PRライティングのための5つの鉄則〔前編〕

毎日毎日、仕事で文章を書いたり、人の書いた文章を直したりしています。
職業柄、プレスリリースやTwitterはじめとするSNSの告知文、サービス上で表示される文言を書くことが多いです。わたし自身はあまり意識せず書いたり直したりしてるのですが、「読みやすい文章」には、実は明確な理由と法則があります。

先日、monokakiの定例ミーティングで「告知の文章書くときはこういう部分を意識するといいよ~」と話したら、メンバーから「知らなかった」「目から鱗」「もっと早く教えてほしかった」という反応を貰ったので、メモ代わりにnoteにも書き残しておきます。

具体例を示した方がわかりやすいと思うので、以下に「日本語として間違ってるかは微妙だけどちょっと読みにくい」ツイートを用意しました。これを敲いていきます。

10月に最新刊『主婦作家 桐生なぎのインディペンデンス・デイ』が発売予定の作家・梶原りさ先生にインタビューさせていただいた最新記事が更新されました! なぜ梶原さんはこんなにも緻密な感情描写が可能なのか、その秘密に迫ります。https://~


1. とにかく一文を短く書く

そもそも「読みやすい文章」ってどんな文章でしょうか? それは「読み手に負担がかからない=脳みそを使わなくても意味や文脈がとりやすい文章」のことです。
広報職だと一番書く機会が多いのはプレスリリースですね。記者さんは毎日膨大な数のプレスリリースに接しているので、最初のパラグラフで端的に「あ、こういうニュースなのね」と相手に知らせる必要があります。
SNS文言の場合、基本「熱心に読む」というより「ぼんやり眺める」人のほうが多いので、「2時間残業して疲れ切った夜21時、帰りの電車に揺られながら読んでもわかる文」を心掛けています。

そして、「あんまり脳みそを使わなくても意味や文脈がとりやすい文章」はまず「短い文章」です。長い文章というのは、実は読むのも書くのもテクニックが必要とされます。意外にも、文章を書きなれていない人ほど、却って長い文章を書いてしまいがちなんですね。

10月に最新刊『主婦作家 桐生なぎのインディペンデンス・デイ』が発売予定の作家・梶原りさ先生にインタビューさせていただいた最新記事が更新されました!

これは十分に「長い一文」です。文字数が多いからではなく、この中に

1.  梶原りさ著、『主婦作家 桐生なぎのインディペンデンス・デイ』という本が10月に発売される
2. ツイート主はその梶原先生にインタビューした
3. そのインタビューがいま公開された

という、時系列も主語も異なる3つの事実が一文の中に混在しているからです。できれば、一文の中の主語+述語のセットは1つまでに収めましょう。


2. 過剰に敬語を使わない

「作家・梶原りさ先生にインタビューさせていただきました!」ですが、
「作家・梶原りさ先生にインタビューしました!」でOKです。

この「いただく」という表現、使い勝手がいいのでつい手癖で書いてしまいがちなのですが、文章が硬くなるし、長くなるし、実はあんまりいい面がありません。何も考えずにメールを打っていて、

「一度お打ち合わせさせていただけないでしょうか?御社までお伺いさせていただきます。ご都合の良い日をお知らせいただけますと幸いです。」

みたいな、気付いたら三連続いただく地獄になってること、ありませんか?
これでも別に意味は通じるし間違いではないのですが、商業的な文章をめざすなら「文末に同じ表現が続く」のは避けたいところです。(「~だと思います。~だと思います。」なども同様ですね。)

わたしなら「一度お打ち合わせをしたく思います。御社までお伺いしますので、 ご都合のよい日時をご教示ください。」などと書き換えます。不必要な「いただく」は全部駆逐してやる! 
この辺りは好みもあると思うので、自分なりの表現を探してみるといいと思いますが、「させていただく」のは「相手の許可をとってするときだけ」という原則を覚えておくと、濫用を防げます。

個人的に最も気になるのは、IT系スタートアップが「新サービスをリリースさせていただきました!」と書いてしまうパターン。誰に許可とったの? Apple? まぁたしかにアプリならそもそもストアにリジェクトされたらリリースできないけど……! と、めっちゃモヤモヤします。

きっと広報はじめマーケ人員がまだ社内にいなくて、ビジネスとエンジニアさんだけで頑張っているフェーズなんだろうなぁ……と勝手に他社さんの事情を忖度したりもするんですが、もったいないです。
「このサービスが世の中を超よくする!」とか「絶対喜んでくれる人がいるはず!」と信じているからこそ、リスクをとって起業して、先行投資して作った、自慢の新サービスですよね。「新サービスをリリースしました!」でいいですよ! 言い切り形で、キリッとドヤっていきましょう。

(なお、「インハウスで広報雇ったり外注でPR会社さんを頼むほどの予算はないんだけど、プレスリリースだけでもスポットでサクッとプロが書いてくれねぇかなぁ……」みたいなご相談ありましたらいつでも乗ります宣伝)

3. 能動態で書く

わたしが個人的に「させていただく」という表現が好きじゃない大きな理由のひとつに、「自分事」感・コミット感が薄いことがあります。「させていただく」のは「相手の許可をとってするときだけ」という原則に照らすと、「じゃあ誰かがやるなって言ったらやめるんですかー!」「先生が死ねって言ったら死ぬんですかー!?」と小学生ノリで思ってしまう……。

じゃあどうすると「自分事」感・コミット感が出るかというと、能動態です能動態。「最新記事が更新されました!」より「最新記事を更新しました!」の方が、表現としてすっきりしますし、責任の所在も明らかですよね。どこからともなく更新されたわけじゃなく、編集部ががんばって企画して取材して構成してチェックした記事なんですから、やはり胸を張って「更新しました!」と言いたいところです。

さらにいえば、能動態を使うと受動態より圧倒的に文章としても読みやすくなります。助動詞「れる・られる」は「受け身・可能・自発・尊敬」の4つの意味に分類される、って小学校で習ったと思います。「れる・られる」言葉は、一瞬人間の脳を「受け身・可能・自発・尊敬」のどれだろう? って混乱させます。
「本日、社長の○○が会見し、弊社の新サービスが発表されました!」とか言われるともう、「されました」は受動態なの……? 自ずと発表されたの……? 社長が主語だから敬語……? と、一瞬思ってしまう。判断に脳のCPUが食われるので、「新サービスを発表しました!」の方が、読み手に対する負担が少ないです。

*

長くなったので2回に分けます!
また、わたしも文法の専門家ではないので、もし「ここ間違ってるぞ」という箇所がありましたら、コメント欄やTwitterなどで教えていただけると嬉しいです……。

後編はこちら。

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1984年生のオタク。 マンガ、小説、アニメのPR・プロモーションなどをしています。 イケメンは活力。萌えに貴賤なし。君から生まれたコンセプトだからこそいいんだ。