PRライティングのための5つの鉄則〔後編〕

プレスリリースやSNS文言、サービス内の告知文を書くときに意識するべき事項を、5つくらいにまとめてお届けします。
昨日アップした前編では、以下の3つの鉄則をまずは挙げました。

1. とにかく一文を短く書く
2. 過剰に敬語を使わない
3. 能動態で書く

後編では、残りの2つを紹介していきます。参考用に作った以下の「日本語として間違ってるかは微妙だけどちょっと読みにくい」ツイートが、この記事の最後にはぐっと読みやすくなる、その理由が誰にでもわかる……はず!

10月に最新刊『主婦作家 桐生なぎのインディペンデンス・デイ』が発売予定の作家・梶原りさ先生にインタビューさせていただいた最新記事が更新されました! なぜ梶原さんはこんなにも緻密な感情描写が可能なのか、その秘密に迫ります。https://~


4. 主語と述語の関係を意識する

皆さんが「言葉の文法」というものを初めて意識したのはいつでしょう? 「今まで一度も意識したことがない!」という方もいるかもしれません。自分の場合は、受験英語で5文型を学んだときでした。S(主語)+V(動詞)、S+V+C(補語)、S+V+O(目的語)、S+V+O+O、S+V+O+Cという、あれです。

5文型でパッキリ分類できる英語と違って、日本語の文型は3文型とも4文型とも言われ、語順も比較的自由ですし、何なら主語や目的語を省略しても意味が通じます。フワっとしてる~~!

長い文章を書いていて違和感を覚えたり、ちょっとここはリズムが悪いな~と思うときは、文章を要素に分解して、「何が主語で何が述語か」という原点に立ち返って考えるといいです。(英語が得意な方は、頭の中で英訳してみると、問題点がすぐわかったりします。文の構造を知ることが目的なので、時制や単語があやふやなテキトー英文でも大丈夫です。)

なぜ梶原さんはこんなにも緻密な感情描写が可能なのか

たとえばこの一文、今は疑問文ですが、わかりやすくするために平叙文に直すと、

①梶原さん(主語)は/緻密な感情描写をすることができる(述語)
②緻密な感情描写(主語)が/梶原さんによって可能になる(述語)

という2つの書き方がありえます。

敲き台としたツイートを見ると一見①のように読めますが、述語として「可能なのか」が残っているため、②とのハイブリッドのようになっており、微妙に気持ち悪い。これは「可能/不可能」を人に対して使うことで生じている気持ち悪さですね。

たとえば「そんなことは不可能だ」とは言っても、「あいつは不可能だ」とは言いません。「梶原さんは不可能だ」とも言いません。が、文章が疑問文になったり、「こんなにも緻密な感情描写が」という節が盛り込まれたり、その後に「その秘密に迫ります」という別の述語が入ることで、短く読めば気付ける間違いが、埋もれてしまうことがあります。

なぜこんなにも緻密な感情描写が可能なのか?
なぜ梶原さんはこんなにも緻密に感情を描写することができるのか?

あたりが正しい書き方になります。
これも英文法の授業で習った無生物主語をイメージすると思考の補助線になります。違和感のある文章はとにかく要素を分解して、細かい意味ではなく文の型を見ると、その正体がつきとめやすいです。

5. 表記ルールや型を用意する

前述したように、長い文章は書く方も読む方もテクニックが要るし疲れるので、そろそろ結論にいきましょう。

10月に最新刊『主婦作家 桐生なぎのインディペンデンス・デイ』が発売予定の作家・梶原りさ先生にインタビューさせていただいた最新記事が更新されました! なぜ梶原さんはこんなにも緻密な感情描写が可能なのか、その秘密に迫ります。https://~

最初に挙げたこのツイート、わたしなら以下のように書き換えます。

【最新記事】作家・梶原りさ先生にインタビューしました! 最新刊『主婦作家 桐生なぎのインディペンデンス・デイ』は10月に発売予定。なぜ梶原さんはこんなにも緻密に感情を描写することができるのか? その秘密に迫ります。https://~

思ったより字数が減らなかった……。けれど、最初のツイートよりはぐっと読みやすくなったと思います。実際はスミ括弧【】やURLの部分は改行することが多いですが、印象を変えすぎないために一旦改行なしで書きました。

(もちろん、これが絶対の正解ではないですし、前編でも書いたように細かい表現はもう「好み」の領域です。好きじゃないテイストの文章を書いていても楽しくないので、読みやすさと正確さを担保しつつ、同時に「読み手はどういう文章を心地よいと感じるのか」「自分はどういう文章を心地よいと感じるのか」追求していければ、書く仕事は何倍も楽しくなるでしょう。)

最後に。【最新記事】などとツイートの冒頭につけるときは、毎回表現を変更しないように注意が必要です。つけたりつけなかったり、字数が足りなかったら【最新】などと省略したりしてしまうと、何ツイートか続けて読んだときに違和感を覚えます。また、ツイートごとに形式が異なると、読み手が規則性を探そうと思った瞬間にやはり脳がウィーンと起動して、余計なCPUを食います。

サービス内の文言を作成する場合も、ページによってトーン&マナーが異なると同様のことがおこるので、最低限の表記ルールをWikiなどにまとめておくといいでしょう。地味な作業ですが、一回作成しておくとほかのメンバーにもすぐ共有できますし、サービスの寿命が延びれば延びるほど、ドキュメント化されたライティングの指針があると楽ちんです。

PRライティングは、ほかのジャンルのライティングに比べて「ノウハウの共有」が重要です。「自分にしか書けない文章」を書ける人よりも、「誰にでもすぐ真似できるくらい論理的に整理された文章」を書ける人の方が、チームにとっては有難い存在です。これは趣味の創作や、署名記事のライティングとは大きく異なる点です。
「好み」の話とは矛盾するようですが、逆に言えば最低限のルールさえきちんと守られていれば、多少の「キャラ変」は許容範囲、ともいえます。

1. とにかく一文を短く書く
2. 過剰に敬語を使わない
3. 能動態で書く
4. 主語と述語の関係を意識する
5. 表記ルールや型を用意する

知っているだけで書けるようになる/直せるようになるノウハウはいろいろありますので、この記事がその一つとして、皆さんのライティングの一助になれば幸いです。

逆に「自分はこういう部分を気を付けてるよ!」「ここはそんなに大事じゃないんじゃない?」「全然逆のスタイルで書いてる!」などありましたら知りたいです! ぜひコメント欄やTwitterなどで教えてください。

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1984年生のオタク。 マンガ、小説、アニメのPR・プロモーションなどをしています。 イケメンは活力。萌えに貴賤なし。君から生まれたコンセプトだからこそいいんだ。