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「出家詐欺」ならぬ「性別変更詐欺」(?)~名前変更裁判で気づいたGID専門医さんの必要性

私はGID(性同一障害、性別違和)を理由に、「改名」と「性別変更」を同時に訴えました。

1.予備審問前の質疑書(照会状)

書類を家庭裁判所に提出した翌日、「まずは改名から始めましょう」との電話がありました。

同時に、「予備審問」に呼ばれることとなり、日時の予約をします(3週間後でした)。

「予備審問」にあたって、照会状(質疑書)のようなものに事前回答する必要があるのですが、そこには「借金」と「前科」についての質問がありました。

トップ画像の通りです。

他の裁判所ではそんな質疑はないと確認していましたが⋯?(⇒植田真理子さんのHP等を参照)

2.予備審問。参与員さん。

家庭裁判所の予備審問では、書記官か参与員と面談をするようです。

書記官は常勤の公務員。参与員は非常勤の「良識ある市民」で、弁護士や会計士や行政書士などの専門家らが選ばれるようです。

私は年金受給者と思われる男性の参与員さんと面談したのですが、「性同一性障害は名前が変わるんですよね」といった事情まで、よくご存じでした。

また、「その名前を選んだ理由は」という質問に対し、私は「中国語読みで云々、中東の人も読みやすい云々」、といった「今思えばそこまで書かなくてもよかったのでは⋯」といったことを書いていたのですが、参与員さんはそういった細かいことまで、隅々とチェックされておりました。

3.質問は「借金」に重きが(苦笑)

計20~30分くらい面談したのですが、借金返済についてばかり聞かれ、笑えました。
そうくるか、って感じです。(「名前の使用実績」の話などはほどほどくらいです)

私はSRSで銀行融資を受けることを推奨しているのですが、返済計画については、事前に参与員さんに説明できるようにするべきのようです。

借入額、返済額についても、細かい数字まで聞かれました。また、事業融資も受けている場合、借入額と収入額も聞かれます。

年収や職の内容についても聞かれました。面談の最初に年収を聞かれた際は「年収を聞いてどうするのでしょうか⋯」と思ったのですが、趣旨は返済原資ということのようです。

翌日も、書記官から「銀行にはちゃんと借金返済いただけますか?」とだけ、念押しの電話をいただきました。


4.裁判所は「改名詐欺(出家詐欺)」を警戒している


おそらく裁判所は、「出家詐欺」に警戒しているのではと思います。

出家詐欺とは、自己破産者や多重債務者が、改名し、新たに借り入れをできるようにすることです。場合によっては、宗教法人などがグルになるようです。

一般に、出家は改名の理由と認められます。改名することで、借入情報(=CICなどの信用情報機関に記載された借入情報)をチャラにするということですね。厳密には、スーパーホワイトの状態からの再出発です。改名前の借入を隠して、新たに借入する、ということになります。

5.GID専門医の必要性と債権者保護

しかし、「出家詐欺」ならぬ「性別違和詐欺」をするとしたら、頭を剃るだけじゃなくて、「診断書の取得」、あるいは「パス度の向上」、場合によっては「手術等」も必要ですので、ハードルが高い気がします。

しかし。。。

協力する医者が悪人だったら。できないことはないか?と思われました。

偽の診断書(GIDです)や偽の証明書(SRSしました)を作ればいいわけです。これなら、パス度が低くても、あるいは、使用実績をあまり積んでいなくても、改名が認められてしまう可能性がある気がします。


そういう意味において、『信頼できる「GID専門医」を司法に置いて、「出家詐欺(改名詐欺)」を防止する』という方策は、理にかなっている気がします。

果たして、そういう観点からの議論はされているのでしょうか(?)

あるいは、裁判所が「信頼できる専門医リスト」などを作っていたりするのでしょうか?


ということで、「GID者の権利保護だけでなく、債権者保護も図る必要があるんだろうなあ、、」と、思った次第でした。

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