ゴジュウカラは欲張りだった。
気温一桁台のある秋の早朝、野鳥を求めて円山遊歩道を動物園方面に向かっていると、鳥たちの羽ばたきと鳴き声が聞こえたので足を止めました。
誰かが切り株の上にクルミとひまわりの種を置いたらしく、様々な小鳥たちがひっきりなしに行き来して啄んでいました。
まだ薄暗く、素早い動きにも目が慣れないため、最新のAIプロセシングユニットによる動物追従でも捉えるのが少し手間取りました。
少し勘が掴めてまず捉えることができたのはスズメくらいの大きさのゴジュウカラ。
この子が一番幅を利かせていて、しょっちゅう掻っ攫っていくので、他の鳥たちが可哀想でした。
餌を撒いて鳥を呼び寄せるのは個人的にはどうかなとは思いましたが、誰が撒いたのか分からず、その場には私だけで、せっかくの機会なので撮影を続けることにしました。
いくら食事に夢中だからといっても野生の子達なので、近づくとすぐに逃げてしまいます。
とはいえ、いつもよりは鳥探しそのものに苦労する撮影も、この時ばかりは大きく映すことができたのは幸いでした。
瞳にピントが合い、整った毛並みも浮かび上がり、立体感を感じられます。
散々食い散らかしたゴジュウカラの後にやってきたのはシジュウカラ。
啄む姿はあまりに忙しなくて撮れなかったのですが、食後の姿形は大きく捉えることができました。
続いてはやや小さめのヤマガラ。
胴や背のあたりが橙色になっています。
食事中にたまりかねて飛来してきたのがハシブトガラ。
なかなか餌場から離れないヤマガラに業を煮やしている様子。
そしてヤマガラが去った後にハシブトガラが口にしたのはひまわりの種でした。
これまでできるだけ鳥に近づいて大きく撮ろうと苦労した撮影が今回は比較的容易にできたことにちょっと拍子抜けしてしまいましたが、それぞれの鳥たちの姿をくっきりと捉えるだけでなく、せめぎ合いも観察できたことが大きな収穫でした。
では、今回はこの辺で。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?