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ファイナンシャルプランナー×中小企業診断士の家計簿 4【家計簿の作り方③】

今回は、家計簿を作成するための作業について、説明していきます。

前回のテンプレートをダウンロードして、
この記事の作業をやるだけでベースはできます。

そして!月5万円を作り出すにはどうすればよいかの、
施策を生み出せるのです!

家計簿作成の作業

テンプレートにも記載しておきましたが、全体の作業流れは、以下です。

①目的、数字目標の設定
②管理したい項目の設定
③お金の出入りを記録
④貯金など必要項目を記入
⑤契約している保険の整理
⑥保有している有価証券の整理
⑦固定資産(車、家など)の整理

これらについて、説明していきます。

①目的、数字目標の設定

これは家計簿の作る意義といえますので、この記事をご参考ください。

これがないと、家計簿をつける意味もなくなるので。

②管理したい項目の設定

目的・目標の次は、管理したい(orすべき)項目の設定です。

普段、私自身が使っている、管理項目をベースに”勘定科目”シートに列挙しました。

基本的には、その他収入があったり、銀行名を追記するくらいでいいと思います。

もし変更があれば、”帳簿”シートで使う、プルダウンメニュー用の項目リストも名称変更してください。

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③お金の出入りを記録

そして、ここが実作業の大部分を占めるところです。

日々のお金の出入りを記録するのですが、ここのデータを他のシートに展開していきます。

複式簿記を学ばれている方は、ここは読み飛ばし、記録してもらえればすぐに使えるようになっています。

簿記を知っていなくてもできるように、参考となる取引は、ベースとして、
書いておきましたので、コピペで使ってください。

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借方、貸方って何?って人も、ものすごく多いと思いますし、
簿記がきらいなひとは、吐きそうになる言葉だと思いますw

わたし自身も好きではありませんw

考え方として、↓な風に考えてもらえればいいと思ってます。

❶ お金の出入りには、かならず、理由がある
❷ 借方は”得られたもの”を、貸方は”失ったもの”

家計簿をつける上では、この2つを押さえておけば、特に問題ないかと。

具体例をいくつかしめしますね。

A. 食材を1,000円分、カードで買い物したとき
 得られたもの: 食材      1,000円分
 失ったもの:  カードの利用枠 1,000円分
そうすると、こういう風に書けます↓↓↓
 借方: 食費 1,000円  貸方:カード未払金 1,000円

カード未払金って言葉使わなくても、クレジットカード利用額とか、カードとかでもなんでもいいです。自分がわかれば。

現金で買ってれば、貸方は、現金になりますし、デビットカードなら、
引き落とし先の口座の銀行名を書いておくとよいでしょう。

買い物は基本的に、こんな感じで書いていきます。

大きい買い物でもなんでも。

家を買った時でも、同じです。
家を住宅ローンを組んで買うのなら、貸方が、カード未払金ではなく、
住宅ローンになるだけです。

B. カードの引き落とし1,000円分(A銀行から)があった
 得られたもの: カードの利用枠 1,000円分
 失ったもの:  A銀行の預金   1,000円分
この場合、こういう風に書けます↓↓↓
 借方: カード未払金 1,000円  貸方:A銀行 1,000円

カード引き落としの時に、得られるものは、カードの利用枠です。利用枠が復活するのです。その理由として、A銀行の預金から使っていたカードの利用枠分を引き落とすからです。

C. 手取給料25万円がA銀行に振り込まれた
 得られたもの: A銀行の預金            250,000円分
 失ったもの:  1カ月分の労働にあてた時間・体力 250,000円分
給料をもらう時、現金or預金は増えます。多くの場合、その理由は、1カ月間、しっかり働き、時間と体力を会社に提供し、失っているからです。(いわゆる労働ですね。)

 借方: A銀行 250,000円  貸方:手取給与 250,000円

と書けばOKです。

給料の場合は、税金など源泉徴収されていると思いますので、その場合は、こうなります↓
 得られたもの: 所得税等を支払ったという事実  30,000円分
 失ったもの:  額面給与            30,000円分
納税は義務ですからね。それを支払ったという事実を得ることができます。納税証明書が得られますよね。一方で失うものは、額面給与の金額になります。よって、こんな風に書けばOKですね。

 借方: 所得税 30,000円  貸方:額面給与 30,000円


というように、あまりむずかしく考える必要はありませんし、
大きく、A、B、Cの3つに大別されます。

買い物した時(A)、引き落としされた時(B)、収入があった時(C)

この辺りを”仕訳日記帳”に入れていけばOKです。

慣れてくれば、このような仕訳の考え方も整理でき、
わからないところはググれば大量に情報もとれるし、
簿記の資格も取れちゃうし、そこらの会社の経理事務の仕事内容なら、
余裕で理解できちゃうくらいになりますよ!

いや、ほんとに。なので、最初は少しがんばりましょー!


④貯金など必要項目を記入

③が終われば、ほとんど作業は終わりです。

損益計算書と、貸借対照表が自動的に作成されているので、
それらを見ていくのですが、④からは、微調整の作業です。

まずは、お金の出入りを記入し始めた前の状況を、メモります。

それを”貸借対照表”シートのインプットセルに記入するだけでOKです。

具体的には、預金通帳の残高とか、そんなんです。

保険とか、資産は別途整理していきます。

⑤契約している保険の整理

保険。いくつ契約していますか。

ここは、多くの人が手を入れられる(改善の余地のある)項目になりますが、ひとまず、今契約している保険を列挙してください。

生命保険、医療保険、定期保険、学資保険・・・

これは種類によってかわるのですが、
”解約返戻金”のあるもの、要は積立てているもののみ、今までの積み立て額を、”貸借対照表”シートの保険積立金のインプットセルに、入れ込んでください!

その他は、入れなくてOKです。

これ、ファイナンシャルプランナーが貸借対照表を作成するときは、
その時点での解約返戻金を記入する必要があるのですが、
ここでは、あくまで、やりたいことをやるために、どうすべきかを考えるもとを作るので、解約返戻金の話は、保険に手を入れる時に、考えていきますね。

なので、月々のキャッシュフローがどうかをしっかりみていくため、今の仕組みにしています。
(一方で満期返戻金は知っておくべきなので、”保険等”シートにしっかり記入しておいてください)


⑥保有している有価証券の整理

株や債券です。

もってますか?もってるとしたらどういう目的ですか?

少なからず持っている方もいらっしゃると思いますが、これはひとまず取得した価格ではなく、これを入力したその日の”時価”(株価)で入力してみてください。


⑦固定資産(車、家など)の整理

家、車など大きい買い物ですよね。

一軒家をたてることが夢だ、とか、いい車に乗るのがステータスだとか、そういう考え方、ありますよね。

でもたぶんそれって、趣味とか娯楽に位置付けた方がいいかもしれません。

固定資産って、基本的には、それを使うと、お金が生まれるというものです。

企業で考えれば、何かしらの設備とかを固定資産として買って、その設備を使うことで製品を作って、その製品を売ることで、お金を得ていきます。

その効率を図る指標として、固定資産回転率というものがあるくらいです。

なので、フリーランスの方や、自宅で仕事するひと以外は、固定資産に入れない方がいいと思われます。

『金持ち父さん 貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター共著)という本でも言及されていますが、お金を生まない不動産は、「負債」でしかないと。

一方で、「いやいや、一軒家の購入は、精神的な資産だよ、一軒家を持つだけで、安心することができるのだから。」という意見もあるでしょう。

上述した借方、貸方の議論では、こうなります↓↓

得られるもの:安心 priceless  失うもの:お金 数千万円

得られるものと、失うもの、一緒の金額なんじゃなかったか。となりますよねw

まぁ、いろいろややこしいので、住宅、土地、その他資産という項目を作ったので、”固定資産”というくくりはありながらも、それらのプルダウンメニューにいれてみてください。

やりたいことによって、扱いをカスタマイズしていけばいいです。


まとめ

さ、ここまでできたなら、基盤ができたことになります。

とりあえず至近の1年分つくってみましょう。

レシートとかないなら大雑把でもOKですよ。

大きいところは、カード明細と小遣い、引き落としとかでわかりますからね。

次は、作業後に自動で作成した、”損益計算書” ”貸借対照表”の見方を説明しますね。

有栖ケンタ


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