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自分にダメ出しをしないで!弱さを大切に  コラム25

「人の心は調和だけで結びついているのではない。それはむしろ傷と傷によって深く結びついているのだ。痛みと痛みによって、脆さと脆さによって繋がっているのだ。」(『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹)

何年か前に読んだ小説からの引用です。ありのままと弱さは密接に関係しています。

ありのままが怖いことだったり、難しく感じてしまうのは「弱さ」にあります。

弱さというのは自分にとって苦手なことだけではなくて、怒りや妬み、憎しみ、嫌悪、本当は人には言いたくない自分の恥ずかしい考え方や習慣などを言います。

弱いところを人に出せない、弱い自分はダメだという考え方は一般的です。私たちはつい、人と比べてうらやましくおもってしまったり、ちょっとした失敗を自分の汚点としてしまうところがあります。

しかし、本当は良いところがたくさんあるのに、自分悪いところばかり見て、ダメな人間と決めつけて、それを包み隠そうと、することこそ、自分にとって究極の自己否定です。

これは認知の話とも関係しますが、自分自身に対して、低く、悪く、劣った存在というレッテルを貼っていることが原因です。

弱さを自覚しながらもそれを「ダメなもの」と決めつけているところが、ありのままを遠ざける考え方になります。弱さは自分の一部でしかありません。

本来、誰もがありのままの自分であるからこそ、素晴らしい人生を歩めるように定められています。

そこから逸れて、自分をダメな存在と決めつけることは、宝の持ち腐れなのです。

あなたはそのままで十分に素晴らしい存在です。その存在がさらに輝くために、日々、ありのままの自分を、特に弱い自分を「こういう自分もあっていいんだ」と認めて差し上げてください。

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