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投げ銭企画・イエモン「jaguar hard pain」1曲目と2曲目を聴きこんだ

7/14 1曲目「SECOND CRY」の歌詞を読みながら曲に合わせて口ずさんでみる
死んだ50年後に何の希望もない虚無の中で目覚めた。死ぬ前の記憶が徐々に戻って感情がこみ上げてくるまでの流れ、その情景が浮かんでくるような曲だった。退廃的な空気感で静かに始まり、中盤から終盤にかけてぐわあっと盛り上がって行くのが気持ちいい曲。

「胸には3発の弾丸」
「僕はジャガー 確か殺された/あの娘の目の前で」

と目覚めたジャガーが記憶を辿る姿を歌にした、ある意味自己紹介ソングでもあり、このアルバムのコンセプトを説明している曲でもある。ジャガーの心情の変化が曲調の変化と直結しているところはすごくミュージカルっぽいなとも感じた。

2010年代、ボカロでカゲロウプロジェクトを筆頭に、虚構の人物を主人公にした物語を曲にして、歌詞にも起承転結があってPVもその物語に沿っている
…というタイプの曲が流行り始めた頃それがすごく新鮮に感じたんだけど、少なくともこのアルバムが出た1994年にも「虚構の人物を主人公にした物語を曲にする」という形が邦楽の中にあったのだということに驚いた。

あとこの曲にまつわる驚いたことは、歌詞に「ROCK AND ROLL」という言葉が出てくるんだけど、歌詞カードでこの単語に注釈がつけてあって
「アメリカで生まれた単純で強いリズムの音楽。リズム・アンド・ブルースから派生。」って書いてあるんですよね…。当時ROCK AND ROLLという言葉は大衆にとってはこんな注釈がないと意味がわからない言葉だったということなのだろうか…。

7/15 2曲目「FINE FINE FINE」の歌詞を読みながら曲に合わせて口ずさんでみる
SECOND CRYの終盤の盛り上がりをそのまま引き続けるようなテンションの高いイントロからはじまる曲。躁っぽい。この躁の一枚下には底なしの鬱が待っているのわかっているから「SO VERY FINE」の気持ちのまま駆け抜けてしまおう、みたいなそういうテンションの高さ。

身体にしがみつけ スピードのハネムーン
世界地図のベッドで 犯してもいいだろ?
そのかわり哀れなMY BABY
究極の夜をあげるから
目がつぶれるほどのロマンス
この素晴らしい夢中に ARE YOU READY?

この歌詞にジャガーの、女へのだらしなさと共に、だけどそんなジャガーに惹かれる女たちが後を絶たないんだろうという、ジャガーの魅力も一緒くたに伝わってくる。

ライブがめちゃくちゃ楽しそうな曲。


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