がいます。

残念ながら、学力は何も変わっていません。

ただ、「できる問題」と「できない問題」が分かったに過ぎないのです。

ここからが本当の勉強です。

⑤2周目は、1回目に間違ったところだけ、もう一度やる           (もちろん迷ったところや不安なところもやって良い)。
⑥2周目も「できた」か「まちがえた」かの印をつける           (1周目の印も残す)。
⑦3周目をする。上のように繰り返す
⑧全部できるようになるまで繰り返す。

そして、受験当日は、

参考書の「まちがい印」がたくさんついている問題を見直すこと。

これはとっても大事なポイントです。

何度も間違えるというのは、テストでも間違える可能性がある問題だからです。

だからこそ、「できた」「まちがえた」印をつけることが重要なのです。

また、使い倒した参考書は本番の時、

自分自身の自信になります。

「こんだけ勉強したんだ」って参考書を見て思えます。

というように受験も勉強の仕方があるのです。

ここまでこればなんとなく分かってきたかもしれません。

「アウトプット(良い成績など)にご褒美」でも伸びる方法。

それは目標を達せする方法を教える人や導いてくれる人が必要

ということです。

これに関してはニューヨーク市立大学のロドリゲス准教授が結論つけています。

だから、そばにいることが難しいなと思ったら、

「インプットにご褒美を」

目標達成に導いてくれる人がいれば

「アウトプットにご褒美を」

というふうに使い分ければいいですね。

原則が分かると見え方が変わりますね!

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