新時代マーケティングのキーワード「消齢化」
こんにちは、有馬です。
今回は、消齢化というキーワードから年代・世代マーケティングの現状を分析してみたいと思います。
「消齢化」とは何か?
消齢化とは、年齢層による価値観や嗜好の差が小さくなっていく現象のこと。
博報堂生活総合研究所が30年(!)にわたる長期時系列調査「生活定点」のデータから発見した言葉です。
消齢化の背景には、インターネットやSNSなどの普及があります。
生活者は年齢に関係なく多様な情報にアクセスしやすくなり、コミュニティや趣味の共有も容易になりました。
生活者は自分と同じ年齢層だけでなく、他の年齢層とも共感したり交流したりする機会が増えているのですね。
消齢化がマーケティングに与える影響
消齢化が進むと、これまでのように年齢や年代で区分するマーケティング手法が通用しなくなってきます。
例えば、以下のような事例があります。
コミックやゲーム、音楽などのエンタメ分野では、若者だけでなく中高年も積極的に楽しんでいます。 スマホの利用ログデータからは、コミック系アプリやゲーム系アプリのユーザーにおいて中高年が占める割合が高まっていることが分かります。 また、「NHK紅白歌合戦」の初出場歌手を検索した人の推計人数を見ると、50代以上の生活者が多く検索していることが分かります。
カラオケ歌唱データからは、10代から60代までの全ての年齢層で歌われる曲が増えてきていることが分かります。 10代の生活者は生まれる前にリリースされた過去の曲をよく歌うようになっており、60代の生活者は最近のヒット曲を歌うようになっています。
これらの事例から分かるように、消費行動や嗜好は年齢層だけでは捉えきれないほど多様化しています。
生活者が年齢の壁を超えて共感したりコミュニケーションする場が増えているのです。
とはいえこれらの変化は、マーケティングにとって新たなチャンスでもあります。
消齢化から生まれるビジネスチャンス
消齢化が進む社会では、年齢層にとらわれない商品やサービス、文化が生まれる可能性が高まります。
以下に、いくつかの例を挙げてみます。
年齢層に関係なく楽しめるコンテンツやメディアの開発
NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画配信サービスは、様々なジャンルや世代の作品を提供しています。
noteやDiscordなどのプラットフォームは、共通の趣味や関心を持つ人たちが集まってコミュニケーションや創作活動を行う場を提供しています。年齢層に関係なく使える商品やサービスの開発
AppleやGoogleなどのテック企業は、スマートフォンやタブレットなどのデバイスやアプリを、若者から高齢者まで幅広い層に向けて提供しています。
ユニクロや無印良品などのアパレル・雑貨企業は、シンプルで機能的な商品を、年齢や性別に関係なく販売しています。年齢層に関係なく学べる教育やカルチャーの提供
オンライン英会話やプログラミング教室などのサービスは、学びたいというニーズに応えています。
美術館や博物館などの文化施設は、年齢層に関係なく楽しめる展示やイベントを開催しています。
以上のように、消齢化はマーケティングにとって新たな課題だけでなく、新たなビジネスチャンスでもあります。
これからのビジネスには年齢層だけでは捉えきれない生活者のニーズや価値観に寄り添い、より多様で豊かな商品やサービス、文化を提供することが求められていきそうですね。
まとめ
消齢化とは、年齢層による価値観や嗜好の差が小さくなっていく現象です。
インターネットやSNSの普及により、生活者は年齢に関係なく多様な情報にアクセスしやすくなりました。
これにより、これまでのように年齢や年代で区分するマーケティング手法は、通用しなくなってきます。
一方で、消費行動や嗜好は年齢層だけでは捉えきれないほど多様化しており、年齢層にとらわれない商品やサービス、文化が生まれる可能性が高まっています。
消齢化はマーケティングにとって新たな課題だけでなく、新たなビジネスチャンスでもあります。
さあ「消齢化」を楽しんで行きましょう!
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