見出し画像

心が折れる理由とレジリエンス    コラム15


先生元気プロジェクト(http://sensei-genki-project.com/)のセミナーでレジリエンスについて講演を聴かせていただきました。その時に「心が折れるのは心が硬くなっているから」という話を聴いてなるほどと思いました。

心が硬くなる理由について思いを巡らせると、おそらく「べき」が関係しているのではないかと思います。「私はこうあるべき」「○○をしなければならない」ということが強ければ強いほど、それ以外に目が向かないし、気が緩むということから遠くなります。一つのことだけが正しいと思いこみ、仮に助言されてもその言葉が届きません。

また、このべきが強いと、他人に対してもそれを求めて、関係も悪くなります。人間関係も硬くなってしまうのです。

そのように「べき」を強く思うのは、そうしないとうまくやっていけないという圧力があるからです。「今の自分ではだめ。だから頑張って認められる自分になるべき」という、本当にあるかどうか分からない圧力への対抗から「べき」思考を強めて硬くなります。しかし、どれだけ硬くなっても圧力には勝つことができず、ポキッと折れてしまいます。

ここで、多くの場合、「今までのやり方が甘かった。もっと頑張らないと」といって再チャレンジする、マイナスからプラスの世界(解決策は努力のみ)をさらに歩もうとする世界ではこれが普通です。周りの人も「もっと頑張れ」のメッセージを伝えることが多いです。そのやり方しか知らない場合は、これを繰り返してまた心が折れてしまいます。

このループから抜けるためには「このやり方じゃなかったと」ある意味で負けを認めることです。つまり、自分の弱さを受け入れて、この自分で良いのだという方向に歩むことです。これが自己受容の世界です。その結果、心が硬くなっても柔らかくなる力が働くので、ぐにゃっと曲がることはあっても、ポキッと折れてしまうことからは免れます。

また、心が柔軟になると見えてくるもの、考え方も変わります。マイナスの状況にもプラスのことを見つけたり、視点が短期的なものの見方から、長期的なものの見方になったり、楽観的にものをとらえたりすることができるようにもなります。

自分の中に「べき」がたくさんあるなと気づくだけでも、心は緩んでいきます。この気づきをカウンセリングが助ける場合もありますし、あり会で他の人と話しをしていて気づくこともあったりします。

もっとも心を硬くする(硬くしている)のは意識に上らないレベルで、自分にとっては「当然こうすべき」という強い「べき」思考です。ここに気づけたとき、「はっ」とするものがあり、その「はっ」とした瞬間から緩んできます。

ご自身の中にどんな「べき」があるか、セルフチェックしてみるだけでも随分と心を硬くすること、その先にある「折れること」から逃れることができます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?